こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
今回のお店は「変タイ鮨」として一斉を風靡した、菅親方が2024年1月16日に移転開業された新店舗です。
神奈川県・溝の口から虎ノ門ヒルズステーションタワーに移転されて、一気にオシャレな雰囲気になり驚きました(笑)
内容については、過去よりもタイ色をさらに打ち出されていて、特に酒肴はタイの創作料理です。
そして、握りはタイの調味料と薬味を多用する強い味の鮨ですが、バランスが良く、決して奇抜ではなく創作料理として高い完成度に落とし込んでおられます。
タイ料理、エスニック料理が好きな人には是非とも訪問して欲しい!と感じました。
タイトルのとおり鮨の姿をしたタイ料理のイノベーティブです!
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「鮨すがひさ」の親方、菅 正博さんは他の誰もがやっていない江戸前鮨とタイ料理のハイブリッドを行っている鮨職人です。
単なる創作鮨に終わらせず、鮨の確かな調理法と塩梅を維持した上で新たな表現を試みる人が増えて欲しい…と言う思いでされています。
これを外国人ではなく日本人が試みている点が素晴らしいと感じます。
海外発の創作鮨は江戸前鮨の仕事をスルーした結果、創作寿司になる事が多いので。
お店についての魅力は移転前から変わらないので、下記の記事もご参照ください。
溝の口から虎ノ門へ!タイ人もビックリなタイ風鮨「変タイ鮨すがひさ」今回訪問して、よりタイ料理のエッセンスを強くされたのは虎の門の地に移転されたメリットだと思います。
そして、鮨の生命線であるシャリは安定していて、きっちりと江戸前鮨としての美点となっています。
表面的な創作寿司においては肝心のシャリが駄目で、料理としての鮨の価値を毀損している事が少なくありません。
創作的な仕事を試みる人は、シャリファーストの思考が必須だと伝えてくれます。
ただ、親方の試みは非常にユニークで、イノベーティブとして楽しいのですが、残念ながら商業ビルの中で「変態性」が認識されていない状況です。
店名に溝の口時代と同じ「変タイ」を掲げられないので、タイ鮨である事が分からない状況です。
ランチタイムには通常の江戸前鮨と思って訪問するお客さんもいるそうですが、ミスマッチになる事もあるようで勿体ない。
タイ料理のイノベーティブとしての鮨であることを知って訪問する人が増える事を願います。
なお、今やレアな(笑)、通常営業時の記事はこちらです。
「鮨すがひさ」さんの【タイ料理×鮨おまかせコース】は18,000円となっています。
そして、【平日ランチ限定 握りショートコース9品】8,800円や【平日ランチ限定会食用コース7品(4~6名様)】5,500円も用意されています。
アレンジでボタン海老を使用しつつ、ハーブは本場と同じバイチャプルー(ハイゴショウの葉)。甘味と酸味がパンチがある!そして、カピの発酵香と旨味が魅力!いきなりカピを繰り出すとは、移転されてタイに振り切っている!と実感する「先付」である。
徳島の村さんのヘダイで、2キロ。試作品との事で、テキーラ蒸しにしてライムとパクチーオイルを合わせている。みっちりした身から香りがふんわりと漂う。テキーラソーダ割と相性良し。
タイ北部で「森のカレー」と呼ばれるゲーンパーをアレンジした煮物。辛味を控えて含め煮にされている。椎茸にエスニックフレイバーが絶妙にマッチしている。鮑がキノコの上位互換的に機能し、椎茸との食感の取り合わせも一興。
魚介のアラと昆布出汁で低温調理を行い、ナンプラーで味付けしている。ナンプラーの風味が強く香るので、パクチーと自然に合う。和とタイの一体感を自然に感じる一品。
ブランド養殖サバの「唐津Qサバ」の〆鯖となますの相性が抜群!鯖の脂と香りに清涼感が加わる。
子持ち昆布を茶碗蒸しにしているのが個性的。タイ料理が特徴とする食感を加えるためとの談で、確かに食感が面白い。加熱された子持ち昆布は斬新!グリーンカレーと茶碗蒸しの相性もバッチリだ。
生姜、青パパイヤ、ディルを用いたタイ風のガリ。溝の口時代からの定番だ。あたかも、「すし匠」の中澤親方がホノルル店で「地元産のココナッツとガリを混ぜもの」を用い、マンハッタン店で「ニューヨーク産のリンゴの酢漬け」を使うような、ローカライズだ。
