【料理がさらに美味しくなる】日本酒ペアリングの基本理論からマリアージュを目指す!

日本酒ペアリングアイキャッチ

こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。

筆者は2022年6月に日本ソムリエ協会が主催する「J.S.A. SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」を目指し、同年10月に無事に取得出来ました。


そして、日本酒を勉強する過程で日本酒ペアリングの可能性を実感しました。

率直に言って、鮨業界、日本料理業界における日本酒ペアリングはワインに比べると未開の状況です。

日本酒を勉強した結果、人気店でも料理に合わないお酒を提供しているお店が存在する事に気付きました。

これは長年食べ歩いている自分にとってショッキングな事実でした。


日本酒はお米から造られているお酒なので、ご飯と相性抜群の和食には否応なしに合うものです。

つまり、「何となく合ってしまう」ために今まで真剣に研究されてこなかったのではないか?と感じます。

その結果、有名銘柄やプレミアム銘柄、酒屋さんがオススメする他のお店が多用している銘柄などに偏ってしまうのではないでしょうか。


また、歴史的に日本酒は低質なものが多く、上質なお酒が誰でもどこでも買えるようになったのは比較的最近…と言う事情も理由かと思います。


お酒は料理を支えるものではないのか?

日本酒は醸造酒としてワインと並ぶ世界的な銘酒なのに勿体無い。

日本酒もワインのようなマリアージュが出来るはずだ。

そこで、自身がペアリング会を行い、研究しながら理論を構築していこうと決心しました。

根底にある思想は、鮨と同じく「ファンを増やしたい!」と言う一念です。


日本酒は皆さんが思っている以上に美味しくて、面白いお酒です。

すしログ
すしログ

外食が更に美味しく、面白くなるよう、鮨と共に生涯を掛けて研究していきます!

本記事は、どちらかと言うとお酒を提供する側に向けた視線で執筆します。

そして、本記事は公開時点で未完成です。

研究しながら更新して完成を目指しますので、是非とも日本酒を楽しんで頂ければ幸いです。

すしログについて

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「J.S.A. SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」については、「酒ログ」に記事を書いています。

日本酒の性質からペアリングを考える

冒頭で、日本酒が「何となく合ってしまう」と書きましたが、その視点を掘り下げて日本酒の性質を考えてみます。

性質が分かれば、ペアリングを行う上で力強い第一歩になりますので。


日本酒が「何となく合ってしまう」理由は、お米から造られている日本酒にはお米由来の甘味と旨味があるためです。

和食は歴史的に「一汁三菜(あるいは二菜)」で成り立ってきました。

そして、「汁」にしても「菜」にしても全てお米を引き立てるものとして構成されます。

そもそも「一汁三菜(二菜)」に「飯」の記載が無く、お米が当然在るべきものとして考えられている点が面白い。

これこそが、あらゆる和食はお米に合うものである、と言う暗黙の了解の証だと感じます。

なので、お米を日本酒に置き換えても基本的には合ってしまうと言うことです。


やや感覚的な話になりますが、ワインの味覚は日本酒よりも鋭角的でメリハリが効いているように感じます。

しかし日本酒の味覚は鈍角的でまろやかに構成されていると感じます。

つまり、ワインは料理の味覚にピタッとハマるかバッティングしてしまうか差が激しいお酒ですが、日本酒は料理の味覚を受け止めて包み込むお酒だと思います。


また、「ワインが魚と合わせづらい」と言われる理由は、ワインに含まれる鉄イオンや亜硫酸イオンが原因とされます。

鉄や亜硫酸は魚介類に含まれる多価不飽和脂肪酸と反応して、生臭みの原因であるアルデヒドを生成します。

しかし、日本酒にはこれらがほとんど含まれていないため、魚の香りを活かせられます。

裏を返せば、ネガティブな要素が発生しないため、ペアリングの課題や問題意識を見つけづらい、とも言えます。


それ故に、昔ながらのお店は、日本酒のメニューが銘柄ではなく「冷酒・ひや(常温)・熱燗」と書かれているだけだったり、取り扱い銘柄が1~2種類だけだったりしたのだと思います。

僕は取り扱い銘柄を絞っている古風なお店が嫌いではありませんし、寧ろ硬派さに好感を覚えるタイプですが、これは老舗に限った話です。


現代は酒蔵の数こそ減ったものの、お酒のバリエーションは昔よりも格段に広がっています。

日本酒の銘柄を絞る事は機会損失に繋がる状況です。

そして、料理に合う日本酒を提案することがお客さんの満足度にダイレクトに影響する状況です。

是非とも何となく合わせるのではなく、意識的に合わせてみてはいかがでしょうか?

