
こんにちは、魚が大好きなすしログ(@sushilog01)です。
この度、宮崎県延岡で出会った「きたうら善漁。」さんは、全国から訪問する価値のある素晴らしい日本料理店です。
ご主人は「ただの料理屋」を自称し、幾つかのルールを設けておられます。
よって、そのルールだけを見ると「怖いお店」に思われるかもしれませんが、実際は逆です。
ご主人の食材への敬意と食事への愛着があふれるお店で、食好きならば実に素敵な時間を過ごせます。

訪問前は「延岡は行きづらいので、今回が最初で最後かな」と、全てを噛み締めて記憶する想いで訪問しました。
しかし、訪問して「ぜひともまたお伺いしたい!」と感じた次第です。
真の食好きに心からオススメする、唯一無二の一軒です。


「きたうら善漁。」さんは、お店側から語られる情報が少ないからこそ、お客が感じ取る情報が多いお店だと感じました。
魅力を一概に伝えるのは難しく、その理由はお店側のスタイルのためです。
一つ、ご主人は料理や食材の説明を一切されません。
一つ、写真撮影は禁止です。
一つ、料理に向き合うため過剰な私語は厳禁です。
…このように書くとストイシズムあふれるお店だと感じるでしょう。
ただ、実際のところはご主人は食材と向き合い、お客さんにできる限り食材のピュアな味を楽しんで欲しいと考えておられるのが伝わります。
僕自身、撮影可能なお店においては、できる限り美味しそうに撮ることを心がけています。
そのために一眼レフを使用している次第です。
また、言葉でも食材自体の魅力を伝えるように心がけています。
しかし、この度、食材をブラインドで食べることで数々の発見を得ました。
少なくとも、撮影OKであろうと無かろうと、食事に向き合う時の敬意とイマジネーションは必須だと再認識しました。
もちろん今までもそのような姿勢で御料理に向き合ってきたつもりですが、より意識的に実践しようと思った次第です。
ご主人は謙虚に、「自分は大した料理をしていない。食材に助けられているだけです」ということを繰り返されます。
しかし、食材に極力最低限の手を加えて味を最大化するプロセスは、決して凡庸な技術とセンスでは成し遂げられません。
都会にある多くのお店が食材を過剰に触る傾向が強いのは、最低限の手を加えて味を最大化することが至難であることを証明しています。
それを「きたうら善漁。」の吉田善兵衛さんは、さらりと行っています。
これこそが「理を料る」と言うことか。
食材の魅力や料理の解釈をお客さんに委ねるという姿勢は並大抵の覚悟ではできないことだと感じました。
そして、食材を仰々しく提供することも決してされないものの、実際には 実際には一般流通していない特別な土地の食材ばかりです。
なので、延岡までわざわざ行っていただく価値が十分にあるお店だと断言します。
実は、かつては写真撮影も可能で、お店が評判を集めた時には食通を自称するような人たちも訪問したそうです。
しかしながら、スタンプラリー的に食べ歩く人たちには食材の真価が気づいてもらえず、料理の説明が少ないとお店側に辛辣な対応を取る人も増えたそうです。
そのような悲劇を経て、ご主人が極力ノイズを排除して食材の魅力を感じて欲しいと願った結果、現在のシステムが確立したのです。
現在の料理シーンでは、「盛り付けのための盛り付け」や「撮影のための盛り付け」が横行しており、その盛り付けをさらに過剰に装飾する言葉が主流になってしまっています。
そして、消費者はさらに装飾しようと過剰なフィルター加工を施します。
しかし、料理の本質は味であり、味とは食材に他なりません。
だからこそ、「きたうら善漁。」さんのようなお店は存在意義が非常に強く、本当にグルメな人こそ訪問する価値があると心から感じました。
料理ならびに食材との対峙。
五感で味わい、想像力を刺激される料理が、「きたうら善漁。」さんの魅力です。
「きたうら善漁。」さんのコースは、魚、野菜が中心で、味わいと香りの両面において季節を感じることができます。
土地の魚介類の美味しさに舌鼓をうっていると、メインディッシュには肉が登場。
と言っても、都会の日本料理店のように脂がこってり乗っているA5和牛ではなく、噛み締めて旨い赤身肉でしたので、「真のメインディッシュ」に影響はありません。
「真のメインディッシュ」とは、「真打ち」と銘打ったご飯です。
これが秀逸で、食べこんでいる人ほど深い感動に浸れると思います。
ドリンクはアラカルトでの注文も可能ですが、お酒好きな方は【気まぐれ酒一式】5,000円がお得です。
ビールと日本酒2種類、ワインで構成されていて、量はたっぷりでした笑
時価の影響が大きいと思いますが、【気まぐれ酒一式】を付けて22,000円でした。
「きたうら善漁。」さんの予約は、お電話のみとなります。
予約に際しては、お店の公式サイトを見てからかけるのが良いと思います。
店名:きたうら善漁。(きたうらぜんりょうまる)
予算の目安:17,000円〜
TEL:0982-31-0051
住所:宮崎県延岡市本町1-3-14
最寄駅:延岡駅から1.4km
営業時間:18:00~22:00 ※完全予約制です
定休日:日曜
土地の食材こそが旅の目的だと実感する、すしログ(@sushilog01)でした。
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