すしログ日本料理編 No. 20 割烹旅館二葉@小川町(埼玉県)

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歴史ある建物が現存する山間の街、小川町(おがわちょう)。

こちらの街には二大名物料理があります。

即ち、割烹旅館福助(1855年創業)さんの【女郎うなぎ】と、割烹旅館二葉(1748年創業)さんの【忠七めし】。

この度ご紹介するのは、後者の【忠七めし】です。

 

【忠七めし】は1939年に宮内庁により選定された「日本五大銘飯」に数えられ、今なお昔と同じ味わいを楽しませてくれます。

 

ちなみに、「日本五大銘飯」とは他に、大阪府難波の【かやくめし】、島根県津和野地方の【うずめめし】、岐阜県可児の【さよりめし】、東京都深川の【深川めし】となります。

全てに共通するところは、知らなければどんな料理なのか分からない点でしょうか。

 

割烹旅館二葉は前述の通り260年超の歴史を誇り、北辰一刀流に通ずる武士であり粋人であった、山岡鐵舟ゆかりの宿。

有形文化財の建物を2棟有し、お昼に伺うとちょっとした旅気分を味わえます。

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実は過去にもお伺いし、千円台後半の【松花堂】を頼んだことがあるのですが、こちらはかなりお粗末な内容でした。

ハンペンの青海苔揚げ、ポテサラ、冷凍モノの刺身、粉末山葵…

看板の【忠七めし】以外は「割烹旅館」と呼ぶには残念なクオリティでした。

しかし、この度リニューアルされたようで、イメージが一新。

ハッキリ言って、【松花堂】とは別物の満足感を抱きました。

コースは3,500円の【ミニ会席】からとなりましたが、英断だと感じます。

中途半端なものを出して名声を貶めるよりも、お値段が張っても上質なものの方が格段に良い。

 

【ミニ会席】は素材に季節感があり、料理ごとに出汁も使い分けており、過剰な期待さえ抱かなければ雰囲気も含めて中々の満足度。

水菓子だけ前回の悲哀を呼び起こすクオリティでしたが、全体的には〆の【忠七めし】を頂くまでに盛り上げてくれる構成でした。

頂いた御料理は下記の通りです。

 

空豆豆腐と菜の花

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春らしい一品が出て、嬉しい。
山葵も本山葵を直前に摺り下ろしたもので、ホッと安心。

 

春菊と山菜のお浸し

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山菜はわらび、わけぎ。

 

海老真薯の椀

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全体的に出汁が中々だと感じました。

 

お造り

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カンパチを寝かせて旨味を引き出している。

山葵は本山葵を使用し、少しだけ砂糖を混ぜている。

 

八寸

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鯛の西京焼き。白酒に桜粉を混ぜたソースを使用しており、桜が香る。

 

忠七めし

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海苔の香りと出汁を楽しむ料理。

頂いた感想としては、素朴ながらに工夫に富んだ料理だと感じた。

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出汁は昆布の旨味が強く、淡い鰹の風味。

塩気は結構利かせており、シンプルな味付けながらに箸を進める。

海苔は上等なものではないけれど、むしろ、さっぱり目だからこそ主張が少なく出汁に合う。

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また、薬味の柚子(地産らしいです)が良い感じに味をまとめてくれます。

添えられた山牛蒡と浜納豆も良きパートナー。

限られた素材を組み合わせる事で作り出される妙があり、質素な中に喜びがありました。

鐵舟の「剣・禅・書」を表すだけある…かもしれません。

 

食後は庭園でリラックス

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店名:割烹旅館二葉(かっぽうりょかんふたば)

予算の目安:ランチ3,500円

最寄駅:小川町駅から360m

TEL:0493-72-0038

住所:埼玉県比企郡小川町大塚32

営業時間:11:30~14:00、17:00~20:00

定休日:月曜

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