
こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
あっという間に予約を取れなくなった真鶴の「伊藤家のつぼ」。
「鮨オーベルジュ」の先駆けとして知られるお店ですね。
不思議な店名は一度お伺いしたら頭に残り、長らく訪問してみたいお店でした。
この度ありがたいお誘いをいただいて訪問したところ、非常にくつろげる素敵な雰囲気と空間でした。

予想だにできない12時から16時近くにも及ぶ長丁場でしたが、長時間嫌いの自分でも不思議と楽しめるおもてなしでした。
海を眺めながら談笑していただく時間も楽しみの一つであるお店です。
「鮨オーベルジュ」のポテンシャルを感じさせてくれる名店です。


しかも、「鮨オーベルジュ」と言っても高級価格ではないところが素晴らしい。
最近は資本系がビジネスとして「鮨オーベルジュ」を展開する流れはありますが、そんなに大それたことをせずとも記憶に残る食体験を創れることを示す好例です。
※訪問は2026年1月上旬となります(時差投稿となり恐縮です)
タップできる目次

「伊藤家のつぼ」は真鶴にあり、前述のとおり「鮨オーベルジュ」の先駆けと知られます。
親方の伊藤 勉さんは元々秋田出身で、東京の八丁堀でお店を営んでいたそうです。
そして、2018年1月に真鶴の地に、当時は珍しい「鮨オーベルジュ」を開きました。

訪問した鮨好きの友人から好評を聞いていたので伺いたいと思っていたところ、ものすごいスピードで予約難易度が上がっていきました。
「真鶴の地で何故!?」と思いましたが、訪問して納得です。
雰囲気、おもてなし、コストパフォーマンスがそろっているので、常連さんが年間をとおして複数の予約を押さえる様子です。

お料理の魅力としては、都心の鮨店のような高級感や洗練はありませんが、地物を駆使して唯一無二の味に仕上げておられます。
調理は素朴ながら美味しく、新年早々でも地魚をいただける喜びを実感。
そう、いただいていて感謝が湧き起こる鮨とお料理だと感じました。
そして、もう一つの魅力は日本酒。
「残草蓬莱」で知られる大矢孝酒造のお酒を多数そろえており、しかも非常に良心的な価格で驚きました。
蔵元杜氏の大矢さんもご贔屓にされているからこそ実現できる技。
鮨ないし日本料理店が、地元の酒蔵と懇意にして生まれる価値の大きさを実感します。
大矢孝酒造さんの酒質は豊富なので、これから探求したい銘柄になりました。




なお、鮨の生命線であるシャリは万人受けする方向性ですが、細部に繊細な配慮が光ります。
米粒はかなりもっちりしていて、浸水と炊飯ならびに保温の仕方が巧みです。
調味については甘味を付けつつ、上品なバランスを取っています。
シャリが美味しいと大衆的な方向性の鮨であっても満足度や連続性が高まり、良い食後感に繋がります。
それでは、実際にいただいたお料理の内容を紹介します。

もっちりした生地が実におやきらしい。

肉厚な切りつけが嬉しい。畑から間引きした人参を添えて。

嬉しい紅白のつみれ。中には玉ねぎを使用しているようで、甘味がある。吸い地はすっきりしていて、メリハリのある味わいだ。

新年ということもあり、豪華な二段重で登場!

右の重箱は里芋の黄身酢掛け、鮪の燻製、金沢蓮根・菜の花・凍み豆腐の炊き合わせ。
左の重箱は煮蛸、漬け鮪の手まり寿司と大徳寺納豆、紅白なます、ヤガラと八朔のジュレ。

季節感がたっぷりと盛り込まれているだけでなく、個々の調理が非常に丁寧で、おもてなしの気持ちが満ちている。

ヤガラと八朔のジュレは非常に面白い取り合わせだ。

漬け鮪の手まり寿司には大徳寺納豆が少量合わせられていて、これが味と香りの強いフックとなる。

薄切りで辛味がしっかりある。甘味を用いつつ口直しの方向性のガリで好感が持てる。

真鶴産。名刺代わりの一貫目が地魚とは嬉しい限りだ。食感はぱっつりしつつ、ねっちり感もあり、良い意味での香りと酸味、脂の甘味も広がる。「一キロで淋しい感じ」との談だが、旨い。お腹がすく一貫目だ。

昆布〆。小田原・片浦のレモンと塩で提供。刺身とは異なり腹側で脂が乗っている。

肉厚な鯵だ。ぷりぷり、パツパツで、味が強く、そこに大徳寺納豆を加えていて、これは魅力的だ。地魚を提供する鮨オーベルジュらしい創作鮨。

昆布〆が合う食感だ。ぱっつりと歯切れが良く、旨い。

アラ出汁が効いている。あとは煮干しだろうか。香りが良い味噌汁だ。揚げは炙ってから使用されていて香ばしくて魅力的な調理。

腹側を、ご主人が摘んできたすすきで炙っているそう。薫香が良いな~

アイルランド。臭みなくトロらしい脂を楽しめる。

焼き立てのほっこり系出汁巻き玉子。

出汁巻き玉子の後に小鰭とは意表を突かれた!皮の食感を立たせる〆加減と包丁。酢を浸透させてスッキリさせつつ、身のむっちり感も残しホロホロにはさせない。

肝は言わずもがなだが、身が旨い!昆布〆の塩梅が良い。

効果的に脱水していて旨味を楽しませてくれる。脂は軽やかな黒鯥。

柑橘に寄る酸味と塩の塩味、胡麻の風味を感じながら、アオリイカの甘味で終わらせる設計は面白いコースである。


「伊藤家のつぼ」さんについては、ブログの情報を見つつテーブルチェックで空席を確認するのが良さそうです。
平日ならば空きが出ることがあるようです。
店名:伊藤家のつぼ(いとうけのつぼ)
シャリの特徴:万人受けするタイプだが、甘味は上品で、お米の粒立ちも良いシャリ。
予算の目安:おまかせコース 11,550円、宿泊のご予約 (1~2名様のお部屋)13,200円、 (1~3名様のお部屋) 19,800円※金・土・祝前日、GWなどの繁忙期は+1,000円
最寄駅:真鶴駅から2,200m
TEL:0465-87-6460
住所:神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴1200-18
営業時間:【昼の部】12時~13時入店 15時閉店、【夜の部】17時~18時入店 22時閉店、【夕食+お泊りの部】ご到着16時~翌10時
定休日:不定休
地方の鮨は味だけでなく心意気も大切だと実感する、すしログ(@sushilog01)でした。
本記事のリンクには広告がふくまれています。
