
こんにちは、鮨ブロガーのすしログ(@sushilog01)です。
さて、松江に行く予定のあるグルメな方に、ぜひとも訪問してみて欲しい一軒があります。
お店の名前は「季っ儘(きまま)」さん。
世間的な知名度こそまだ高くありませんが、島根県産の食材を駆使して魅力的なお料理に仕上げるカウンター割烹です。
食べログのスコアは3.5ほどですが、「松江を訪れる理由」となる一軒です。


東京で修行を積まれた料理人さんと、中華料理店出身でSAKE DIPLOMAをお持ちのマダムが二人三脚で営まれています。
ですので、料理、お酒の両方において死角なしの期待のお店です!
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「季っ儘」さんの魅力は、島根県の上質な食材を駆使している点、洗練された調理技術、独創的なセンスと遊び心となります。
島根県は食材こそ素晴らしいものが多々あるものの、飲食店の数や知名度で考えると「地味」な印象を抱かざるを得ない県だと思います。
かつて松江に宿泊する際に飲食店を検索すると、お店のチョイスに苦慮せざるを得ませんでした。
美味しいお蕎麦屋さんはたくさんあるんですけどね。
しかし、「季っ儘」さんは島根県産の食材をフル活用する仕入れと技術を持つお店です。

島根県全域の食材を用いて、東京で学んだ調理の腕を活かしているので、自然と応援したくなります。
メニューを見ると、食好きならば否応なしに期待が高まるのではないでしょうか?

そして、コース構成が柔軟であるところも魅力です。
おまかせにアラカルトを付けられる、東京で最近注目を集めているスタイルを採用されている点も注目に値します。
コースは3つで、【おまかせ7,000〜8,000円+アラカルト】、【10,000円コース(お食事6〜7品)】、【12,000円スペシャルコース(お食事8〜9品)】です。
基本のコースは「本日のおまかせ5品」が提供され、その後に当日の仕入れ状況に応じた追加料理やご飯ものを個別にオーダーする構成となっています(ちなみに、5品以上出ます笑)。
最初から最後まで決まりきったおまかせ一本ではなく、その日の気分に合わせて食材や調理法を選べるため、食事のライブ感と楽しさが倍増します。
あるいは、スペシャルコースで厳選食材を漫喫するも良し、ですね。
最後に、お店の魅力を強力に引き立ててくれるのが、マダムによる日本酒ペアリングです。

マダムは中華料理人としてのキャリアを持ち、さらにSAKE DIPLOMAを保持する凄腕。
調理を把握した上で紡ぎ出されるペアリングは実に巧みで、滞在の満足感を高めてくれます。
日本酒が好きな方は頼まない手がありませんね。
総じて、このお店を訪ねるために、また松江に来ようと思わせてくれるほどの魅力的な一軒でした!
いただいた「本日のおまかせ5品」と、追加で注文した魅力的な一品をご紹介します。
なお、カウンターに座ると、箸が「縦置き」でセットされていることに気づき、不安を感じるかもしれません。
僕も一見不思議に思いましたが、これはマダムが中華料理出身であるためだと思われます。
それでは、2026年5月訪問時にいただいた内容を紹介します。
僕たちは、【おまかせ7,000〜8,000円】をいただき、アラカルトで2品追加して、ペアリングを付けて17,000円ほどでした。
最初の日本酒は、日日からスタート。

初手で安心感のあるご提案です。

蜆の身自体は入っていないものの圧倒的な存在感をストレートに感じさせるスープだ。雑味やネガティブな要素はゼロで、塩味も上品。あしらわれた十六島(うっぷるい)のすじ青のりの豊かな香りがスープに美しく馴染み、食欲をじんわりと刺激してくれる。なお、十六島の海藻は非常に美味しく、岩海苔も珠玉の味わいだ。旅行に行く人はぜひとも入手して欲しい。

出雲のGLF(グッドライフファーム)の春かぶの炭火焼き。かぶ自体の甘味が強く、瑞々しい。優しく素朴な味わいに身体が癒される。葉の部分を塩もみしている点も好感が持てる提供方法で、あえて塩を効かせて調味料的にアクセントとして合わせる設計だ。

続いてのお酒は、月山のおりがらみ。おりがらみの持つコクや香ばしさ、ほどよい収斂味ととろみがあるため、吉田酒造に特徴的なカプロン酸エチル系の華やかな香りが立ちすぎることもなく、味覚のバランスを保ってくれる。

