今や日本料理店のみならず鮨店でも定番の料理となっている、茶碗蒸し。
料理の流れを邪魔しないため、コースに組み込みやすく、季節の素材とも合わせやすい点が魅力なのでしょう。
勿論、家庭で頂いても美味しい料理なので、国民全てに愛される料理だと思います。
そんな茶碗蒸しの発祥の地は、カステラと同じ長崎。
1689年(元禄2年)、長崎に唐人屋敷が設けられ、中国から商船が寄港するようになりました。
それに伴い、大陸から唐人料理がもたらされ、それが卓袱料理になっていきます。
卓袱料理は大人数の宴席を前提としたコース料理ですが、そのコースに含まれていたのが茶碗蒸しとされております。
そして、こちらのお店「吉宗(よっそう)」は伝来から遅れる事1866年(慶応2年)に創業。
長崎の肥後屋敷で初めて茶碗蒸しを食べた伊予松山藩士の吉田宗吉信武が味わいに感動し、屋号を吉宗として開業したそうです。
発祥の地で茶碗蒸しを供するお店としては、最古と言えます。
ちなみに、休日の11時過ぎに訪問したところ、9割の客入り。
11時20分には行列が出来ておりましたので、訪問される際は開店と同時が狙い目かと。
こちらの名物料理は勿論【茶碗蒸し】ですが、同じく蒸し料理である【蒸し寿司】も開業からの味わい。
しかし、僕が訪問した日は酷暑日であったため、【蒸し寿司】ではなく【バッテラ】を頼みました。
【バッテラ】も長崎らしくポルトガル語由来(bateira)なので…
茶碗蒸し
単品756円と高額ですが、個性はバッチリ。
予想を超えて汁気が多い事にびっくりします。
更に、非常にトロトロしているため、あたかもスープのよう。
スープは椎茸の旨味で満ちており、卵の甘さとあいまって、何とも言えない優しい味わいです。
具は海老、鶏肉、穴子、麩、筍、銀杏。
かなり軽やかな味わいなので、他にご飯ものを頂いても問題ありません。
ばってら
こちらは1,242円とリーズナブル。
酢を利かせ強めの〆加減で、塩も比較的強め。
酢飯はほんのり甘みがあり、優しい味わいです。
しかし、茶碗蒸しを名物にして150年も続いているとは、凄い。
老舗の存在感を感じさせてくれる茶碗蒸しだと思います。
ちなみに、こちらの近くにある「くらさき」と言う鯨のお店もオススメです。
ネガティブなイメージを砕いてくれる、美味しい鯨カツを頂けます。
店名:吉宗(よっそう)
食べるべき逸品:発祥の茶碗蒸し。
予算の目安:単品700円〜
最寄駅:観光通電停から140m
TEL:095-821-0001
住所:長崎県長崎市浜町8-9
営業時間:11:00~21:00
定休日:お正月のみ
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