こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
こちらはブログの読者さんに教えて頂きました。
教えて頂いたのはコロナの前の2019年6月。
結構時間が経ってしまいましたが、遂に訪問が叶いました。
オススメ頂いた後に検索したところ、切り付けが良く、山葵は本山葵、仕事もバッチリ。
独自性の高いお店だと感じましたが、期待以上の個性でした。
すしログ
湯河原の「鮨こゝろ(こころ)」の魅力とは?
「鮨こゝろ(こころ)」は、湯河原の駅からほど近い場所にあります。
オープンから8年が経過していて、現在の場所に移転して5年とのことです。
親方の修行先はお伺いしませんでしたが、切りつけの所作は流麗で美しいです。
そして、山葵は紛れも無い本山葵を使用されていて、しかもこまめにすられています。
使用する魚は地元のものに加えて、全国から親方の仕事に合う魚を仕入れておられます。
仕事の中では熟成を巧みに駆使されていて、熟成技術はハイレヴェル。
なんと、数軒先に空き物件を借りて、日本酒の熟成とマグロの熟成を行うために利用されているそうで、驚きました。
仕事以外で非常にユニークなところは、手酢です。
酢橘とオレンジ、湘南ゴールドなどを浮かべておられ、これは柑橘に強い土地ならでは。
少なくとも、僕は全国で他に知りません(笑)
柑橘類の香りや酸味が付着するのは??と心配になるかもしれませんが、それは問題無く、柑橘が前面に出ることはありません。
シャリは今の時代としては温度が低めですが、熟成を中心とする仕事には中々合っています。
銀座の「佐たけ」さんが「熱いシャリ」ならば、「鮨こころ」さんは「冷たいシャリ」です。
粘度は弱く、バッチリぱらりとほどけます。
酸味を感じるが、決して強いわけではなく、旨味と酸味のバランスが良好だと感じました。
使用しているお酢はヨコ井醸造のものとの事でしたので、「與兵衛は不使用で、珠玉、琥珀、金将のブレンドですか?」と尋ねたところ、なんとドンピシャで当たり。
自分でも驚きましたが、親方の驚きようは自分のそれを凌駕していました(笑)
「鮨こゝろ(こころ)」のおまかせの詳細
この度はお昼のおまかせコースを頂きました。
酒肴2品、刺身盛り合わせ、握り8貫、椀、玉子に、日本酒を2合頂き、2人で18,200円。
文章で見るとボリュームが軽めですが、結構な満足感でしたので、追加はしませんでした。
夜のおまかせは11,000円のようなので、お酒を飲んで15,000円以内と思われます。
この度頂いたお酒
- 瀬戸酒造、セトイチ はるばる純米吟醸
- 森嶋、純米吟醸 美山錦65
牡蠣
小長井産との事だったので美味しいことは明白であったが、殊に濃密!
ミルキーで、非常に甘い!
60℃で1分半の火入れを行い、提供時には常温で提供していて、仕事が奏功している。
しかも、3つも頂けるとは嬉しい限りであった。
刺身
鳴門(村公一さん)のスズキ、地物の針魚、北海道産のチシマガイ。
村さんのスズキは、端正な香りにスッキリと切れるような旨味と酸味が印象に残る。
針魚はみちっとした食感。
チシマガイは初めて頂いたが、力強い香りと甘みを持つ。
見た目はミル貝のようだが、味は全然異なり面白い。
なお、使用している塩は種子島のものとのことで、細部にも抜かりなし。
白魚の茶碗蒸し
白魚がたっぷりと使用されているので、香りと食感が跳躍する。
ガリ
薄切りでシャキシャキした食感。
甘みが利いているが、辛味が広がる。
金胡麻、ミョウガ、大葉と混ぜて、サラダ的に提供される。
カンパチ
地物の8キロのカンパチを20日熟成。
熟成を掛けているが、食感はみっちりしていて、濃密な旨味が広がり、じわじわととろける。
サクラマス
脂がたっぷり乗っていて、すぐにとろける。
これも熟成を掛けていて、1週間との事。
着目すべき点は脂だけでなく、余韻が長い旨味と、食後に力強く広がる香りも活かしているところだ。
低温のシャリと相性が特に良かった。
縞鯵
五島産。
寝かせてテクスチャーを柔らかくしているので、シャリとの相性が良い。
鮪大トロ
塩竃産、14日熟成。
香りが広がり、脂がとろける。
酸味もある大トロだ。
塩とシャリの酸味も相まって爽やかに脂を楽しませてくれる。
鮪赤身
産地は壱岐で、血合いギシを16日熟成。
強いコクと赤身寄りの酸味がともに力強く協奏する。
鰯
非常に印象深い仕事だ。
しっかりと〆て寝かせているため、こなれた旨味に仕上げられている。
みっちりしたテクスチャーで、食欲を刺激する香りがどんどん高まる。
伺ったところ、〆てから5日との談。
なので、寝かせよりも熟成の方が近い日数だ。
塩と酢を身側のみに浸透させ、(磁石が付かない)アルミバットに表面を張り付けて熟成をされる手法。
海胆
イチカワの海胆。
ご実家が有明海・柳川あたりの海苔漁師との事で、一番海苔を使用していて美味しい。
パリッ!と気持ち良く弾けた後、香り良く、まろやかな甘みを楽しませてくれる海苔だ。
余韻もあり、旨い。
その海苔に冷たくて甘い海胆を合わせ、スッキリと味わわせる。
軍艦ではないのは、海苔を海胆と並列に引き立てるためだろうか。
穴子
ふわふわした食感で、甘みが控え目な煮加減。
これは間違い無く美味しい仕事。
椀
シジミの出汁で、コハク酸由来の旨味がしっかり。
舌の奥を力強く刺激する。
山椒も使用していて、浅葱とアオサ。
出汁巻き玉子
焼きたての出汁巻きで、ふわんふわん。
湯気が上がる出汁巻き玉子は江戸前の玉子とは異なる魅力がある。
東京都外のお店であれば特に。
「鮨こゝろ(こころ)」の立地と雰囲気
「鮨こゝろ(こころ)」さんは湯河原駅から徒歩2〜3分の場所にあります。
外観はこの通りスタイリッシュで、店内も上品です。
あたかもギャラリーのような雰囲気で、漬け場が照らし出され、親方が仕事で魅せてくれます。
天井が高いので開放感があり、什器も落ち着いているので寛げます。
湯河原のみならず小田原から熱海のエリアで考えても貴重な一軒と言えます。
味、個性、雰囲気を兼ね揃えています。
「鮨こゝろ(こころ)」のお店情報と予約方法
予約については、お電話のみとなります。
店名:鮨こゝろ(すし こころ)
シャリの特徴:赤酢を上品にブレンドし、味付けは強すぎない、冷たいシャリ
予算の目安:お昼8,000円くらい、夜11,000円〜
TEL:0465-62-6800
住所:神奈川県足柄下郡湯河原町宮下32-3
最寄駅:湯河原駅から250m
営業時間:12:00〜13:30(金・土・日)、18:00~23:00
定休日:火曜、水曜
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地方で個性全開で握られる職人さんに出会うと興奮する、すしログ(@sushilog01)でした。
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