こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
本記事は「旬の魚」をご紹介する「旬魚の世界シリーズ」です。
当シリーズでは、旬の魚の魅力を鮨ブロガーならではな目線で解説していきます。
今回は「ウニ(海胆)」についてご紹介します。
すしログ
楽しんで頂ければ幸いです。
▼シリーズのまとめ記事はこちらです
ウニ(海胆)の基本情報
標準和名:ウニ
通称・別称:ウニ
英語名:sea urchin
旬:6月~8月
ウニ(海胆)についてのすしログ的コメント
キタムラサキウニ、エゾバフンウニ、アカウニ、ムラサキウニ、バフンウニなど、海胆には種類が多いですが、流通する圧倒的多数がキタムラサキウニとエゾバフンウニとなります。
そして、色による識別が容易で、キタムラサキウニ=白みがかった黄色、エゾバフンウニ=濃厚な黄色もしくはオレンジ色となります。
キタムラサキウニ
エゾバフンウニ
アカウニは西日本が主産地となり、唐津のものは広く知られたブランドですね。
…と、ここまでは鮨好きならば一般常識となりますが、意外と知られていないのが漢字表記の理由と意味。
ウニには海胆、雲丹、海栗の3種類の表記があります。
そして、最も一般的に表記されているのが、雲丹。
しかし、この表記は厳密に言うと間違いとなる可能性があります。
それと言うのも、漢字の意味は下記の通りなので。
- 海栗:生きている状態のウニ、由来は栗のような見た目から
- 海胆:殻から取り出した中身(生殖巣)の部分で、要は生のウニ
- 雲丹:食品用に加熱や塩漬けされたウニ
なので、鮨店のウニの表記は「海胆」がベストとなります。
別に表記を分けろと言うつもりは毛頭ありませんが、鮨好きとしては知っておいて損の無い知識かと。
ちなみに、更に細かい話となりますが、「雲丹」は「食品に加工したもの」であり「ミョウバンや塩水処理したものも含む」とする意見もありますが、厳密に言うとこれは間違いです。
「雲丹」の「丹」は「あか」と読む事も出来、つまり「雲丹」は「赤い雲」。
なぜ「赤い雲」かと言うと、ウニを塩漬けにすると赤くなるためです。
塩ウニの為に作られた表記が「雲丹」なんですね。
もともとの日本語にあったウニは「海胆」となります。
まあ、それはさて置き、旬の話に戻ります。
ウニもミョウバンに漬けた加工品が年中頂けるうえ、冬でも北方四島のものが流れているので旬を意識されにくいかと思います。
しかし、最も種類が揃う時期は、紛れも無く夏です。
全ての産地で漁期がコントロールされているので差はありますが、様々な産地のウニを食べるならば、6月~8月がベストとなります。
ちなみに、人気の高い北海道の日本海側でエゾバフンウニとキタムラサキウニの両方を同時に食べられる時期は、8月中旬から9月末までの限られた時期のみとなります。
噴火湾であれば3月中旬から5月末ですが。
三陸(青森、岩手、宮城)はエゾバフンウニを6月~8月、キタムラサキウニを9月~10月と分けているので、同時に食べられる機会はありません。
ウニ好きは特に女性が多いですが、狙うなら夏です!
ウニ好きな女性とデートする男性も、狙うなら夏と言う事になります(笑)
ウニ(海胆)の鮨における仕事(調理法)
ウニ(海胆)の鮨における仕事(調理法)は以下の通りです。
- 生の握り
- 生の軍艦巻き
稀に寝かせる変態職人さんもいますが、基本的には生で提供されます。
ミョウバン使用の箱ウニ、ミョウバン不使用の箱ウニ、ミョウバン不使用の塩水パックがありますが、超高額で取引されるものはブランドの付いたミョウバン使用の箱ウニである事が多いです。
ただ、そう言った超高級箱ウニについては、ミョウバンの使用が上手く、ほとんど気にならないものが大半です。
しかし、ミョウバンには独特の苦味=収斂味があるので、大量に用いられたものは食味を落とします。
ウニが苦手!と言う人に理由を聞くと、初めて食べたウニがミョウバン漬けだった為である事が非常に多いですね。
僕もそうだったのですが、この場合、美味しい鮨店に行くと「ウニってこんなに甘くて美味しいのか!」とイメージが逆転します。
是非とも夏の鮨店に行ってみてください。
そして、握りにするか、軍艦巻きにするかは、職人さんの好みとウニの味次第でしょう。
ウニ自体の濃厚な味と香りをストレートに伝えたい場合は握りで提供される事が多いです。
しかし、海胆と海苔の相性は良好なので、海苔がダメと言うわけでは決してありません。
通ぶって「良いウニに海苔を使うのは無粋」と言っている人(なぜか例外無く年配の男性)がたまにいますが、それは必ずしも正解ではありません。
好みですね。
食べる時はここに注目!
鮨で海胆を食べる時に注目するポイントはこちら!
- 甘み
- 口どけ
- 香り
ウニの魅力は甘みに集約されます。
そして、口の温度で溶ける、口どけ。
これらは誰しもが否定できないウニの魅力です。
しかし、産地ごとの違いを楽しむ上では、香りも重要です。
ウニはエサによって味を変え、北海道の特に日本海側のウニがトップブランドであるのは、ウニが昆布を食べる為となります。
旨味の強い昆布を食べるからウニも旨くなると言う話ですね。
なので、昆布が生えないエリアの海胆は味わいが大きく異なります。
そこで、甘みの強弱ではなく、香りで楽しむと産地ごとの味わいを満喫できるように感じます。
ちなみに、上記で「ミョウバンには収斂味がある」と記載しましたが、加工技術によっては味を損ねないものだと思います。
口どけが良く、甘みが強ければ、ミョウバンは必ずしも悪ではないと最近は思うようになりました。
実は塩水ウニにもミョウバンが使われていることがありますので…
掲載した写真のお店
・鮨わたなべ(東京都) 2枚連続使用
▼シリーズのまとめ記事はこちらです
鮨と魚をこよなく愛する、鮨ブロガーのすしログ(@sushilog01)でした。
本記事のリンクには広告がふくまれています。