炭火で香ばしく焼き上げたいさき。添えられているのは菜の花の素揚げに、天佑卵(てんゆうらん)の卵黄の塩漬けパウダー。さらに番茶で溶いたという地芥子が添えられている。

脂の乗った味わい深いいさきに、炭火焼きの薫香と菜の花の素揚げ特有の香ばしさやほろ苦さが絶妙に調和する。魚と野菜を組み合わせる手法は魅力的で、さらに素揚げにしていさきの皮目のテクスチャーや香ばしさとの同調率を上げている点にもセンスを感じる。

清蒸(チンジョン)スタイルで仕上げた甘鯛に、奥出雲産の花山椒、コラトゥーラ、さらにタラの芽を合わせた魅力的な一皿。このような組み合わせを伺うと、関心と食欲が高まるというもの。広東料理の手法を和食の枠に落とし込むセンスが良く、調整された調味のバランスが良い。和食で清蒸に出会うと油脂と塩が多すぎることがあるが、あれは完全にダメだ。甘鯛自体はわずかに血液の酸化を感じつつも、力強い味わいを持っている。刺激的な薬味との相性も良く、タラの芽の食欲をそそる芳醇な香りと、コラトゥーラならではの深みある旨味がしっかりと活きている。

続いてのお酒は無窮天穏の「天雲」の熱燗。


お造りは実に豪華で3品登場。海苔巻仕立ての〆鯵には、鯵の白子と菜種油を合わせ、さらにグッドライフファーム産の朝どれサラダを巻いている。薬味を合わせるのとは異なり、サラダ仕立てにすることで鯵自体の味わいが活きてくる。ふんわりと香る上品なディルの使い方も良い。

アオリイカには繊細な包丁が施されており、口の中で細かくほどけてゆく。軽妙にぱつりと弾けるような心地良い食感を残しつつ、噛むほどに生地の甘味が広がる。本質的な包丁の仕事で味を魅せる姿勢が素晴らしい。
海胆は島根町で渡辺さんの手による塩水海胆。雑味がなくピュアで、強い甘味と爽やかな香りが広がる逸品だ。

大田産のノドグロ(赤鯥)は、凄まじいほどに脂が乗っている。これを炭火で炙ることで、脂の甘味を引き出しつつ香ばしさを付加している。

生酛造り由来の乳酸と旨味を次の牛肉に合わせる提案が素晴らしい!

鳥取のブランド牛である万葉牛のクリミ(肩肉の一部)の炭火焼き。添えているのはグッドライフファーム産の黒人参。調味料は塩、大根島産の黒にんにく、生胡椒。牛肉には特有のミルキーな香りがあり、赤身らしい旨味に加えて上品な脂の甘味が滲み出てくる。そこにほのかな酸味が加わり、後味を引き締めてくれる。黒にんにくには生姜を加えて醤油で調味しており、実にバランスが良い。黒人参は糖度が高く甘味が強い。人参ならではの香りを残しつつ、焼き芋のような芳ばしさが上品に広がる名脇役だ。

追加のお料理にも生酛の燗酒を提案され、素晴らしいチョイス。

松江産のタラノメ(右)と、雲南産のコシアブラ(左)。山菜で人気が高い2種をいただき、大満足。

天麩羅またはしゃぶしゃぶでいただけるとのことで、しゃぶしゃぶを選択!大正解!穴子には鱧の骨切りが応用されていて、沸き立つ出汁に通していただく。

穴子にはネガティブな泥臭さなどは皆無で、ピュアな旨味と豊かなゼラチン質、端正な香りを楽しめる。皮目の適度な歯ごたえも心地良く、噛み締める喜びがある。傑作である。
「季っ儘」さんは完全予約制で、トレタ経由でWEB予約が可能です。
店名:季っ儘(きまま)
予算の目安:おまかせコース8,000円〜
最寄駅:松江駅から450m
TEL:070-4479-5807
住所:島根県松江市寺町199-1
営業時間:18:00〜(最終入店19:30) ※営業はその日のはじめの予約に合わせてOPEN(18:00・18:30・19:00・19:30)
定休日:不定休
島根で僕が大好きな鮎料理店
将来の人気店に出会えて嬉しくなる、すしログ(@sushilog01)でした。
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