怪しげな路地にある、怪しげな名前のお店…
しかし、実はこちらは、1955年創業の隠れたバッテラの名店です。
お店の外観も内装も、何処からどう見ても街場寿司。
情報を聞いていなければ、確実に入っていなかったと思います。
お店に入ってオーダーした後も不安でしたが、お店の方は人情味があり、すぐに一息つくことが出来ました。
鯖寿司を半分その場で、半分持ち帰りで頼み、ビールを飲みながら待ちます。
ちなみに、鯖寿司を指す「バッテラ」とは、ポルトガル語が語源。
「カステラ」と同様にポルトガル語とは意外ですが、”bateira”(バッテイラ)は「小舟」を意味するそうです。
小舟のような寿司。
大阪の方言かと思いきや、形状から名付けられたとは、意表を突かれます。
しかも名付け親は明治期の鮨店のご主人だったそうですが、ポルトガル語とは粋ですねえ。
さて、こちらのバッテラは、驚くほどに美しい見た目です。
小舟というよりも宝船!
白板昆布に透ける木ノ芽がキラキラと光り、食べるのが勿体無くなります。
というのは嘘で、無性に食べたくなり、パクリと頬張ると、味わいも個性的です。
鯖は大阪寿司特有の薄切りで、〆加減は比較的浅めです。
しかし、塩をキリッと利かせており、塩気が立っております。
鯖単体で頂くとしょっぱいのでしょうが、そこを甘めの酢飯と、酢飯の間に仕込まれた鯖おぼろがしっかりと受け止めております。
こちらのバッテラは、この鯖おぼろが実に特徴的です。
酢飯もふんわりと巻いており、軽やかな味わいです。
薬味に使われている木ノ芽だけでなく、胡麻もアクセントとなり、渾然一体の魅力を創りだしております。
使用している鯖もしっかりした国産の真鯖。
得てしてノルウェーあたりの輸入品を使うお店が多い中、さりげないこだわりが応援したくなる所以です。
一見すると飲み寿司店ですが、老舗にも負けずとも劣らない鯖寿司を楽しませてくれる名店です。
店名:あばらや
予算の目安:2,500円~
最寄り駅:日本橋駅から261m
TEL: 06-6631-0223
住所: 大阪府大阪市中央区難波千日前2-14
営業時間:11:30~14:00、16:00~23:00
定休日:日曜、祝日
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