
こんにちは、夏でなくても鰻が大好きな、すしログ(@sushilog01)です。
今回ありがたいお誘いをいただき、東京駅からほど近い「八重洲 鰻 はし本」さんにお伺いしました。
鹿児島で人気を高める「泰斗商店」さんの選りすぐりの鰻が入荷するとの談でしたが、鰻重は期待以上の美味しさであり、しかも他店とは異なる独自の仕事を確立されていたので、感銘を覚えました。

鰻を結構食べこんでいる方にも自信を持ってオススメする、素晴らしいお店です。
洗練されている「美しい味わい」の鰻重です!

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「八重洲 鰻 はし本」さんは1947年の創業です。
東京駅から歩いてすぐの場所、昭和の風情をかすかに残す路地にあり、粋な情緒を感じさせます。
お店は2024年10月にリニューアルされていて瀟洒です。
1階には小上がりとカウンター席があり、小上がりが昔ながらの東京の食事屋と言った趣でグッときます。
さらに、オープンキッチンのカウンターは鰻専門店では稀有。
ライブ感があり非常に面白いです。
さばき、串打ち、白焼き、蒸らし、本焼きの全プロセスを拝見できるプレミアムシートと言えます。


四代目親方の橋本正平さんは、鹿児島で人気を高める「泰斗商店」の横山桂一さんの鰻を積極的に紹介している料理人です。
「泰斗商店」の洗練された香りと味わいの鰻を見事に活かす焼きと味付けだと感じました。
味わいがクリアなのに満足度が高い鰻重には驚かされます。
焼きやタレの塩梅と言った要素も影響していますが、さらに、鰻を全て注文後にさばかれている点も奏功しているのではないかと感じます。
関東流の鰻屋さんは白焼きまで行ったり、お店によっては蒸しまで行ったりして注文後すぐに出せるようにしていますが、橋本親方は都度調理を行うことで「泰斗商店」の鰻の香りと味を活かしているのではないか?と思います。
「八重洲 鰻 はし本」さんの【鰻重】については、昼も夜も以下の価格のとおりです。
- い 4,070円
- ろ 5,280円
- は 6,930円
「ろ」が鰻一本、「は」は鰻一本半を使用しているそうです。価格については変動しがちな鰻なので、記事公開時点のデータとしてご了承ください。

牛蒡を鰻で巻いて調理する京都の郷土料理のアレンジ。(一般的な八幡巻きでは鰻の脂が抜けているところ)脂が乗った鰻と清涼感ある野菜でモダンにアレンジしている。粘りを持つとろとろ野菜(モロヘイヤか?)と漬物の食感が爽快だ。

「泰斗商店」の鰻の肝を使用しており、肉厚で歯ごたえが良い。しっとりとコリコリな部分をともに味わえて、食感が強めである。味については、実に爽快な苦味だ!残らない苦味の中に脂由来の甘味もあり、滋味深い肝焼きである。なお、山椒については、僕も自宅で常備愛用している「やまつ辻田」さんのもの。

身はほろほろで、噛みしめると脂がとろりと滲む。それでいて、皮はバリバリと弾けた後に、もっちりと後を引く食感で、これは美味い鰻、白焼きの証左。香りが非常にピュアで、後味が最高である。

脂がノリノリな鰻なので、お酢の酸味をバシッと効かせたコントラストが明瞭なうざくだ。鰻重の前に鰻欲を維持しつつ一度リセットする。

血液にしても油にしてもネガティブな臭いが皆無。

鰻そのもののクオリティ、焼き方、ご飯、タレ、その全てがバランス良く、上品にも関わらず鮮烈な存在感を放っている。

この洗練された方向性で個性を確立するのは奇跡的なバランスだと感じる。

具体的に挙げると、鰻自体は脂が乗りつつクリアな後味で、香りも重たくない。炭火による燻蒸香も極めて上品である。これは(鰻の炭火焼きとしては)低温で焼き上げて、しっとりと仕上げる手法が奏功しているのか?

また、タレについてもバランスが絶妙。甘味にしても醤油の塩梅にしても抑制されたバランスで構築されているので、上品でありながら「タレの蒲焼を食べた!」と言う満足感を与えてくれる。ご飯については、粒立ちが良く、もっちりしていて、浸漬も炊飯も上々。タレはお米にかけるのではなくまぶされているが、タレの甘味が上品なので、お米の甘味を感じる塩梅で設計されている。

肝入りの赤出汁で珍しい。鰹出汁がキリッと効いていて、力強い味わいだ。

抜かりなく自家製の糠漬けと奈良漬で構成されている。
「八重洲 鰻 はし本」さんは、テーブルチェックでWEB予約が可能です。
店名:八重洲 鰻 はし本(やえす うなぎ はしもと)
予算の目安:鰻重(い)4,070円〜
TEL:050-1808-6166
住所:東京都中央区八重洲1-5-10
最寄駅:東京駅から300m
営業時間:月〜金11:00 – 14:30(L.O. 料理13:30)、17:00 – 20:30(L.O. 料理19:30)、土11:30 – 15:00(L.O. 料理14:00)
定休日:日曜、祝日
鰻屋さんが未来永劫残ることを心から願う、すしログ(@sushilog01)でした。
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