すしログ No. 165 幸鮓@蔵前

こちらは当ブログの第1回で取り上げた通り、僕にとって非常に馴染み深いお店です。

極めて良心的な価格で、本物の江戸前の仕事を楽しませて頂けるところは、何回伺っても魅力が色褪せません。

むしろ、何回か伺って更なる魅力を知るようになる、鮨店の悦びがある鮨店です。

一流のタネや飲み鮨を求める方には不向きですが、魚を旨くする仕事=「鮨」を体感出来るお店なので、若い人、鮨に興味がある人にはいつもオススメしております。

今回の訪問は8月末。

アップまで期間が空いてしまい、申し訳ありません…。

 

こちらではいつも酒肴を三品だけ頂き、すぐに握りを頂いております。 

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酢を利かせ、柚子胡椒を軽く用いており、

残暑の厳しい夏の終わりに嬉しき清涼感。

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いくら

標津産の生いくらを使用。いくらは実は獲れる(=生で頂ける)時期が限られており、旬の時期以外は冷凍モノとなります。

(↑一般的に意外に知られていないので敢えて記載)

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もずく

輪島産の極めて細く食感良好なもずく。

 

この後、握りに移行します。

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利尻産。鮃特有の香りが強く、甘みがふつふつと高まる。

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新烏賊

墨烏賊のこども、新烏賊。天草産。

個人的に鮨に一番合う烏賊こそ、墨烏賊。

小さくても墨烏賊の食感を感じさせてくれ、待ってました!と言う気分になる。

幸鮓さんでは8月は高確率で新烏賊を出されます。

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蝦夷石影貝(エゾイシカゲ)

非常に珍しいタネ。イシガキガイとも。岩手産。

貝が弱い夏に、極めて嬉しい味わい。

貝類の甘みが強く、ほのかな苦味が凛々しく、クセは無い。

高松の鮨舳(すしとも)さんで頂いたが、東京で出されているお店は稀。

※その後、出されるお店が急増し、かなり多くの鮨店で利用されることとなりました

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小鰭

天草産。こちらの小鰭は都内でも有数の仕事だと感じているが、時期によって〆加減、酢加減を結構調整されているのが面白い。

季節ごとの小鰭(ないし新子)の味わいを楽しめる。

この度は皮目の食感を割と残しつつ、それでいて噛み締めると消え去る。

初めての方には旬の時期(11〜1月頃)の小鰭をオススメしたい。 

f:id:edomae-sushi:20161003204019j:plain秋刀魚

根室産。〆の仕事が抜群で、強い旨味と、日本人ならば郷愁を誘われる香りを満喫!

有無を言わさぬ美味しさ。

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定評あるボストン産。

いつもながら安定感のある旨味。

銀座わたなべさんと言い、ベテランの職人さんは自身の眼で鮪を仕入れられるので、安心出来る。

必ずしも超高額な国産鮪こそがベストに非ず(旬以外の時期は矢張り)。

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海胆

宮城産のミョウバン無添加。

かなりしっかりした磯の香りを楽しめ、塩で頂くと尚更旨い。 

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岸和田産。香りと脂が良いバランス。

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蝦蛄

愛知産。香りが良く、柔らかくしっとりした食感。

蝦蛄の甘みとシャリの酸味がベストマッチ。

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蝦蛄(子持ち)

蝦蛄の子の有無で食べ比べ出来るとは、面白い。

子持ちはしっかりした食感で、卵の風味と食感を前面に感じる。

好みによるかと思うが、蝦蛄自体の旨味に限れば、子無しの方が旨い。

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穴子

江戸前、小柴産。

こちらは穴子が弱い時期(冬)に伺っても美味く食べさせてくれる。

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干瓢巻

歯応えが良く、上品な甘みを付加した仕上げ。

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こちらで密かな楽しみなのが、最後の椀。

潮汁ではなく味噌汁だが、これが美味い。

そして、安らぐ。

今回は宍道湖産の蜆を用い、滋味溢れる味わい。

個人的には牡蠣の味噌汁が強く印象に残っております。

 

渋い街の渋い雰囲気のお店ですが、江戸前鮨の魅力を教えてくれる優良店です。

 

店名:幸鮓(こうずし)

シャリの特徴:酢加減、塩加減ともに穏やかで、硬さは標準的。全般的に合う。

予算の目安:9,000円~12,000円

最寄駅:浅草線・蔵前駅から60m

TEL:03-3863-1622

住所:東京都台東区蔵前3-4-8

営業時間:18:00~22:00

定休日:日曜、祝日

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