こちらは創業を元禄4年(西暦1691〜92年)にまで遡る、東京屈指の老舗です。
元々は豆腐茶屋を開いたのが始まりとのことですが、当時より根岸の地で営んでおられるのが圧巻。
この度、朝顔まつりに合わせて訪問しました。
江戸から続く豆腐料理店で朝ごはんと洒落込んで、朝顔で涼んで帰ろうかなと言うはからいです。
ちなみに、朝顔まつりは期待以上に面白く、目の保養になりました。
お店の皆さんも江戸ッ子気質があって実に粋。
「渋め」のイベントかもしれませんが、
江戸の風情を残しているなんて、実に東京らしいイベントだと思います。
普段は予約無しで訪問する方が多いようですが、念の為予約して訪問しました。
実際に朝顔まつり中であっても予約無しで訪問されるお客さんも多かったものの、
タイミングによってはスムーズに入れないかもしれないので、予約がベターかなと感じました。
お店は現在ビルとなっており、東京に残る多くの老舗と同様に、外観の風情はありません(笑)
ただ、老舗らしく下足番がいらっしゃるところ、朝顔まつりで入手した朝顔を預かって頂け、三和土にお客さんの朝顔が並んでいる点は素敵です。
そして、着目すべきは店内入口にある、看板。
なんと創業当時…つまり320年以上前に宮様から拝受されたそうで、歴史好きには悶絶級の文化財です(笑)
高橋是清の扁額もあります。
客室からは中庭が見え、開放感があります。
朝顔まつり後のお客さんで賑わっており、朝から楽しくなる雰囲気でした。
メニューの中から頂いたものは【あさがお御膳】3,000円。
こちらは豆腐を「豆富」と表記されております。
各地でぽつぽつ見る表記ですが、初めて用いたのは、こちらであるそうです。
【あさがお御膳】
・生盛膾
・冷や奴
・雲水(うすい)
・胡麻豆腐
・あんかけ豆腐
・絹揚げ
・豆富茶漬け
・豆富アイス
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笹乃雪さんの御料理の概観
こちらの御料理は、現代の調理法からすると華は無いかもしれません。
しかし、創業以来の味は320年の時を経ても魅力を帯びております。
突出した味わいではないものの、穏やかに染み入る味わいです。
家庭的であり洗練されておらずとも、特に朝顔まつりの後に頂くと、喜びひとしおなのではないでしょうか?
風情を楽しむ事が出来る御料理だと感じました。
ただ、香の物や山葵のクオリティは最低ランクなので、改善された方が良いと思います(笑)
場末の定食屋、酒場クラスのものを出すのは、あまりにも無粋でしょう。
【荒武者】700円を頼み、朝酒と洒落込みました。
笹乃雪さんの御料理
生盛膾
甘みとほのかな酸味を付けた「豆腐ソース」と各種食材を混ぜて頂く。
食材は甘酢蓮根、生姜、高野豆腐、キュウリ、抹茶寒天、椎茸。
岐阜高山の角正さんでも頂いた事がある精進料理だが、こちらは必ずしも精進料理として作られていない。
冷や奴
柔らかめの豆腐で、とろりととろける。
大豆の甘みを感じさせてくれる豆腐。
雲水(うすい)
素麺の豆乳蒸しで、鶏肉の丸、人参、しめじ、エノキ、ほうれん草などと合わせる。
出汁と優しい風味の豆乳が何ともほっこり。
胡麻豆腐
胡麻の風味はしっかりしており、食感はとろり、ねっちり。
濃い味の柚子味噌と合わせる。
これは頂いた中でもとりわけ印象に残った。
あんかけ豆腐
熱で食感が少し凝縮した豆腐で、風味も引き立つ。
芥子と甘みのある餡が良い味付け。
ちなみに、これは一人分。
何故2つなのか…実際に頂いて確認されてください。
絹揚げ
サクサクと香ばしい。
豆腐の香りを楽しませてくれる。
豆富茶漬け
柔らかく炊いたわらび、椎茸の甘みが、同じく甘みを付けて炊いた豆腐に優しく寄り添う。
全体的に甘みを感じさせる料理が多い点が特徴的だ。
香の物と山葵については、前述の通りクオリティが極めて低い。
豆富アイス
豆腐の風味を活かしたアイスクリームで、シャリッとした食感はアイスクリン的。
青梅ソースを添えて。
笹乃雪さんのお店の情報
笹乃雪(食べログのリンク)店名:笹乃雪(ささのゆき)予算の目安:3,000円〜
最寄駅:鶯谷駅から180m
TEL:03-3873-1145
住所:東京都台東区根岸2-15-10
営業時間:11:30~20:00 ※朝顔まつりの期間のうち3日間は朝7時より営業
定休日:月曜
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