こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
本記事は「旬の魚」をご紹介する「旬魚の世界シリーズ」です。
当シリーズでは、旬の魚の魅力を鮨ブロガーならではな目線で解説していきます。
今回は「アジ(鰺)」についてご紹介します。
すしログ
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アジ(鰺)の基本情報と旬は?
標準和名:マアジ(真鰺)
通称・別称:アジ(鰺)
英語名:Horse mackerel
旬:5月~7月
アジ(鰺)についてのすしログ的コメント
5月を夏と言って良いかは微妙なところですが、晩春もしくは初夏から夏にかけて暖かくなる頃から脂が乗る青魚です。
旬の走りの4月下旬でも上物は旨い。
「味が良いから、アジ」とは下手な冗談のようですが、実際に言った人間は江戸時代のスーパー学者、新井白石。
享保2年(1717年)に辞典『東雅』で、「鰺とは味也、其の味の美をいふなりといへり」と述べております。
まあ、更に細かい語源は割愛しますが、アジは紛れもなく日本人の圧倒的多数に好まれる大衆魚でしょう。
全国各地で獲れる為、特に美味しいと自信のある土地では、特別な名称を付けてブランド化を図っています。
アジは回遊魚ですが、回遊せず一か所に留まる「根付き」「瀬付き」のアジをブランド化している土地もあります。
名前が面白い産地だと、島根県浜田の「どんちっちアジ」。
味わいとしても定評があり、一般的なアジの脂肪含有率が3.5%のところ、どんちっちアジは10%~15%にもなるそうです。
昨今、東京の鮨店で異常なまでに人気が高まっています。
他の産地だと定番中の定番である、鹿児島県出水のアジは抜群に美味しいと思います。
多くの一流鮨店で使用されておりますが、理由に納得です。
ただ、僕は相模湾、特に小田原付近のアジも脂の乗り、香りともに良いと思います。
他には、千葉県・金谷(富津市)のアジなども印象深い味わい。
大衆魚でありながら場所で味を変えるアジ。
意外に侮れず、面白い魚だと思います。
アジ(鰺)の鮨における仕事(調理法)
アジ(鰺)の鮨における仕事(調理法)は以下の通りです。
- 塩〆(軽い脱水)
- 酢洗い
昔は塩と酢でバッチリ〆ていたようですが、現在の流通技術であれば、生かごくごく軽く脱水するくらいが良いと思います。多くのお店では、生を提供直前にサラッと酢で洗う程度に留めている気がします。
食べる時はここに注目!
鮨で鯵を食べる時に注目するポイントはこちら!
- 香り
- 脂
- 食感
- 薬味使い
アジは味の前に香りが先行する魚です。鮮度が良く上質なアジは爽やかな青魚の香りが、実に魅力的。そして、脂が口の中で炸裂し、シャリの酸味と合わさり印象を強め、鮨として頂く喜びを実感します。
また、食感はぷりぷりである事が至上。なめろうなどはともかく、握りではぷりっとしていなければ、野暮ッたい印象を覚えます。
最後に、重要なのが薬味使い。浅葱あるいは小ネギと生姜を合わせた調味料は代沢の小笹寿しで編み出されたとされます。今や多くのお店で用いられる王道の薬味ですが、個人的に2点重要だと思います。
即ち、一に使用量、一に叩くかどうか。共に香りが強い薬味である上に、合わせるとニンニクに近い香りを発するため、使用量は重要です。
そして、小口切り+すりおろしなのか、もしくはそれらを叩いて均一化するかはセンスが分かれるポイント。小口切りの場合、一片一片が大きいと、生姜と一体化しないので甚だ無粋。食感も増えてしまうので、個人的には叩いて均一化する方がベターだと感じます。或いは、生姜汁のみを用いる方法もアリだと思います。
【プライドフィッシュ登録県】(カッコ内は旬)
・長崎県(4~6月)、神奈川県(4~5月)、山口県(4~7月)
掲載した写真のお店
・鮨みずかみ(東京都)
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鮨と魚をこよなく愛する、鮨ブロガーのすしログ(@sushilog01)でした。
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