沖縄県・那覇で「沖縄そば懐石」を編み出す名店、尊尊我無(※敢え無く2021年8月に閉店)。
沖縄の食材で蕎麦懐石のコースを組みたてる個性的なお店で、食好きには足を運んで頂きたい一軒です。
そして、今回ご紹介するお店は尊尊我無と同じオーナー・村岡省吾さんのお店です。
業態は「居酒屋」ですが、使用する食材のクオリティは高く、雰囲気も良いので、「他とはちょっと違う沖縄料理」を求める方に、是非ともオススメします。
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「地料理・旬菜 土香る」の立地と雰囲気
お店は国際通りの真ん中あたりで、脇道にそれたビルの地下1階に入っています。
アクセス至便な場所にありながら騒々しくは無く、地下1階でありながら上品で落ち着いた雰囲気です。
カウンター、テーブル席、お座敷があり、様々な用途に対応しています。
お座敷の向こうには坪庭があり、地下とは思えない解放感と緑を感じる事が出来ます。
オーナー・村岡さんは沖縄の器に魅せられて移住された方なので、使用する器や店内に飾ってある器は大変味があります。
「居酒屋」で器が良いと、特にセンスを感じますよね。
「地料理・旬菜 土香る」さんの御料理について
【島らっきょう】【海ぶどう】【チャンプルー】など、沖縄の居酒屋ならば高確率で置いているメニューを揃えています。
しかし、こちらの真骨頂は「食材力」だと思います。
特に野菜が美味しく、島野菜の魅力をたっぷりと伝えてくれます。
皆さま、島野菜と聞くと、「味が強い」と言うイメージが湧くのではないでしょうか?
そのイメージは正解です。
味わい、香りともに強いものが多いのが事実です。
それ故に苦手意識を持つ人もいらっしゃるかと思いますが、「土香る」さんは野菜の個性を巧く活かしておられます。
フーチバー=ヨモギや島人参と言った風味の強い食材であっても、初めての人が美味しく食べられるように作られているのが魅力です。
そして、肉類についても、取り扱いが珍しい「キビまる豚(とん)」を使用している点が魅力です。
今やブランドが増えすぎた「アグー豚」(※アグーではありません)は正直なところピンキリの状態です。
「キビまる豚」は南風原町(はえばるちょう)で育てられている豚で、沖縄の薬草や紅イモ、さとうきびを中心に肥育されていて、脂の融点の低さが特徴になります。
通常の豚が37℃~38℃ほどに対して、「キビまる豚」は約30℃なので、脂がすぐに溶けて甘みを感じやすく、肉質も柔らかい点が味わいの特徴になります。
「土香る」さんの御料理は定番のものに加えて季節、時期で変わるため、訪問の都度オススメを伺ってオーダーするのが良いと思います。
「地料理・旬菜 土香る」の御料理について(頂いたものの詳細)
お酒は定番のオリオン生でスタートし、泡盛をオススメで頂きました。
泡盛は県外だと飲み込む機会が少ないので、オススメを伺うのがベストだと思います。
また、沖縄県産ラムやジンも取り揃えておられるので、リキュール好きな方も楽しめます。
頂いたお酒
- 松藤3年古酒
- 咲元酒造 3年古酒
- 珊瑚礁10年古酒
頂いた御料理
- チキアギ(沖縄風薩摩揚げ)580円
- フーチバーとスイートコーンのかき揚げ780円
- もずく天麩羅680円
- 島人参と葉にんにく塩豚のチャンプルー780円
- 地鶏砂肝ポン酢480円
- 沖縄県産きびまる豚ロースソテー230g2,500円
お通し
アオサ入り玉子焼き、ニラと揚げのお浸し、ゆし豆腐
全て丁寧に作られていて美味しい先付。
お通しが美味しい居酒屋は間違いない。
チキアギ(沖縄風薩摩揚げ)
市販品とは異なり、混ぜ物を使用せず、魚を練ったチキアギ。
西日本で言うところの天ぷら。
使用する魚はグルクンと鯛など。
食感はくにゅっとして気持ちの良い弾力があり、魚の風味と甘みが魅力。
調味料の甘みでなく魚の甘みを感じる点が手作りの美点だ。
フーチバーとスイートコーンのかき揚げ
塩は雪塩。スイートコーンの強い甘みにフーチバーがハーブ的な活躍を見せる。
変な比喩になるが、シナモンロールのシナモンのようなマスト感すら感じる。
クセの強いフーチバーを巧みに使用している魅力的な一品。
もずく天麩羅
定番のもずくの天麩羅。
島人参と葉にんにく塩豚のチャンプルー
蒸して炒めた島人参は、甘くて柔らか。
蒸す事で甘みが引き出されていて、同時に香りも残っているのが嬉しい。
美味しい人参は香りもごちそうの一つなので(悲しきかな現代の都会人にとって)。
また、葉にんにくの香りに燻製スーチカーの香りが合わさり、食欲を刺激する。
大変魅力的な炒め物。
地鶏砂肝ポン酢
爽快で歯ごたえが良い砂肝。
シャクッと切れて、しっとりとほどける、
タレは酸味と甘みを利かせた中華風のタレで、野菜はトマト、キュウリ、わかめ。
ピンクペッパーの香りがお洒落。
沖縄県産きびまる豚ロースソテー
赤身部分は酸味が利いていて、しっかりした肉質。
脂は甘くて、クドくない良い脂。
火入れはもう少し弱めでも良いように感じたが、豚の魅力を十分に伝えてくれる御料理。
また、付け合わせが手抜かりない点が好印象。
出汁を含ませて揚げたチンヌク(里芋)、紅芋、ゴーヤー、やんばる産エリンギ。
肉の味をシンプルに味わうためには、添え物もシンプルな方がベター。
居酒屋の付け合わせは、お通しと同じくお店の方のセンスが出る。
季節ごとに異なる魅力があるお店なので、また機会を見て訪問したいと感じました。
「地料理・旬菜 土香る」のお店情報・予約方法
各種WEB予約に対応されているので、予約は簡単です!
店名:地料理・旬菜 土香る(じりょうり・しゅんさい つちかおる)
予算の目安:お酒の量次第だが5,000円~6,000円ほど
TEL:098-943-9460
住所:沖縄県那覇市松尾2-6-24
最寄駅:美栄橋駅から490m
営業時間:17:00〜22:00(L.O.21:00) ※新型コロナに伴う時短要請のため
定休日:水曜
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