
こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
金沢の鮨店は実に個性的です。
昔から激戦区として知られましたが、各店個性が異なるので足を運ぶのが面白い。
中でも名店と言われた「太平寿し」出身の「飛(とび)」さんは、系譜らしさを感じる創作的な鮨です。
他の県では食べられないユニークな鮨を求める方にヒットする一軒です。


「太平寿し」は「創作寿司」と呼ばれることが多いお店でしたが、「飛」さんは「創作的な江戸前鮨」だと感じます。
甘いシャリは今日び珍しい!
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「飛(とび)」の親方である飛地 孝志さんは、野々市市にあった「太平寿し」で約25年もの間修行して2016年6月に独立された職人さんです。
年季が入った叩き上げの職人さんですね。
しかしながら、接客は非常に丁寧で、初訪問の旅行者であっても寛げるお店です。

お店の特徴としては、「土地の味」を非常に強く打ち出していて、なおかつ今の時代にも美味しいところです。
このようなお店は今や少なくなりつつあります。
どのような事かと言えば、最近の潮流を見てみると分かりやすいです。
最近は東京などの大都市で修行した方が地方に戻り、開業時点から極めてハイレヴェルな鮨を編み出すことが増えています。
非常に喜ばしい結果ですが、「土地の味」知る機会は限られてきます。
修行に出る前の若い頃の味覚と食の経験→東京に修行に出て東京の仕事と味覚を覚える→地元にリターンして東京で学んだことを実践する…なので、「土地の味」を取り入れる機会が限定されているのではないかと感じました。
それほどまでに「飛」さんの味は非常に郷土的かつ固有の味です。

生命線のシャリには強めの甘味を付けていて、この点が極めて郷土的です。
今の江戸前鮨を食べ慣れている人は驚くかもしれません。
しかし、ぱらりとほどけます。
粘度も割とあるものの、ぱらっとほどけるので好印象です。
甘味が強いのでヘタすると野暮ったくなるところ、シャリの状態が良いので最後まで食べ飽きないシャリです。
飛地親方は東京の江戸前鮨とは全く異なるシャリを意識的に志向している、と感じました。
それでは、「飛」さんでいただいたお料理を紹介します。
お昼のおまかせをいただき、お酒を3種類飲んで、2人で32,300円でした。
お酒はもちろん地酒に絞ります。




強めの甘味を付けていて辛味もしっかりで、食感はシャキシャキなガリ。酸味もキリッとあり、フルーティな印象を与える。

昨年の新ガリ。こちらも甘味を効かせつつ辛味は穏やか。

片方はレモン塩での提供。塩気を効かせてクラシックな仕立て。
もう片方は煮切りでの提供。こちらの方が魚の旨味を感じやすい。

肉厚な鯖を炙って香ばしく提供。中に甘味のあるガリを噛ませている。正直なところ、マハタ2貫と炙り棒寿司をいただいた後、シャリの甘味も相まって「大丈夫だろうか?」と感じたのは事実だが、この後、親方の目論見と試みが分かるほどに美味しく楽しくなっていった。

薄切りで、レモンの酸味を効かせて当たり葱も使用する薬味多めの仕事。当たり葱には長葱も使用していて、シャリッとする食感が意外にも好印象であった。生姜の香りも強めで、強めのアクセントを意識したバランス。

ハート型とはビックリだ。蟹の香りがたっぷりと広がり、甘味のある温かいシャリがなんとも和む。シャリがより水分を保持していたら味わいが増すのは間違いない(表面が乾燥していた次第)。

能登産、100キロくらいとの談。さらりと溶ける脂のトロ。

標準和名マトウダイの「あやかり鯛」だ。昆布〆の塩梅が程良く、食感はぱっつりして昆布の香りがふんわりと広がり、徐々に高まる旨味が盛り上げてくれる。シャリの甘味とまろやかな共演を果たす。

鰻を提供するのが実に石川らしい。鰻には味を含ませつつ、香りと脂を楽しませてくれる。焼き立てで、甘味があるシャリと合う。海苔は肉厚で歯切れ良く、香りも良い。いただいた白藤酒造店の日本酒「輪島物語」と合う。

9キロほどのもの。サックリ香ばしく炙って、焦げの苦味もあるので手取川の甘味が広がるペアリングになる。

ぷっちり弾けてトロトロ。甘味が強いので、シャリとの相性が良い。

ノドグロは昆布を引いて蒸しているようで、提供前に芽葱をあしらう。ノドグロの脂とシャリの甘味だけでなく、昆布にも甘味を用いているので、ひたすらまろやかな味わい。これは土地の味が非常に強く出ている。

能登。下面を炙り、これはほぼ焼肉だ!しかし、味付けが軽やかで、脂をトロットロに溶かしていないので重くない。

軽い炙り。香ばしさは魅力ながら、これについては苦味が…気になった。バーナーの近火が原因だろうか?

縁側のように脂が乗った部位を刻んで大葉とレモン塩で。むっちりした身から脂が滲み、薬味と調和する。最初は薬味が先行するが、噛み締めると脂が滲んで一体化する。

出汁をキリッと効かせている。海苔は能登の岩海苔かな?

甘味が効いていて、まろやか。熱々ながら甘い。

海苔は鰻と変えており、今度は東京丸山のこんとび。山葵も銅板ではなく鋼鮫。味付けは甘味はほどほどで、軽くコリっと弾ける。海苔は香ばしく、歯切れよりもシャリと一体化する方向性の食感。
「飛」さんについては、お電話での予約となります。
店名:飛(とび)
シャリの特徴:強い甘味を持った土地固有のシャリ。ぱらりとほどけるので連続性がある。
予算の目安:13,000円〜17,000円ほど
最寄駅:金沢駅から1,700m
TEL:076-255-2768
住所:石川県金沢市尾山町12-5
営業時間:月・火・土・日12:00〜14:00、18:00〜22:00、金18:00〜22:00
定休日:水曜、木曜
土地らしい鮨も良いよなあ…と感じる、すしログ(@sushilog01)でした。
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