こちらは新馬場という少しマニアックな場所にあり、江戸前(東京湾)の鮮度の高い魚介を頂ける、ざっくばらんな割烹です。
なんと、創業から既に70年以上経っているとの事。
特に梅雨の時期の穴子は特筆すべき物があるとの事で、食通の友達と訪問しました。
上質な穴子を七輪で焼いて頂けるとの談。
お店の外には水槽があるが、魚たちの顔つきを見ると、良い表情。
僕は水槽や生け簀のある魚介料理店はどうしても苦手なのですが、ひとまず安心しました。
ご主人は釣り人でもあるらしいので、魚の見極め、活かし方がよろしいのでしょう。
店内は本当にざっくばらんな雰囲気で、割烹よりも居酒屋に近い。
しかし、清潔感があり、
こちらのスペシャリテである七輪焼きが蠱惑的な匂いを発しているので、期待値がグングンと上がります。
そして、突き出しの【穴子の酢のもの】を頂き、調理が確かに割烹と言えるレヴェルにあり、更に楽しみになってきます。
当初は酢がやや強めだと感じましたが、穴子が上質なので酢に負けず、穴子の旨味と香ばしさが活かされております。
立て続けに【ポテトサラダ】、【お造りの盛り合わせ】、【釣り金鯵フライ】を頂きました。
そしてその後は待望の七輪焼き。
【活穴子踊り焼き】だけでなく、【活たこ踊り焼き】もチョイス。
そして、その後【活穴子の天麩羅】を頂き、【おにぎり(岩のり)】と【漁師のまかない飯】で〆ました。
ポテトサラダ
非常にクラシカルな味わいのポテサラ(笑)
お造りの盛り合わせ
魚は鮃、間八、鯵、アオリイカ。
鮃は中々の甘みと香りで、「ふむふむ」と感じ、その後、間八を頂き「おおっ!」と思う。
間八は脂の質が良く、バシッと突き抜ける。
鮨店で頂くお造りとは異なる、フレッシュさを出した威勢の良いお造り。
釣り金鯵フライ
これは素晴らしい。
衣が薄く、軽やかで、噛み締めた瞬間に鯵の香りがぶわっと広がる。
日本人誰もが食欲を高ぶらせる、鯵の香り。
衣はカリッと揚げつつ、身の方はふんわり、しっとりに仕上げている。
油の切れも良く、仕事が良い。
活穴子踊り焼き
焼く前の段階で、おおっ!!と思わされる程に上質。
キラキラと輝き、澄んだ色合いを見せている。
穴子は鮮度が落ち易いため、開かれた身を見ると一目瞭然である。
焼くために箸で持ち上げると、ずっしりと重量感があり、堪らない。
焼き上げる際、皮はカリッと、身の方はしっとりと仕上げる。
とは言え、身にもやや強めに火を通した方が甘みが引き立つ印象。
焼肉と同じで、焼き手次第で大きく味が変わるだろう。
焼き上がった穴子を噛みしめると、食感はぶりんぶりんで素晴らしき歯応え。
そして、香りも抜群で、脂は濃厚かつ上品。
繊維質と旨味に優れた秀逸な穴子だった。
訪問の際は江戸前穴子の真骨頂・羽田沖で獲れたものとの事。
活たこ踊り焼き
大ぶりの蛸の出自は、関東が誇る佐島!
佐島の蛸をガッツリ頂けるのは嬉しい。
自分たちで焼いた後、お店の方が切り分けてくださる。
初めは火入れを弱めに焼き上げたが、イメージよりもやや強めに焼くと美味かった。
当然、焼き過ぎるとブランド蛸の持ち味が失われてしまうが、北海道の水蛸のように生が身上というわけではない。
また、蛸に海の塩気が付いているので、たまり醤油は控えめでよろしいかと!
穴子目的で訪問したものの、これは思わぬ収穫でした。
活穴子の天麩羅
天麩羅の揚げ方は素朴ですが、穴子の旨味と香りが活き活き。
おにぎり(岩のり)
こういったお店のおにぎりはグッと来ますね。
漁師のまかない飯
細かく切った魚介をタレに絡めて、卵と混ぜた後にご飯にぶっ掛ける。
魚の鮮度が高いため、箸が止まらない。
飛っ子と沢庵の食感や風味がアクセントになる。
いやはや、こちらは穴子料理の名店だと感じました。
上質な素材をたっぷり頂いて、イメージよりもかなり安く上がるかと思います。
店名:割烹 牧野
食べるべき逸品:活穴子踊り焼き!
予算の目安:5,000円〜6,000円
最寄駅:新馬場駅から170m
TEL:03-3471-3797
住所:東京都品川区北品川2-19-2
営業時間:月~金17:30~23:00、土17:30~22:00
定休日:日曜、祝日
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