八戸でアットホームに寛げる、赤酢のシャリの江戸前鮨!「瑞穂」

鮨瑞穂暖簾

こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

こちらは八戸…というか青森県としても珍しい、江戸前鮨&赤酢のシャリのお店です。

東京で修業した二代目が戻られたことを知り、伺いたかった次第です。

すしログ

江戸前の仕事で地魚を江戸前鮨に仕上げる「ご当地江戸前鮨」は、今後一層アツいはず。

新潟の「兄弟寿し」さんのような名店が増えると旅が更に面白くなりますので!

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八戸の「鮨 瑞穂」とは?

もともとは、先代が1987年(昭和62年)に「鮨 大磯」と言う屋号でオープンされたお店です。

2021年4月9日に「鮨 瑞穂」に屋号を変え、移転リニューアルオープンされました。

現在は、先代と2代目が二人三脚で漬け場に立たれています。

鮨瑞穂内観

お客さんは地元の食好きの方が多く、プロの料理人も通っている模様です。

お隣の席の方は料理人で、出がけに少しお話しましたが、美味しそうな炭火焼き酒場のご主人でした。

▶すみ さけ みなみ

 

「鮨瑞穂」を決定付ける最大の特徴は、八戸と言うか青森県では珍しい赤酢のシャリを使用されている点です。

しかも、赤酢のシャリでも、特に旨味が強い赤酢の使い方。

これは米酢が一般的な土地では画期的に映ることかと思います。

とは言え、酸味や塩気は穏やかなので、土地の味覚に調整する工夫もされています。

お米は鮨専用米の「ムツニシキ」を使用し、炊飯は羽釜で行っているそうです。

温度、粘度、硬さともにバッチリで、街場寿司のそれとは一線を画します。

 

それでいて、お店の接客と雰囲気は街場寿司的な温かさがあります。

女将さんが常連さんの隣の席に座り、一緒に談笑する風景は、都会の江戸前鮨店では見られません。

一流志向のスノッブな方は批判しそうな風景ですが、僕個人的には「鮨 瑞穂さんらしさ」なのだと感じました。

 

おまかせの構成も、江戸前鮨と割烹の中間を行く組み立て方だと感じます。

酒肴には塩気が強めの焼きものや天麩羅が含まれていて、握りの数も9貫ほど。

僕のように初訪問の方でも寛げる、アットホームな「鮨割烹」です。

「鮨 瑞穂」のおまかせコースの詳細

コースは2つ用意されていて、8,000円と12,000円があります。

僕は県外からの訪問なので、選んだものは勿論後者です。

鮨瑞穂酒器

この度頂いたお酒

  • ビール
  • 裏八仙、純米大吟醸
  • 陸奥男山、裏男山 超辛純米
  • 山本、ピュアブラック 純米吟醸

握りに合うものと頼んで頂いたものが山本でした。

以上でお会計は16,200円なので、八戸としては高級路線ですが、鮨店としてはリーズナブルな範囲です。

望むらくは、おしぼり以外に指拭きがあると、さらに良いと感じました。

 

蛍烏賊

鮨瑞穂蛍烏賊

まさかの八戸で初物を頂くことになった(3月頭の訪問)。

酢味噌の味付けが良い。

酢も甘みも穏やかで、味噌主体の酢味噌だ。

 

キンサガ(サンコウメヌケ)と毛蟹

鮨瑞穂毛蟹とキンサガ(サンコウメヌケ)

八戸産のキンサガ(サンコウメヌケ)と毛蟹。

こういった地物との出会いが嬉しい!

ご当地江戸前鮨の魅力だ。

キンサガは抜群に脂が乗っている。

それ故にそのまま(何も付けずに)頂くよりも、山葵と醤油で頂いた方が香りも脂も映える。

何でもかんでも生や塩で食べれば良いものではない。

山葵は紛れも無い本山葵で、強い辛味に加えて甘みと香りもある。

毛蟹も臭みが無く、美味しい。

 

唐墨

鮨瑞穂カラスミ

しっとりしていて、粒がさらりとほどける。

血抜きが丁寧に施されていて、美味しい唐墨だ。

 

サクラマスの西京焼き

鮨瑞穂サクラマスの西京焼き

サクラマスは年明けが旬の走りとの事。

食感はみっちりで、しっかりと味噌で脱水されている西京焼き。

焼き加減も強めで、甘みと塩気が浸透している。

サクラマスを活かすならば、味付けがもう少し軽い方が良いと感じる。

 

