こちらは京都の墨染(伏見区)にある、日本料理のお店(いわゆるカウンター割烹)です。
外観も中々風情のある一軒家ですが、中に入るとあっと驚くかと思います。
民家なのですが非常に趣深く、「美味いもんを食わせる雰囲気」が漂っております。
そして、古い民家にも関わらず空気の匂いも良いです。
ふと気になり築年数を伺ったところ、なんと100年超!
じっくり見るとガラスは大正硝子で、非常に美しいかすれ具合です。
設えだけでなく照明や中庭も魅力的で、すぐに寛げる事は間違いありません。
こちらのお料理はピンの高級食材を多用してはいないものの、ご主人の燻し銀の調理で他にない味わいを楽しませてくれます。
極めて実直で、スーッと腑に落ちる料理。
品数も多くはないのに、食後に十分な充足感に包まれます。
一品一品の存在感が強く、食べ進める楽しみがあります。
こういった料理こそ、若い方や外国人旅行者に食べて欲しいと感じます。
何かと高級食材ならびに脂と塩分と旨味を重ねる事が多い昨今、和食の魅力をリーズナブルに楽しませてくれるのは嬉しい限りです。
ご主人は御年52歳で、当地では10年営んでおられ、前は東山で20年営んでおられたそうです。
若々しい見た目に騙されましたが(笑)、年季の入った調理を心から楽しませて頂きました。
日本酒はまつもとの純米・守破離と吟醸酒のみ。
前者を都合3つ頂きましたが、きっちり1合で、価格は600円。
実に実直な商売をされております。
以下、この度頂いた8,500円のコースとなります。
こちら以外に5,500円のコースもあるそうです。
また、アラカルトでの注文も可能な点がありがたいところです(僕は一人なのでコースを選んだ次第です)。
先付:鱧きゅう
酢は強めで、スカッとした味わい。
お造り:アマテガレイ、剣先烏賊、サルボウガイ、鮪赤身
貝は赤貝ではなくサルボウガイであったが、旨味は中々しっかりしている。
香りが赤身よりも弱いものの、大概の人にとっては「赤貝」として満足出来る味わいなのではないだろうか。
細かい包丁によって、舌に馴染む。
椀がわりの土瓶蒸し
花のように開いた鱧に包丁の技を感じる。
見た目のみならず、食感もまた軽やか。
上品にふんわりとほどける。
そして、出汁は端正で、塩気も適度なので身体に馴染む。
鮎の焼きもの
琵琶湖産だが、天然モノではなく養殖。
ただ、内容的には満足。
琵琶湖の天然モノは成魚ながらに小型だが、今回の養殖モノは大ぶりであり、何よりも焼き加減が良い。
一口目に肝の香りも感じさせ、仕事で美味しく仕上げている。
聞けば、活を使用されているそう。
唯一の瑕疵は、尾の振り塩が少し強いように感じた程度。
冷製炊き合わせ
芋に出汁が染み込み、美味。
出汁の後に芋の甘みが広がる。
そして、野菜の食感を活かしている。
まだ暑さが残る秋の一日だったので、嬉しい一品。
ぐじ(甘鯛)の揚げもの
もの凄いボリュームでビックリ(笑)
これも活を入れているそう。
女将さん(お母上?)が揚げられていたが、鱗が綺麗に松笠となり、身はしっとりで食感のコントラストがぐじを頂く喜びそのもの。
お食事:松茸ご飯、赤出汁、香の物
椎茸のように松茸がゴロゴロ。
おかわりした上に、おこげも勿論頂きました。
家庭的な趣のある白菜の漬物は美味しく、強い赤出汁が呑んだ後の腹に染み渡る。
濃いめの玄米茶を頂き、お店を後にしました。
駅までの初秋の風が心地良かった。
店名:季節料理みのり(きせつりょうりみのり)
予算の目安:コースは5,500円、8,500円の2つ。アラカルトでの注文も可能。
最寄駅:墨染駅から450m
TEL:075-645-1213
住所:京都府京都市伏見区深草直違橋片町527
営業時間:17:30~22:00 (L.O 21:30)
定休日:月曜
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