松山で仕入れ力とセンスを兼ね揃える端正な鮨店!「鮨たか山」

たか山外観

こんにちは、鮨ブロガーのすしログ(@sushilog01)です。

前回訪問時に「食べログのスコアは3.11ですが、将来的に松山の上位クラスに入るのは確実と見ます」と書いた「たか山」さん。

その後、実際に3.61まで上がり、松山で8位になりました。

ブログの読者さんも多数訪問されているようで、嬉しい限りです!


…ただ、今回の訪問では他のお客さん5人中3人が大幅に遅刻されて、ドン引きしました。

予約した飲食店に遅刻するのは厳禁です!!

すしログ
すしログ

何はともあれ、仕入れよし、仕事よしなので、今後の伸びしろもバッチリです。

松山で通える鮨店を探している方に強くオススメです!

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愛媛県松山市「鮨たか山」の魅力とは?

「鮨たか山」の親方、高山 だいさんは「鮨いの」さんで4年間修業された職人さんです。

独立は2018年6月。

この度頂いて、独立から現在までの過程で、確かな仕入れルートを確立されてきたのだと味で分かりました。


使用するタネは愛媛県近海の地魚で固めており、高品質。

名漁師・藤本さん以外にも愛南町の丸鉄水産・濱田さんの魚も印象的な味わいで、さらに鮪は豊洲で僕が推しの仲卸、結乃花ゆのかさんから入れておられます。

また、希少性の高い海胆も入れておられ、食材力は非常に高いです。


仕事については、江戸前の仕事を押さえつつ、モダンな方向性で調整されています。

愛媛県の地魚を用いつつ、東京や福岡、札幌などの鮨激戦区の人気店と比べても遜色のない方向性で表現。

江戸前鮨の王道を以て愛媛の魚を扱っている職人さんだと感じました。


また、鮨の生命線のシャリは粒が立ち、塩を利かせつつ噛みしめると米の甘味が広がります。

加糖よりもお米の甘味で甘味を表現している点が端正です。

お米はつや姫のみとの事ですが、粒感がリズミカルで良い炊き加減です。

そして、口の中でパラッとほどけながら酸味が広がります。

塩とお酢の使い方は松山の中では強めの部類ですが、バランスが良好です。

聞けば、最近調整されたとの事でした。


高山親方は関東だと、「鮨みずかみ」の水上親方、「常盤鮨」の林ノ内親方と親交があり、敬意を抱かれているようです。

なるほど、それ故に塩気と酸味を強くされていたのか!と感じました。

調整される事で、ご自身の仕事と愛媛の魚との一体感を高められたのは頂いて実感するところです。

これから更に美味しく進歩されるのは間違いありません。


それでは、実際に頂いた御料理の詳細をご紹介いたします。

「鮨たか山」のおまかせコースの詳細

「鮨たか山」さんのおまかせは、15,000円と非常に良心的な価格設定です。

お酒を頂いた2万円を切る内容ではない、と実感し、正直なところ宣伝したくないほどのコストパフォーマンスです(笑)

ただ、松山の鮨が更に盛り上がって欲しいので、隠さずにご紹介する次第です。

2024年8月に頂いたもの

2024年8月の訪問時に頂いた内容です。

岩もずく

岩もずく


前日は師匠の「鮨いの」さんに訪問したのだが、師弟でアプローチが違うのが面白い!高山親方は飲める塩梅にてお酢の酸味を抑えておられた。

蛸

秀逸すぎて鳥肌が立った。火の入れ方と包丁の技が奏功した結果、香りと旨味、ほどけ方が素晴らしい。心地良い歯切れの音とともに複雑な味を堪能した後に余韻がたなびく。

剣先烏賊

剣先烏賊

喉で感じるほど旨味が強い烏賊だ。そして、香りも楽しめる!当日の水揚げだそうだ。甘味だけでなく多様な味わいを楽しませてくれる烏賊は感動に値する。

鰯

愛南町産。こちらも当日のもの。

鰯02

脂の酸化が皆無で甘い!香りも抜群。ピュアに楽しめる。

胡麻鯖

胡麻鯖

胡麻鯖とは思えない味わいである。脂がありつつ食感はパツパツ!これは産地故の喜びだ…。香りも込み上げてくる。サイズはキロアップ。

海胆

海胆

松山では限られた3軒にしか流れない、二神島の海胆。格別…!!

