すしログ No. 275 二葉鮨@東銀座

こちらは言うまでもなく東京で最も格式の高い鮨店の一つです。

現存する鮨店だと、弁天山美家古寿司(1866年創業)と並ぶ江戸前の老舗。

こちらの創業は1877年となり、有名な両国與兵衛鮨と共に「江戸前鮨三大開祖」として知られます。

厳密には弁天山美家古寿司は修行先の「千住みやこ」が開祖とされるため、「現存する唯一の開祖」と言えるかもしれません。

そして、味わいは時代に迎合すること無く古典的。

「戦前の江戸前鮨のシャリを現代に残す店」とも言われております。

二葉鮨さんの外観と雰囲気

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正に古典的江戸前鮨の牙城であり、その貫禄はお店の外観に表れております。

140年超の歴史を誇る名店の建物は戦後の建築で築60数年との事ですが、周囲をビルに囲まれた中ではあたかも1世紀を超える建物のように感じさせます。

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始めてお伺いしたのは20代後半でしたが、【ばらちらし】を頂いただけでしたので、改めて握りを頂くべく訪問しました。

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鮨屋台が埋め込まれた外壁に、目を引かれぬ人はいないはず。

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「握」の暖簾をくぐり、扉を開けると、更に木製の引き戸。

このアプローチも今では中々無い味わいを楽しませてくれます。

店内もまた圧巻。

打ち水が打たれた栗木を埋め込んだ三和土の先に映える朱塗りのつけ台。

頭を挙げると船底天井。

「時が止まった」と言う表現がピッタリですが、店内の時計は10分進んでおります。

(こちらは料理を含めて写真撮影禁止なので、文字で表現させて頂きます)

席に座り、空間にしばらく身を置いていると、写真撮影禁止と言う理由が腑に落ちました。

今や何でも便利に記録でき、人に容易に伝える事ができますが、想像力と感受性を働かせる事も重要。

さらには、食べ手が雰囲気を味わう粋も必要だと感じました。

このような空間で写真を撮るのは、甚だ無粋…

握りを頂くうちに、空間に馴染んでゆく身体感覚を感じ、実際の時間とは遊離したような時間感覚に引き込まれてゆきました。

【握りひと通り】は9,180円との事。

日本酒冷酒は【ゴールド賀茂鶴大吟醸】。

先付

菜の花、酢味噌掛け。

 

二葉鮨の握りの概観

ガリは辛く、甘みが付けられておらず、シャープな味わい。

砂糖で甘みを付け、辛味と酸味が非常に穏やかな「クラシカル」なガリは、シャリと同様に戦後に砂糖を加えるようになった事の影響かと実感させます。

こちらのシャリもまた、塩気が立ち、甘みが全く付けられておりません。

使用している酢は赤酢ですが、頂いた後に聞いたとしても赤酢?と思うような塩梅。

当初は塩気が先行するものの、頂いていると酢も強く感じます。

この「塩気」については、昔に比べて弱くしたのかもしれません(鮨好きの先輩の意見を伺うと)。

米粒のほどけ加減ははらはらで、冷たくもなければ粘度も高くない。

現存する最古の鮨店でありながら、今尚通用するシャリであるのは嬉しい限りです。

ただ、表面がザラついている点だけがマイナスでしょうか…

握りは小手返しと本手返しをタネによって使い分けている模様。

山葵は紛れもない本山葵で、辛い。

押しなべて「老舗中の老舗」と言うイメージとは裏腹だと感じました。

驚くほどに「古臭さ」が無く、砂糖を多く添加した街場寿司のシャリとは、趣を大きく異にします。

握りを一通り頂いた感想としては、タネのクオリティは高くないまでも、〆の仕事が秀逸で、〆の仕事を楽しむ為に訪問する価値があると感じました。

冒頭の【針魚】で技を感じ、後半の【小鰭】で訪問した意義をひしひしと実感。

特に【小鰭】は鮨好きならば一食の価値があります。

老舗ならではの〆加減ながら、塩と酢の塩梅が良く、「〆て寝かす」伝統の技を体感できます。

最低5日は寝かせるそうですが、非常に味わい深い小鰭です。

二葉鮨の握りの詳細(実際に頂いたもの)

鮃、鮪大トロ、海老の3貫連続出し(ほぼ同時)

鮃は予想外に長時間寝かせており、言い換えるならばダレていた。

旨味と香りも弱く、少々不安を覚えた。

他についても特筆すべき事は無い。

赤貝、針魚

針魚は頂いた中でも印象深い味わい。

塩で軽く〆て脱水をしつつ、身はとろりと柔らか。

ぷつんとした食感と柔らかい食感を同時に楽しめる。

浅葱を噛ませ、くるんと巻いて握る。

墨烏賊

肉厚で包丁は少なく、バツバツ食感が強い。

これも包丁は少ないので、硬い食感。

これまた意外にも煮ツメが濃くない。

むしろ、漬け込みの漬け地が甘み点が特徴。

火入れは昔ながらのしっかり目。

海胆軍艦

白魚軍艦

生姜、浅葱に加えて、出汁を用いたツユ状の調味料を使用している模様。

白魚の苦味が心地良い。

べったら漬け、瓜の粕漬け

小鰭

ひねりを加えた端正なフォルム。

頂くと、みっちりなのにしっとり。

香り良く、旨味が凝縮されており、正に燻し銀の仕事。

穴子

日本酒の香りが強い。

鮪トロ赤身の鉄火巻

トロが入ると安定感ある味わいですね。

干瓢巻

食感は強めで、醤油は濃過ぎない。

寧ろ醤油の塩梅は弱い方だが、シャリの塩気が効果的にサポート。

シャリが活きる干瓢巻であり、山葵は無し。

玉子

酢飯とは合わせず、そのまま斜めに切って提供。

甘みがかなりしっかりしている玉子。

鯖 追加

これは意外にもしっとりした食感。

小鰭 追加

改めて頂いても、旨かった。

一貫目の印象に加えて、酸味の塩梅も良いと感じた。

【ひと通り】は12貫、巻物半分×2、玉子で構成されているので、2貫追加と日本酒2合で、合計12,850円でした。

所要時間は40分!

これぞ江戸前の粋であり、鮨店だと感じさせる内容です。

こう言ったお店では、長ッ尻するのは無粋と言うもの。

颯爽と食べて去るのが、実に気持ち良いです。

抜群の雰囲気に癒される江戸前鮨の牙城だと思います。

別の話のネタは二鶴さんの記事で言及しました。

 

二葉鮨さんのお店の情報

二葉鮨(食べログのリンク)

店名:二葉鮨(ふたばずし)

シャリの特徴:米酢と見間違うような赤酢使いで、砂糖は不使用、塩と酢を強く用いる。

予算の目安:ランチ3,240円のおきまりやばらちらし、夜はおきまり9,180円~

最寄駅:東銀座駅から100m

TEL:03-3541-5344

住所:東京都中央区銀座4-10-13

営業時間:月~金12:00~14:00、17:00~21:30、土12:00~14:00、17:00~20:00

定休日:日曜、祝日

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