パクチー、ミント、タイム、ナンプラーを用いたシーフードソースとともに。かなりタイの香りだが、鯛の脂の味わいも感じる。ソースによって殺されていない。シャリの酸味もふわっと漂い、良い感じ。
柚子胡椒にバイマックルーを用いた酸味と辛味のあるソースに、しっとり艶めかしい〆加減の小鰭が合う。また、小鰭に浸透している酸味も合う。
塩卵を使用とは驚かされる!ナンプラー、オイスターソース、ニンニク。白烏賊はプチプチ弾け、ソースの味わいの後に烏賊の甘味が加わる。
クミン醤油漬け。赤身の香りにクミンが非常に魅力的な相性を示す。自然だ。肉と合わせるイメージで使用されているそう。赤身の酸味でスッキリとフィニッシュを迎える。
マッサマンカレー味の鰤オボロを組み合わせる!鰤の脂と酸味にマッサマンが合い、オボロから鰤の風味が溢れて一体化する。
パッションフルーツ、胡椒、山椒。辛味が結構強めで、し酸味も効いているが、脂のある黒ムツなので成り立つ。後から脂のコクが強く広がり、パッションフルーツの種のプチプチ食感とともに一体化していく。山椒のビリビリした痺れもある。
昆布〆にして、ガパオ、唐辛子、ナンプラーと合わせる。面白い味わいの構成!鮨店なのに辛味が高まっていく構成はこちらならでは。
ラープのイメージでカオクア、タマネギ、ザーサイ、ネギトロを合わせている。食感が多様で、噛む度に味が変わる鮨!
なお、形状については、ある国民的アニメをモチーフにされている。
車海老の強い甘味にトムヤム味を合わせるシグネチャー!甘味、酸味、辛味の味わいの妙が抜群だ。
これは魅力的な進化系。相性抜群で、甘味とカレー粉の風味が正にプーパッポンカリー!
フレンチで海胆と生クリームを合わせるところ、ウニにココナッツミルクとライムを加えてトム・カー・ガイ的にタイ風に調整。甘酸っぱい味わいで、新たな海胆の味わいを伝える。
烏賊の中にはホタテ、烏賊のゲソ、シャリを混ぜたものを詰めている。烏賊はしっとりと柔らかく、香りが広がる。香ばしく、どことなく焼き烏賊的な印象もあり、ココナッツミルクのフレイバーや辛み、レモングラスの香りが合わさる。レモングラスの食感も魅力。ココナッツミルクや辛味などが強い味なので熟成タイプのテキーラをペアリングするご提案。
ここで出して頂いたテキーラ、ドン・フリオ1942が良い仕事を果たす。
穴子にはシナモンを効かせ、笹の葉ではなくバナナリーフで加熱しているため香りが良い。独特の香りが広がる。穴子自体、ホロホロで美味しい。
安定感バッチリ!グリーンカレー味の稲荷寿司だ。
トムヤムの酸味が面白い味噌汁!発酵食品である味噌にも酸味があるものなので、一体感が高い。ピリ辛なのも、こちらのお店の最後にふさわしい。
ココナッツ香るデザート志向の玉子焼き。
「鮨すがひさ」さんは虎ノ門ヒルズ ステーションタワーに入っているので、日比谷線でのアクセスが至便です。
お店は「鮨おにかい」の真横にあり、入口は別です。
小さな看板が目印です。
なお、4Fですが、地形効果と天井高のために高層階に感じるのが面白いです。
多くの江戸前鮨店は窓が無く、外界から遮断された異世界感あるいは非日常感が強いところが魅力ですが、大きな窓があり、ビルが見えるのも東京都心のお店らしいと感じました。
「鮨すがひさ」さんについては、下記の食べログのリンクよりWEB予約が可能です。
店名:鮨すがひさ(すしすがひさ)
シャリの特徴:飯尾醸造のお酢を効果的にブレンドした、まろやかなバランスのシャリ。
予算の目安:おまかせコース18,000円、平日ランチ握りショートコース8,800円
TEL:03-6310-9987
住所:東京都港区虎ノ門2-7 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー4F
最寄駅:虎ノ門ヒルズ駅の真上
営業時間:火~金11:00~14:00、18:00~19:45、20:00~22:00、土・日・祝日12:00~14:00、17:00~18:45、19:00~21:00
定休日:月曜
唯一無二の創作鮨に感性を刺激される、すしログ(@sushilog01)でした。
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