筆者と同じく、きっと日本酒が楽しくなっていくはずです。


そこで、銘柄選びの基礎の基礎として、「日本酒にどのような味覚があるか?」について考えてみましょう。

日本酒に特徴的な味覚

日本酒で最も特徴的な味覚は甘味と旨味です。

また、伝統的には「甘口」、「辛口」、「淡麗」、「濃醇」と言った主観的な表現が多用されてきました。

甘口/辛口が甘味の程度を、淡麗/濃醇が旨味の程度を示しています。

しかし、ここで立ち止まってしまうと昔ながらのお酒選びになってしまいます。


現在造られているお酒の味覚表現は上記4つはカバーしきれませんので、他も意識してみます。

日本酒に特徴的な味覚を挙げると、以下のとおりです(筆者の感覚に基づきます)。

  • 甘味:アルコール発酵時に分解されずに残ったお米の甘味
  • 酸味:乳酸菌由来の酸味、リンゴ酸、コハク酸などに由来する酸味
  • 辛味:スパイシーな辛さではなく、ドライ=「甘くないこと」
  • 苦味:アルコール発酵の過程で発生する苦味(「味を引き締める旨味」として理解)
  • 渋味:緑茶のような渋味ではなく、後味に少し残る収斂味と苦味を足した渋味

このように書くと感覚的なので、少し難しく感じるかもしれませんが、特に感じやすい味覚は「甘味、酸味、苦味」です。

多くの人が感じやすいので、僕もインスタグラムの日本酒アカウントでは、これら3つを記載しています。

なので、まずはこれら3つから意識すれば、「甘口」か「辛口」か?の考え方から脱却できるはずです。


そして、「SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」を勉強して目から鱗が落ちたのが、苦味を旨味として考える視点です。

苦味は多くの場合にネガティブな要素として受け止められますが、日本酒の苦味を旨味として考えると、甘味と酸味以外の奥行きとなるので分かりやすいと感じます。


ちなみに、筆者は「SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」取得後、「唎酒師」のテキスト『日本酒の基』も勉強しました。

「唎酒師」は年会費が掛かるので取得を考えていませんが、知識は押さえておかねばと思った次第です。

「唎酒師(日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会)」においては、日本酒のタイプを下記の4つに分けています。

  • 薫酒(くんしゅ):香りの高いタイプ、主に大吟醸酒系・吟醸酒系
  • 爽酒(そうしゅ):軽快で香りは控えめのタイプ、主に普通酒系・本醸造酒系・生酒系
  • 醇酒(じゅんしゅ):お米のコクが強いタイプ、主に純米系・生酛系・山廃系
  • 熟酒(じゅくしゅ):熟成香と濃厚な味わいのタイプ、5年以上熟成したものが典型的

これらは、お酒を選ぶ際に押さえておいて損はない指標の一つです。

ただ、味覚と言うよりは日本酒の方向性なので、ペアリングを行う時は味覚ベースで考えるのがベターです。

理由としては、上記4区分の中でも味覚の幅が非常に広いので、味覚を意識しないと料理とのギャップが生じる為です。


次に、味覚と並んで非常に重要な「日本酒の香り」について考えてみます。

「日本酒の香り」は意識されていない方が本当に多いので、押さえるとペアリングの精度が上がるのは間違いありません。

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日本酒に特徴的な香り

ワインのテイスティング、ペアリングにおいては、実は、味覚よりも香りの方が重視されます。

その理由は言うまでもなく、香りが人の味覚と印象に大きな影響を与えるためです。

そのためテイスティングでは香りを外してはならない、とされます。


しかし、日本酒については、有名な鮨店や日本料理店であっても香りが考慮されていないことが多々あります

このように書くのは勇気が要りますが、僕も気付いた時はショッキングでした。

香りは非常に重要なので、細かく状況を分析します。


分かりやすい例を挙げると、繊細な白身魚の刺身に、赤リンゴ系のフルーティで華やかな香りのお酒を提案してしまうケースは極めて多く存在します。

しかし、白身魚を味わう上で重要なポイントは第一に香りです(次に旨味、脂の甘味、食感と続きます)。

なので、日本酒の香りを意識しないと折角の料理が台無しになってしまいます。

日本酒は「何となく合ってしまう」ので看過されがちですが、中には「あれ?提案頂いたけれど本当に合っているのかな…?」と思いながら飲んでいる人も多いのではないかと踏んでいます。