鮑

佐賀関産。噛み締めた瞬間の香りが素晴らしい。ゼラチン質は強くないものの香りが凄い。柔らかすぎずに仕上げて魅力を凝縮させている点に工夫を感じる。ほんのりと肝由来の苦味も漂う汁。

あまぎの一夜干し

あまぎの一夜干し

「あまぎ」はイボダイ、エボダイの地方名。脱水してもぎゅっとした食感で美味い。香りも爽快だ。鮨店においては、ノドグロのように脂ノリノリな焼き物ではなく、このようなアプローチが鮨店ではベストではないだろうか…?実際に高山親方も昨年は常磐沖のメヒカリを焼き物に使用されていたが、今年は地物に切り替えられることで、コース全体の印象がより鮮烈になった。

白甘鯛

白甘鯛

むちむち、バツバツした食感で、脂が込み上げてくる。このように「噛み締めて旨い白甘鯛」はご当地ならではで感激が大きい。

北寄貝

北寄貝

甘味と貝類らしいホロ苦さ、それをシャリの酸味がキリッと引き締める。

赤海老

赤海老

甘味がバシッと広がり、シャリの酸味が瞬時に味を引き締める。この味わいのギャップは松山のお店でも他に無い。

縞鯵

縞鯵

愛南町産。冷やして提供とは素晴らしい。強い脂と食感が良い!脂の乗りが抜群な縞鯵だ。

ニシガイ

ニシガイ

強い旨味と甘味。故にシャリの酸味と塩気が味わいを引き立てる。

鯵

脂が乗りっていて、しっとり、とろりとした食感。香りが上品。

鮪中トロ

鮪中トロ

漬け。鮪の香ばしさを高める仕事!

蛤

しっとり柔らかくしつつ火を入れてシャクシャクと。甘味、漬け込みの塩梅、煮詰めが良いバランス。

小鰭

小鰭

塩も酢も強めに〆て、寝かせて旨い。かなり良い小鰭の仕事だ。

車海老

車海老

茹で上げを寝かせて温度を落とし、甘味を引き立てる仕事で良い感じ。食材の甘味にシャリの酸味を当てるアプローチは松山において良いと思う!

海胆軍艦

海胆軍艦

濃密な香り!甘味も申し分ない。

穴子

穴子

昨年よりもトロトロ感が穏やかで、繊維のホロッとほどけるテクスチャーが楽しめる穴子。

椀

出汁をスッキリと効かせた赤出汁で爽やか。

玉子

玉子

本質的な蒲鉾を思わせる香りと旨味の玉子焼き。

2023年7月に頂いたもの

2023年7月の訪問時に頂いた内容です。

岩もずくと地海胆

岩もずく

合わせている海胆は地物で、二神ふたかみ島のもの。

この海胆が非常に味わいが濃く、もずく酢と頂くと更に濃密に感じる程だ。

西日本の海胆の産地としては、淡路島の由良や佐賀県の唐津などが有名だが、全く遜色ない。

握りでも頂いたので詳細は後述する。

蛸

愛南町の真蛸。

みっちり凝縮しているようで、繊維はホロホロとほどけ、実に旨くて香りが良い。

味付けの塩気も程良い。

また、素晴らしいのが提供温度だ。

常温くらいで提供し、味わいと香りを楽しめる温度帯である。

この温度帯を選択するケースは少ないので、センスを感じた。

足の周りはトロトロととろけるようで、身とコントラストがある。

胡麻鯖

胡麻鯖01

こちらも愛南町。

軽い漬けに柚子皮を使用している。

脂がしっかりと乗っていて、噛み締めると口腔の温度で脂がトロトロととろけ、濃密な味わいになる。

胡麻鯖02

これは今まで頂いた中で最も力強い胡麻鯖だ。

魚体は800gアップ。

カマスの焼き物

カマス

八幡浜産。

肉厚で脂が乗っているため、酢橘をたっぷり使用したおろしが味わいを引き締める。

蒸し鮑

鮑

佐田岬の海女さんが獲る鮑だそうだ。

5時間蒸しで、厚切り!

