昨年11月下旬に訪問した粋な鮨店。
予約不可、お好みのみと言う鮨好きとしてはグッと来るスタイルのお店で、記憶に残る味わいでしたので、この度、季節を変えて再訪しました。
気合を入れて平日の16時半に伺いましたが、既に先客2名。
その後も続々と訪問され、開店17時の段階でカウンターは満席。
しかも、他は全員常連さん。
前回は17時でもカウンターに空きがありましたが、日によって違う模様。
なので、訪問される場合は、16時半頃に伺うか、18時半〜19時頃に下北沢駅から電話確認するのが確度が高いかと思います。
たくさんある種札を眺め、迷いながら13貫を頂きました。
なお、この度はほぼ全て1枚撮りなので、クオリティにブレがあり恐縮です。
真鯛
前回も印象的な旨味だったが、やはり素晴らしく濃厚な旨味。
肉厚な切り付けで歯応えもしっかりしているのに、歯切れやシャリとの一体感は高い。
コク、余韻も申し分なく、正直なところ他の高級店で頂くよりも数段旨いです(キッパリ)。
鮃
これもまた鮮烈な旨味だが、鯛よりもあっさり、キリッとしている。
こうして、お好みで白身魚の旨味や香りの違いを楽しめるお店は素晴らしい。
潮汁
前回は縞鯵を用いておられたが、この度は真鯛。やはり旨い潮汁。
針魚
素晴らしい〆加減。
旨味を凝縮しており、ぷりっとした身を噛みしめると香りと甘みが充満する。
鯵
肉厚で旨味がしっかりとある鯵。
葱と生姜を叩いたこちら発祥の付け合せ調味料が鯵の輪郭を強調。
小鰭
心なし前回よりもソフトな〆具合に感じ、身を噛みしめるとじゅわっと旨味が滲む。
身には酢を浸透させており、清々しい味わい。
鰹
女房を質に入れても食いたい初鰹。
爽やかな酸味はこの時期の鰹特有。
江戸ッ子の見栄は正直分かりませんが、戻り鰹とは異なる魅力があるのは確か。
トリ貝
小さめだが甘みと香りは十分ある。
良い目利きで仕入れておられるのが分かる。
ミル貝
芳醇な甘みが印象深く、特有の香りもクドくない。
海老
クラシカルな鮨店では珍しい茹で上げ。
前回同様に肉厚な車海老を使用されており、満足度が高い。
頂いた後に供される炙った海老の頭は日本酒に合う。
小柱軍艦
噛みしめて、びっくり!
なんと三ツ葉を挟んでおり、爽快爽快。
サッと湯をくぐらせている三ツ葉なので食感も問題無く合致。
蛤
蛤は「煮蛤」と言われるがこれは通称で、
実は煮た後に漬け汁で寝かす「漬け込み」が正しい。
最初の火入れと漬け汁の塩梅、煮ツメの旨味で味が決まるが、こちらはバランスが取れており腑に落ちる味わいの蛤。
煮烏賊
硬過ぎず柔らか過ぎず、安定感のある火入れ。
煮烏賊も出すお店が少なくなっているが、古典的な仕事して楽しんで欲しい。
穴子
こちらの穴子は、美味い。
小ぶりな穴子(メソっ子)なのに旨味をしっかりと立たせており、これぞ仕事!
柔らかに煮た穴子を強めに炙っているところが魅力的。
紛れも無くここでしか頂けない穴子だと思う。
前回は煮ツメの量が多く味が濃く感じたが、今回は丁度良い塩梅で、同行者ともども笑顔になった。
干瓢巻き
これもオススメです。
玉子
媚びるところの無い実直な味わいで、やはり〆に頂きたくなる。
以上に加えてお酒も飲んで12,000円を切ってきます。
タネのクオリティ、仕事の精度、CPを考慮すると、やはり稀有なお店です。
鮨好きのために残された数少ない楽園と言えるでしょう。
やっぱり、ふらりと伺えてお好みで美味しい鮨を頂けるのは幸せだなァ…
店名:小笹寿し(こざさずし)
シャリの特徴:米酢のみでオーソドックス。酸味を立たせ、ほのかな甘みがある。
予算の目安:10,000円~15,000円
最寄駅:下北沢駅から650m
TEL:03-3413-0488
住所:東京都世田谷区代沢3-7-10
営業時間:月〜土17:00~21:00、日祝日12:00~ ※何れにせよタネ切れまで
定休日:水曜
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