口に出せない理由は、日本酒ペアリングの考えが普及していないためであり、同時に「料理人はプロなので素人の自分は口を出せない」と言う遠慮があるためかと推察します。

しかし、料理人は「料理のプロ」で「日本酒のプロ」ではありません。

フレンチやイタリアンでは「料理はシェフ」、「ワインはソムリエ」と言う役割分担が確立しているものの、和食には「日本酒ソムリエ」がいないので料理人が日本酒のプロであるよう思われてしまうのだと思います。


勿論、中にはセンス抜群な日本酒の選択を行う板前さん、職人さんもいらっしゃり、自分も感銘を覚えながら日本酒を楽しませて頂いています。

この点は特記しておきます。

ただ、料理とお酒のミスマッチを起こしている美味しいお店が勿体無いので、上記のように書かせて頂く次第です(決して一般化しているわけではありませんので!)。


さて、本題に入ります。

日本酒で意識すると有用な香りのタイプは、以下の10個です。

敢えてシンプルにまとめます。

  • フルーティな香り:リンゴ系
  • フルーティな香り:バナナ系
  • フルーティな香り:メロン系
  • 爽やかな香り:柑橘系
  • 爽やかな香り:青竹やヒノキ系
  • 乳製品系の香り:ヨーグルト、サワークリーム、生クリーム
  • 香ばしい香り:お米、醤油、根菜、キノコ
  • 熟成系の香り:お米、ナッツ類、スモーク香
  • ミネラル系の香り:石灰
  • ほぼ無香

酒屋さんにお酒を相談するときは、味だけでなく香りも言い添えるとペアリングの精度が格段に上がります。

高級店は純米大吟醸や純米吟醸を扱うことが多く、「フルーティな香り」のお酒を出すと思いますが、「フルーティ」で終わらせるのは絶対にダメです。

御料理とのミスマッチを起こします。

細かく分けるとまだまだありますが、まずはリンゴ、バナナ、メロンの3つに分けるとミスマッチを減らせられます。


そして、「爽やか」だと感じるお酒は、柑橘系青竹やヒノキなどの樹木系に分けると良いです。

「乳製品系」については、酸味を予感させる場合はヨーグルトコクを予感させる場合は生クリームとなります。


上記のような「フルーティ系」、「爽やか系」、「乳製品系」のお酒については、コース前半に提供すると外す確率を下げられます

味わう前に、香りは人の味覚を左右してしまうもの。

香りを分類して料理に合わせると、お客さんの満足度は格段に上がります。


そして、「香ばしい香り」「熟成系の香り」を持つものは、コクが強い料理に合わせるお酒として優秀です。

主に、精米歩合が高い(磨いていない)純米酒や、色味に黄色が強めな熟成が掛かった日本酒、山廃造りの日本酒などが該当します。

これらは醤油や味噌を用いた料理との相性が抜群です。


残りの「ミネラル系の香り」は石灰のような香りです。

これは少し取りづらい香りで、料理への影響は大きくないので、ひとまず無視して頂いて構いません。

厳密にペアリングを行う際には重要な香りなので、念のため挙げておきます。


また、最後に、「ほぼ無香」のお酒もあります。

「ほぼ無香」のお酒は現在のトレンドではありませんが、「淡麗辛口のお酒」や「水のようなお酒」が良いと言うお客さんに出せば、満足されるはずです。

酒米は五百万石を使用していることが多く、お酒の色味は無色透明であることが一般的です(活性炭ろ過を掛けている為)。


次に、日本酒ペアリングで重要な温度について紹介します。

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燗酒のススメ:日本酒は温度で味が変わる珍しいお酒!

