こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
コロナ下でオープンした鮨店で行きたかったお店が、札幌の「鮨 こいせ」さんです。
小伊勢親方とは「すし てんちじん」で雇われ親方をされていた時に出会い、【シシャモの握り】を頂いて惚れ込みました。
待望の再訪となったわけですが、独立前よりも数段個性を出されていました。
食材も北海道の食材に絞っておられ印象深い訪問となった次第です。
全国トップクラスの鮨の激戦区で、他店には無い魅力を確立されています!
使用するお酢蔵も珍しいです。
全国的に値上がりが熾烈な状況で、コストパフォーマンスも抜群です。
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「鮨 こいせ」は2022年1月にオープンした鮨店です。
親方の小伊勢 健太さんは、小樽でミシュランを獲得している「伊勢鮨」の家系で、お祖父様が創業者との事です。
ご本人の修行先は「すし善」、「伊勢鮨」、「鮨処有馬」と「ザ・蝦夷前」と言ったお店ばかり。
それでいて、現在の鮨を頂くと何処とも違う仕事なので、今後のご活躍が大いに楽しみです。
冒頭に書いたとおり、小伊勢親方が使用する魚介類は北海道産ばかりで、酒肴では道外の鮨店で見かけない魚も使用される点が魅力です。
創作的な調理法も多用されつつ、魚種が独特なので、北海道で頂く喜びへと昇華されます。
シャリについては、赤酢で味付けは上品ながらスーパーハードな炊き加減で個性的。
塩気も酸味も控えめで、極少量の砂糖を気づかれない範疇で使用されています。
この味付けの意図をお伺いしたところ、「シャケ、鱒を狙って調整しています」との談で、北海道らしく個人的にも好きな魚なので嬉しく思いました。
シャリは極硬めで、アルデンテのギリ手前。
温度はやや低め。
東京のトレンドは「穏やかな味付けと、やや柔らかめ~やや硬めの範囲内」なので、完全に独自路線です。
使用するお酢の醸造蔵も個性的。
「すし てんちじん」ではヨコ井、内堀醸造・美濃三年酢、ミツカン山吹の3種ブレンドでしたが、現在は和歌山の九重雜賀をメインで使用されていて、私市を少量ブレンドされています。
この組み合わせは斬新です。
九重雜賀を選ばれた理由はサステイナビリティ。
人気が集中するお酢蔵は将来的に入手の不安があるので、九重雜賀に着目されたそうです。
素晴らしい試みですね。
九重雜賀は全国でも少ない自社の酒粕で赤酢を仕込む醸造蔵です(もう一つは京都の飯尾醸造で、札幌で使用する鮨店多数)。
個性的な北海道の魚と独自性のシャリが合わさることで、唯一無二の世界観を構築されています。
硬めのシャリが好きな方に特にヒットすると思います。
「鮨 こいせ」さんの【おまかせコース】は18,000円。
内容的にボリューム感があるので、費用対満足度は非常に高いです。
この度頂いたお酒
- 高砂酒造 国士無双 えぞ乃熊(彗星・60%・協会14号酵母)
- 千歳鶴 なまら純米辛口(吟風・70%)
- 二世古 しぼりたて生原酒 特別純米(きたしずく・60%・協会1401号酵母)
- 吉田酒造店 手取川 純米吟醸 生原酒 シャキッと辛口(山田錦・五百万石・60%・自社培養金沢酵母)
根室産、標準和名アラメヌケのメヌケか?
脂がしっかり乗っている深海魚のメヌケに、塩気と海苔の風味を加えている。
力強い一品目でスタート。
標準和名はトクビレ。
北海道広尾産で、魚体は1キロ弱との事。
調理法は肝和えだ。
肝はハギ類よりもあっさりしていて、コクがある。
また、身自体の旨味が強い点も特徴で、余韻が長い。
明らかに巨大であることが分かる厚みで、尋ねてみたところ10~11キロとの事!
足と頭を提供。
特に頭の厚みにインパクトが有る。
昆布出汁と焙じ茶で煮ていて、足は1時間、頭は30分と煮加減を変えているそうだ。
身はしっとりと柔らかく、香りがふんわりと漂う。
マダコとは完全に異なる魅力を伝えてくれる調理法だ!
マダコの調理法に寄せるよりも好印象だ。
煮ツメはミズダコのタコ詰めで、山わさびと合う!