食感はぷりん、ぱつりと気持ち良い。

舌にみちっと張り付くような艶めかしい舌触りがあり、歯を入れるとぷりぷりと反発し、ぱつりと切れて快感だ。

そして、強い旨味が喉に刺さり、香りがこみ上げてくる。

頂いた後との唇にはゼラチン質がたっぷりと残る。

煮汁も言わずもがな旨い。

メヒカリの焼き物

メヒカリ

メヒカリは流石に愛媛県産ではなく、定評を勝ち得ている常磐もの。

豊洲から漁期に仕入て、干したものとの事。

身はホロッホロ、脂がしっかりと乗っていて流石の産地だと感じる。

八幡浜でも揚がるそうだが、クオリティは微妙で元々蒲鉾に加工される事が多いそうだ。

ガリ

ガリ

酸と塩が効き、少量で口直しとなるガリ。

鮃

こちらは北海道産。

寝かせて旨味を引き出しつつ、みっちりした食感が魅力だ。

酢橘を使用しているものの使用量はあくまでも上品で、初手から好感を抱く名刺代わりの一貫目。

ケンサキイカ

ケンサキイカ

八幡浜産。

ねっちりした食感で、濃密に舌に絡み、甘味が強い。

縞鯵

縞鯵

みちっとした強めの歯切れを示した後、とろりととろけるのは脂の含有量の証左。

濃密な味わいと香りがこみ上げる。

寝かせは1日のみと、予測よりも短い。

モノの味わいなのだろう。

愛南町の濱田さんの手による縞鯵。

赤海老

赤海老

ぷちりと弾けて、とろりと甘味が広がる。

他の産地の深海系の海老よりもサッパリした味わいだ。

しかし、確かな甘味を楽しませてくれる。

こちらは結構寝かせており、3日との事。

鯵

強い脂の鯵なので、シャリのお酢の酸味と見事に乳化する。

鮪赤身

鮪赤身

塩竈産で5月に水揚げされたものを凍結している。

鮪の血液よりも肉を思わせる「ツナ」的な香りが強めの赤身で、食べ応えがある。

鮪大トロ

鮪大トロ

境港産で、訪問の3.5週間前に仕入れているそうなので長期熟成だ。

香りのパンチがあり、実に雄々しい印象の大トロ!

小鰭

小鰭

かなり古典的なクラシック〆!

みちっとさせて、香ばしい。

それでいて酸味は穏やかで、塩気もまた上品。

温故知新の小鰭の〆だと言える。

鮪の後に提供される理由は、やはり「すきやばし次郎」の系譜である「鮨みずかみ」さんや「水谷」の系譜の「常盤鮨」さんを敬愛されている為だろうか(鮪3連発の後に小鰭と言うのが系譜の定番の流れである)。

車海老

車海老

酸味と塩気が効いたシャリと車海老の甘味が好対照で美味。

真魚鰹

真魚鰹

藤本さん仕入で、魚体は2キロ弱。

軽い漬けに浅葱を噛ませて提供。

抜群の安定感を誇る美味しさだ。

藤本さんの真魚鰹のブランド価値を味を以て知る。

海胆軍艦

海胆軍艦

二神島の海胆。

濃密な甘味と爽快感を与える極軽い苦味が味わいをサラッと引き締める。

香りの中に一瞬だけ雄々しいニュアンスを含むところがこの産地の特徴だと実感。

北海道産やブランドの唐津産などと比べても大変美味しい海胆である。

聞けば、松山では3軒にしか流れていないそうだ。

漁師さんから直接仕入れ、3軒で全量を購入しているとの事で恐れ入る。

期せずして、訪問時に漁師さんがおられ縁を感じた。

穴子

穴子

とろとろ系だが、繊維質のテクスチャーがあり、しっとり、ほろりとほどけるところが魅力だ。

椀

キリッとした味わいの赤出汁。

玉子

玉子

しゅわしゅわ、しっとりした食感の玉子。

上と底は熱で軽くみちっと凝縮している。

「鮨たか山」のお店情報と予約方法

「鮨たか山」さんは、ホットペッパー、もしくはポケットコンシェルジュ経由でWEB予約が可能です。


鮨たか山(食べログのリンク)

店名:鮨たか山(すしたかやま)

シャリの特徴:酸味と塩気を強めに用いつつ、お米の甘味を活かす良いバランスのシャリ。

予算の目安:おまかせ15,000円

TEL:089-915-3103

住所:愛媛県松山市三番町3-4-1 サザンコーラスビル3F

最寄駅:大街道駅から600m

営業時間:18:00~23:00

定休日:月曜

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