現在、多くの高級店では燗酒を出していませんが、これは非常に勿体ない状況です。

日本酒は温度で味が大きく変わる醸造酒だからです。

一昔前は「良い日本酒は冷酒に限る」と言う主張がありましたが、これは完全に間違いです。

言い始めた人は誰なんでしょうか…

一昔前に鮨店に対して言われた「良い店は玉子焼きで分かる」くらい不思議です。


そして、燗酒は悪酔いや二日酔いのイメージが強いかもしれませんが、これは昔の安酒と不適切な温度帯のせいです。

現在の美味しいお酒を適切な温度で燗をつけると、ネガティブな印象の人も「えっ。美味しい!」と感動するはずです。

料理との相性を考えると冷酒だけでは武器が少なく、燗酒も使った方が選択肢が広がります。

日本酒ペアリングの上では、温度と加温によるテクスチャーの変化も料理に合わせた方が良いです。


冷酒と常温(冷や酒)、燗酒で感じる味わいの違い

  • 冷酒:爽やかに感じられる、リンゴ酸などの酸味を感じやすい
  • 常温:食中酒として味覚のバランスが良い
  • 燗酒:甘味や旨味を感じやすく、酸味・苦味とのバランスが良い、芳香性が上がる

冷酒と燗酒で感じるテクスチャーの違い

  • 冷酒:さらり
  • 常温:まろやか
  • 燗酒:よりまろやか

冷酒と常温、燗酒のデメリット

  • 冷酒:甘味や旨味を感じにくく苦味が立つ可能性、芳香性が下がる
  • 常温:18℃くらいがベストで、22℃を超えると芳香バランスが崩れる
  • 燗酒:華やかな香りが失われる、アルコール感が高まる、甘味が強まる

燗酒を駆使すると日本料理だけでなく様々な世界の料理にも合わせられるので、夢があります。

とは言え、燗酒のみで構成するのは味覚の連続性的にハードルが高いので、個人的には冷酒、常温、燗酒を組み合わせる方法がベストだと感じています。


燗酒の世界は余りにも奥深く、僕自身、まだまだ不勉強な状況ですが、多大な魅力を感じています。

お酒によって最適な温度が変わりるので難しいところもありますが、燗酒=熱燗と言うイメージから脱却して、以下の温度帯を覚えておき、簡易的な燗をつけるだけでもお客さんは喜ぶはずです。


燗酒の温度帯

  • 30℃:日向燗(ひなたかん)
  • 35℃:人肌燗(ひとはだかん)
  • 40℃:ぬる燗
  • 45℃:上燗(じょうかん)
  • 50℃:熱燗
  • 55℃:飛びきり燗

「熱燗」は燗酒の代名詞的な単語ですが、オススメしづらい温度帯です。

多くの場合に味わいのバランスが崩れ、辛すぎたり甘すぎたりと、お酒の一部部分のみが突出しがちです(※酒蔵が熱燗以上を推奨する銘柄もあります)。

要は見極めが難しい温度帯なので、基本的には45℃の「上燗」以内がオススメです。

ちなみに、燗をつける際には、自宅ではともかくお店の場合、電子レンジはもってのほかです。

熱燗器と温度計を使って科学的に安定させた方が絶対に良いです。

お店ならば、やはり「酒燗器かんすけ」が最良かと思います。

電気式がヘヴィな場合には、筆者も愛用している「卓上酒燗器ミニかんすけ」がコンパクトで良いです。

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すしログ流・日本酒ペアリングの理論

では次に、自身が考えている日本酒ペアリングの理論について紹介します。

理論については、今後研究を重ねて改良していきます。

日本酒で考慮すべき構成要素とペアリングの方向性

まずは、日本酒で考慮すべき構成要素です。

  • お酒の香り
  • お酒の味の濃淡
  • 提供温度

前の項で記載した味覚を押さえた上で、提供する日本酒の構成にメリハリを付ける必要があります。

甘味や旨味の面で、似た味が連続しないようにすることが必須です。

特に日本酒はどんなお酒でも甘味があるので、甘味には細やかな注意を払う必要があります。

僕は、甘味があるお酒の後は酸味が強いお酒で味を切っています。


そして、ペアリングの方向性については、以下の4つを意識しています。

  • 調和:料理に味や香りを合わせる
  • 補完:料理に無い要素を補う
  • マスキング:料理のクセや油脂を切る
  • 相乗効果:料理とお酒単体以上の味覚を目指す