意表を突くとともに北海道らしさを感じさせてくれる名刺代わりの一貫目!
根室産で、魚体は1.5キロとの事。
オヒョウとしては小型だ(大型のものは全長1~3メートルにもなり、体重は100~200キロを超える巨大魚)。
4日寝かせつつ、食感はぷりぷり、パツパツしている。
味が濃く、真子鰈や鮃とは異なる特有の香りを楽しめる。
名産地、野付産。
手裂きのため食感が良く、香りと甘味が強い。
貝柱パウダーで提供されているのは嬉しいし、味わい的にも香り的にも調和する。
寿都産。
塩を当てて一晩風干し。
冷凍してから桜の葉で〆ている。
香りとともに身が溶けてゆくグラデーションが素晴らしい。
桜の葉の香りも上品に調和する。
仙鳳趾産、80℃90分の調理。
しっとりほどけてシャリとの一体感が高い。
良い意味で磯の香りを立てていて、芳醇に込み上げてくるのが嬉しい。
火を入れても抜群に美味しい仕事である。
網走産、大根の胡麻和え。
名前の通り脂が乗りつつ、身を凝縮させているので酒肴に最適化している。
余市産。
甘く煮た後にポン酢に漬けていて、これはセンスが光る!
ポン酢の酸味が活きているので、ベタではない。
東京で多用されるようになった鮟肝だが、産地の北海道で出す理由を考えられているのが素晴らしい。
ペペロンチーノ仕立てとの事。
その心は、北海道が誇るチーズ工房「白糠酪恵舎」の【モンビゾン】とガーリックオイル、一味を使用されている為。
おおお、これは攻めている…!と思いながら頂けば、バランス良し!
油分もガーリックの香りも残らず、最後に切れる。
手鞠寿司の蒸し寿司とは素晴らしい発想だ。
「つまみとしての鮨」や「郷土寿司のアレンジ」を提案されている。
そして、シャリの酸味で味を切る発想。
鱗も使用して、魅力的な多層感ある味わいだ。
根室産。
さっと茹でてシンプルに酢橘を少量かけて提供。
甘味が強い北寄貝だ。
羽幌産、昆布〆。
ぷちぷちと軽く弾けた後、とろとろととろける。
昆布の旨味をしっかりと浸透させつつ、当初から昆布ではなく後半に力強く調和する。
塩竈産、冷蔵庫にサーキュレーターを入れて一週間熟成。
酸味が広がり、旨味と香りが込み上げ、血の香りが広がる赤身だ。
時期的に酸味が強まりつつ旨い赤身であった。
脂の甘味だけでなくコクが強い大トロだ。
トロらしい香りも力強く広がる。
小樽産。
これは食感が凄い!
プチプチ、パツパツ!
鰊の旨味、脂の甘味など良い部分を表現している。
エシャロットと一味を用いてバランス良く組合立てている。
ゴージャスな握りが登場して驚いた。
銀座でされると甘味の足し算が鼻につくところだが、産地の北海道だと純粋に嬉しい。
食感のバランスが良い穴子。
みんな喜ぶ太巻き。
甲殻類の旨味と風味が効いている味噌汁。
魚の白身と大和芋で作られた玉子焼き。
きめ細かくしっとり、ふわふわ。
山芋が香るスッキリ味。
味醂の甘味と塩気もある。
「鮨 こいせ」さんはすすきののど真ん中にあり、アクセス至便です。
すすきのらしい雑居ビルに入っていますが、静かに鮨を楽しめました。
店内は上質感がありつつ、緊張感を覚える空気感ではないので、若い方でも安心して訪問できると思います。
価格設定も抑えめなので、小伊勢親方が幅広い層の方に訪問して欲しいと思っておられるのだろう…と感じました。
「鮨 こいせ」さんの予約については、お電話もしくはインスタのDMで可能です。
店名:鮨 こいせ(すし こいせ)
シャリの特徴:塩気も酸味も控えめで、極硬めの炊き加減のシャリ。
予算の目安:【おまかせ】18,000円
TEL:011-522-7939
住所:北海道札幌市中央区南5条西3-1-4 第11グリーンビル4F
最寄駅:豊水すすきの駅から190m
営業時間:17:30、20:00
定休日:日曜、祝日、不定休
札幌で僕が好きな推しのお店。
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札幌の鮨は生涯追いかけたいと思う、すしログ(@sushilog01)でした。
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