生牡蠣

鮨瑞穂生牡蠣

イワガキのように巨大なマガキだ。

産地は岩手との事だったので、広田湾のようだ。

濃密な甘みと鮮烈な磯の香りがあり、味わいもイワガキのように力強い。

 

鮟肝

鮨瑞穂鮟肝

かなり柔らかくて、クリーミーな鮟肝。

これは味付けが穏やかで、とろりと旨い。

味付けによる甘みではなく脂をストレートに楽しませる仕事。

 

メヒカリの天麩羅

鮨瑞穂メヒカリの天麩羅

カリッと弾けて、身はホロッホロ!

繊維がしっとりとほどけながら脂を楽しませてくれる。

塩も良質なものを使用していると感じ、銘柄を伺ったところ「のだ塩」であった。

自宅にある(笑)

 

蒸し鮑

鮨瑞穂蒸し鮑

温度が良く、香りが立つ。

柔らかさと舌に絡みつくゼラチン質が堪能でき、これはまさしく江戸前の仕事。

 

この後、握りに移行します。

 

ガリ

鮨瑞穂ガリ

辛みと酸味の後に甘みが広がるガリ。

甘みは強めだが、辛味もしっかりあるガリは八戸でアグレッシヴなのではないか。

良い試み。

 

槍烏賊と海胆

鮨瑞穂槍烏賊と海胆

槍烏賊は包丁が少なく、力強い食感。

味わいが海胆とともに濃密になる仕様。

 

鮪赤身

鮨瑞穂鮪赤身

漬け。

シャリとの相性が良く、鮪の香りと旨味に合う。

 

鮪トロ

鮨瑞穂鮪トロ

強い脂で濃密な味わいであるばかりか、香りも良い。

産地を利いてビックリ、八戸産であった!

しかも、むつの業者と相対取引を行っているそうなので、豊洲に流れない鮪である。

 

針魚

鮨瑞穂針魚

昆布〆。

昆布の旨味が非常に強く、身はぷりっと引き締まっている。

 

赤貝

鮨瑞穂赤貝

旨味が強く、噛みしめていると昆布香が高まる。

初手の香りこそ穏やかだが、旨味が強いため産地を伺ったところ、宮城産との事。

恐らく閖上産だと思われ、随分と控えめな言い方で謙虚。

 

鮨瑞穂鯖

これは旨い!

脂が乗っている鯖をみしっと〆ているので、甘みを付けた白板昆布が合う。

ただ、残念なことに鯖の漁獲量は年々下がっていて、今年はなんと前年比50%とのことだ…

 

小鰭

鮨瑞穂小鰭

塩気をしっかりと浸透させつつ、身はしっとりに仕上げている。

小鰭の香りは穏やか。

 

海胆軍艦

鮨瑞穂海胆軍艦

これは、強烈な苦味に驚いた。

海胆で苦味を感じる事は珍しいので、海胆業者の何らかのミスだろうか?

1貫目では甘みのみであったので不思議に感じた。

 

春子

鮨瑞穂春子

軽い昆布〆。

春子の繊細さを活かす〆加減で、ぷりっとした身から昆布の香りが程良く香る。

針魚の〆加減が非常に強かったので、今回の〆加減は春子に合っていた。

 

玉子焼き

鮨瑞穂玉子焼き

卵の甘みと香りがある玉子焼きで素朴に美味しい。

 

鮨瑞穂椀

スッキリとした味わいで、洗練を感じる椀なのが良い。

味付けも具も潔い点が素晴らしい。

「鮨 瑞穂」のお店情報と予約方法

「鮨 瑞穂」さんの予約については、お電話のみとなります。

 

鮨 瑞穂(食べログのリンク)

店名:鮨 瑞穂(すし みずほ)

シャリの特徴:赤酢の旨味を効果的に用い、酸味と塩気は穏やかなシャリ。

予算の目安:おまかせ8,000円、12,000円の2つ

TEL:0178-51-6244

住所:青森県八戸市大字岩泉町5-1

最寄駅:本八戸駅から1,200m

営業時間:17:00~23:00(L.O.22:30)

定休日:日曜

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ご当地江戸前鮨の隆盛を心から願う、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)でした。

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