「相乗効果」はフレンチで言うところの「マリアージュ」です。

「ペアリング」の上位互換で、「クオリティの高いペアリング」と言い換えることも出来ます。

そして、上記を成立させるために日本酒で気を付けている点は、以下のとおりです。

  • 調和:香り、味覚、テクスチャー、温度
  • 補完:香り、味覚、温度
  • マスキング:味覚、温度、発泡性
  • 相乗効果:香り、味覚、温度

前述の通り日本酒は「料理の味覚を受け止めて包み込むお酒」なので、ワインのように化学変化的なマリアージュの難易度が高いお酒です。

ワインの場合、料理の味もお酒の味も劇的に変わりますが、日本酒はワインほどにはドラマティックではありません。

日本酒で相乗効果を目指す場合には、香り、味覚、温度の何れかではなく、2要素以上を合わせることで成功確率を上げられると感じます。

鮨と日本料理の日本酒ペアリング【基本型】

そして、僕は上記に基づき6種類の日本酒を用いる【基本型】を常に考えて、お店の味やコース構成に応じて変化させています。

以下の区分で【基本型】となる日本酒の銘柄もしくは使う日本酒の方向性を決めておくだけで、汎用性が高まると思います。

鮨の【基本型】

  • 乾杯酒
  • 酒肴(淡)用
  • 酒肴(濃)用
  • 鮨(淡)用
  • 鮨(食中酒)用
  • 鮨(濃)用

日本酒は季節ごとに銘柄が変わるため、タイプを固定しておけば、銘柄が変わっても対応可能です。

そして、酒屋さんにもタイプを伝えれば簡単に選べます。


日本料理の【基本型】

  • 乾杯酒:先付、お凌ぎ(or 前菜) ※椀には合わせない
  • 刺身用:向付(刺身)
  • 醤油を意識:煮もの、焼きもの
  • 油を意識:強肴(油もの、蒸しもの) ※酢のものには合わせない

八寸がある場合、八寸用も考えます。

ただ、お食事(ご飯)については、お米なので日本酒を合わせません。

これは僕が日本料理において白米が最高の贅沢だと考えていて、お米に敬意を払うためです。

また、椀に合わせない理由は吸い地に集中するためで、酢のものに合わせない理由は酸味が強い料理だからです。

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「SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」教本による鮨と相性が良い日本酒

最後に、ご参考として「SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」教本に記載されている、鮨と相性が良い日本酒の方向性を紹介します。

  • 真鯛:特別純米酒、12℃
  • ヒラメの昆布〆:生酛系純米酒、12~15℃
  • イカ:純米吟醸酒
  • ホタテ:特別純米酒、12℃
  • トリ貝:純米酒、12~15℃、ヨード香をほのかに感じるお酒
  • ミル貝:純米酒、12~15℃、ヨード香をほのかに感じるお酒
  • 赤貝:純米酒、12~15℃、ヨード香をほのかに感じるお酒
  • タイラギ:純米酒、12~15℃
  • 北寄貝:生酛系純米酒
  • 蒸しアワビ(煮ツメ):熟成純米酒
  • マグロ赤身:純米酒、14℃、酸度のやや高いお酒
  • マグロ中トロ:純米酒、14℃
  • マグロ大トロ:純米酒、12~15℃、クリーミーさを感じるお酒
  • 小鰭:純米酒、12~15℃
  • 〆サバ:生酛系純米酒、14℃
  • 煮ハマグリ:生酛系純米酒
  • 穴子(塩):生酛系純米酒
  • 穴子(煮ツメ):熟成生酛系純米酒
  • 玉子:若い貴醸酒

突っ込みどころもありますが、インスピレーションのある情報です。

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開催した日本酒ペアリング会について

直近で行った日本酒ペアリング会については、「鮨ゆうき」さんとなります。

ペアリングのお酒 すしログ日本酒ペアリング会(第6回):広尾「鮨ゆうき」

日本酒ペアリング会をご希望されるお店の方は、お気軽にご連絡ください。

これからも精度を上げて、自分ならではなペアリングを行っていきます。

まとめ

本記事が職人さん、料理人さんを始め、食を愛する方の参考となれば幸いです。

自分自身、まだまだ未熟なので勉強を続けながら有益な情報を提供し続けたいと思います。

日本酒好きな方、日本酒に興味のある方の全てに、新たな日本酒ペアリング体験をお届けできるよう頑張ります!

ご協力して頂けるお店の方がいらっしゃれば、是非ともよろしくお願いいたします。

Facebookで繋がっている方はFBメッセンジャー、ほかインスタTwitterどれでも構いませんのでDMをください。

一緒に新しい境地を拓いていきましょう。


鮨と日本酒の地位を高め続けたい、すしログ(@sushilog01)でした。

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