
こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
唐津にある「料理の宿 松の井」さんは、長らく訪問したかった料理旅館です。
この度、満を持して訪問したところ、期待を超える個性的なお料理に大満足しました。
唐津焼の名品で供されるお料理は、まさに唯一無二。
実は、呼子のイカを求めて訪問したのですが、酷暑による大不漁のため出会えませんでした。
しかし、だからこそご主人の工夫が光るお料理をいただけて、当代ご主人の実力を感じられたように思います。


土地の味と雰囲気を十二分に味わわせていただける名旅館。
唐津焼がお好きな方であれば、僕と同様に琴線に触れると思います!
いつか海水温が低い時期に再訪して、今度はイカをいただきたいところです。

「料理の宿 松の井」さんは、創業を1895年(明治28年)にさかのぼる老舗です。
お店は「日本三大松原」として有名な「虹の松原」の西端にあります。

松原が途切れた先の市街地にあり、その奥に唐津城が鎮座します。
お店の前には松原と海が臨まれ、期待が高まる立地です

現在のご主人は森次 庸介さんで、京都の「じき宮ざわ」で修行を積まれた後に、ご実家に戻られたそうです。
1990年生まれの感性と修行先での京料理の技術を活かして、伝統、郷土性、モダンな発想をハイブリッドされています。
まず、一品目の八寸をいただいて、森次さんの味覚を信頼しました。

派手さはありませんが、調味が良い。
食材の持ち味を活かしつつ、意外性を与える調味をされています。
そして、甘味の許容度が高い九州において、八寸で甘味をかなり引き算している点は非常に面白く、意欲的だと感じました。

さらに、旅館にあって山葵はおろしたての本山葵!
格式のある旅館や料理店でも低品質な混ぜ山葵を使用することが多いので、細部への配慮は信頼に直結します。
訪問したタイミングはイカだけでなく、酷暑によって食材が弱い状況だと感じました。
しかし、それを発想と技術で補って余りあるものに仕上げる手腕に、また訪問したいと思った次第です。

ロビーには中里太郎右衛門窯のギャラリーがあります。
お料理も名品でいただけるので、器好きには堪りません。
それでは、「料理の宿 松の井」のおまかせコースの内容について紹介します。
訪問時にいただいたお料理を紹介します。

右下から時計回りで、茄子胡麻茶巾、カマスの燻製、牛肉の昆布巻き、バイ貝、茗荷の酢漬け、鯵寿司、蛸オクラ自家製細雪酢味噌、玉子豆腐、グレープフルーツで炊いたサツマイモ。
とりわけ右下の茄子には驚嘆。一見すると牡蠣のような見た目で、茄子とは思えない食感に仕上げていて実に面白い!

鯵寿司はしっかり〆ていてクラシック。祭祀におけるハレの寿司を想起させる〆加減だ。サツマイモにはグレープフルーツの酸味のみならず苦味も活きていて、これも興味深い。カマスの燻製は薫香を加えつつジューシィさも残している点が美点。昆布と牛肉巻きも魅力的で、和牛の味を軽やかに楽しませてくれる。
器は「飯洞甕窯(はんどうがま)」梶原さんの作品。

調味料は煎り酒。鯛は上品な塩梅で昆布〆を施して寝かせている。付け合わせにスイカの葛寄せとは洒脱だ。酸味が活きている。調味料の煎り酒は昆布と梅が効いていて力強い方向性の調整だ。

ねりご(カンパチの幼魚)に土佐醤油の葛餡、そして薬味はディルとスタイリッシュな提供方法。器は十二代中里太郎右衛門さん(人間国宝)のもの。

サザエはコリッコリで磯の香りを満喫。こちらの器は十三代中里太郎右衛門さんのもの。

作礼山に構える「作礼窯」岡本作礼さんの酒器。

酒盗和えのイカと車海老を眼の前で焼き上げる高揚感が高まる提供!しかも、焼き石と思いきや、石ではなく唐津焼だそうだ。驚いた。

食材を置いた時の香ばしさが良い!!磯を想起させる香りには誰もが魅了されるはずだ。

イカはパツパツで甘味が横溢する。海老も甘味と酒盗のコクと香りが堪らない。塩味が甘味の輪郭を強調して魅力的だ。

ここにきて甘味を強めつつ、同時に鰹出汁を効いていているため非常にキリリとしたバランス。穴子は天草産で、皮、皮下脂肪、身から大型であることが分かる。身はとろっ、ふわっと炊いていて、もっちりした赤飯に合う。器は「三玄窯 中里重利陶房」さんのもの。


牛は脂が乗りつつ酸味も感じさせる。巻き込んでいるのでポーションもあるため満足度が高い。出汁が効いたツユでサッパリしているのが好印象だ。ただでさえ脂が重たい和牛に砂糖が多い味付けを行う料理が苦手なので、嬉しい。



「三玄窯」さんの器に盛り付けられた鯛のお頭。身はしっとり感を残しており、味付けも野暮ったくなく美味。

旨味と酸味に上品な和牛香を楽しめる。炭火焼きと思われ、カリッと焼き込んでジューシィに仕上げている。一口目を飲み込んだときの甘味のインパクトが低いところが素晴らしい。甘味のアタックが軽いので、調味料をお伺いしたところ砂糖でも味醂でもなく熊本赤酒とのことであった!!

ご飯は「土鍋を見せるプレゼン」を行わないが、味から土鍋炊きである模様。留め椀はなめこの赤出汁で、甘味ある味噌をブレンドしている。海苔は板海苔を使った自家製の佃煮、鶏肉と昆布の和え物、チャーシューのばらし。
右上の冬菇とずいきの煮物が特に素晴らしい。ずいきには胡麻の風味を含ませている。

お食事の器たちも、もちろん唐津焼!

佐賀県産ライチの氷とスイカ。香りが良く美味しい!

最後に、朝ご飯の紹介をします。朝ご飯会場の唐津くんちの幕が素敵だ。

ご飯、湯葉と塩雲丹の茶碗蒸し。

唐津の名店「川島豆腐店」さんのざる豆腐、生野菜のサラダに自家製リンゴのドレッシング。

出汁巻き玉子、白身魚の揚げびたし、鰤の味噌焼き。

肉味噌、牛肉の時雨煮、とろろとエノキ。

じゃこ。

香の物。

煮ものは茄子と糸瓜。

味噌汁。

赤ワインのゼリー、クリームチーズ、シャインマスカット。
「料理の宿 松の井」さんは、「じゃらん」でWEB予約が可能です。
店名:料理の宿 松の井(りょうりのやど まつのい)
予算の目安:2食付宿泊25,300円(目安)~
最寄駅:唐津駅から2.1km
TEL:0955-72-8131
住所:佐賀県唐津市東唐津2-4-32
営業時間:チェックイン時間15:00、チェックアウト時間10:00
定休日:不定休
唐津の魅力的なお店たち
唐津が大好きな、すしログ(@sushilog01)でした。
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