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九和楽
大河ドラマ「真田丸」で脚光を集める街、九度山(くどやま)。
こちらは真田幸村が関ヶ原で敗けた後、父・真田昌幸とともに蟄居を命じられた土地です。
当時真田親子が住んでいた九度山屋敷は現在「真田庵」こと善名称院となっており、歴史ファンたちが足を運んでおります。
また、こちらの街の名前の由来は弘法大師空海にあります。
空海の母が現在の九度山にある慈尊院(通称・女人高野)に住んでいたため、「月に九度」高野山を降りて訪ねていた事に由来するそうです。
歴史の街である九度山は、同時に柿の名産地で「柿の里」としても知られております。
その柿の名前は「富有柿」と言い、紀州随一の柿と認められております。
そのような柿の里において、名産の副産物である柿の葉を用いて、手作りの柿の葉寿司を作られているのが、ここ九和楽さん。
店名は九度山と「喰うは楽しい」と言うスローガンを掛けて付けられたそうです。
歴史ある「柿の里」で、保存料無添加、完全手作りで作られている柿の葉寿司があると聞いては、寿司好きとしては行かねばならぬ…
妙な使命感が発揮され、高野山に向かう前に立ち寄りました。
去年、同じ時期に奈良県で食べ比べをした時の記憶が蘇ります(笑)
すしログ No. 86【柿の葉寿司の食べ比べ】奈良でおすすめの柿の葉寿司は?
尚、こちらは鯖の寿司以外に鮭と椎茸(珍しい!)も作られているのですが、これらは前日までの要予約となるのでご注意ください。
また、午後は電話が通じにくいように感じたので、午前中の電話の方がベターかもしれません。
九和楽さん店舗
さて、お店に到着すると、店先に紛れも無い鮭の切り身が干されていて驚きました。
帰宅して調べてみたところ、定置網で捕らえた北海道産の鮭との事でした。
この光景を見た瞬間に、美味しい事を確信しました。
鮭では無くサーモン、国産の鯖では無く外国産の鯖を使うお店は数限りないので…
しかも、お店の奥では4名ほどの女性がせっせと柿の葉寿司を作られておりました。
全てにおいて安心と期待を抱かせてくれるお店です。
九和楽さんの柿の葉寿司
予約していたものは【柿の葉寿司詰め合わせ 12個入り】。
中には鯖6個、鮭3個、椎茸3個が入っております。
大切に持ち帰って頂きましたが、正直なところ、もっと多く買えば良かった!と感じました(笑)
開けた時も嬉しいのが柿の葉寿司。
箱にみっちり詰まっており、何が入っているのかワクワクしますね。
ちなみに、6月〜10月までは生の葉っぱを使用されており、それ以外の季節は塩漬けの葉っぱを使用されております。
鯖
しっかり脂が乗っており、頬がほころびます。
しかし、適度に〆られており、下世話にならず心地良く頂ける。
鯖の香りもバッチリ!
最初の一貫でこれは素晴らしい柿の葉寿司だと確信し、他のタネを頂いた後、更には翌日であってもその印象は揺るぎませんでした。
鮭
一般的な鮭の柿の葉寿司よりもやや厚切りですが、噛み締めると極めてし~っとりした食感。
旨味と香りもたっぷりある。
鮭の柿の葉寿司では、僕が頂いた奈良県のあらゆるお店を凌ぎます。
前述の通り軽く干した後に酢をくぐらせているのでしょうか。
酢飯との一体感も感じさせます。
椎茸
正直なところ、舐めておりましたが、これは美味しい(笑)
椎茸に仕事があります。
流石、要予約品。
椎茸が持つ旨味や味付けもさる事ながら、ぐんにゃりと柔らかい食感が酢飯に実に合い、未だ知らなかった柿の葉寿司の魅力を感じさせてくれました。
かすかな苦みが実に良いです。
大人の味わいです。
そして、頂いた後にお店のサイトを見たところ、下記のような恐るべき説明が…
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昭和30年頃までは松茸が主流でした。
松茸が安かったせいもあり、量が多くあまり喜ばれず、
最後には松茸ばかりが残っておりました。
お金持ちの家では、椎茸を使っておりました。
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嬉しさひとしおです(笑)
県外から訪問される際には、是非とも事前予約をオススメします!
いやはや、個人的には、吉野のひょうたろうに勝るとも劣らない秀逸な柿の葉寿司だと感じました!
以前、奈良県の柿の葉寿司複数軒を巡った際に使った「指標」も下記に明記します。
創業:???
お値段(鯖):1,000円(9個) @111円 ※今まで頂いた柿の葉寿司で最安値です
酢飯:酢、甘みともに穏やかで、タネを活かす調味
鯖:〆過ぎず鯖の持ち味を活かす仕事
総評:文句無しにオススメ出来ます
ちなみに、ネット販売もされておりますので、ご関心のある方は是非!
店名:九和楽(くわらく)
予算の目安:1,000円〜
最寄駅:九度山駅から380m
TEL:0736-54-2600
住所:和歌山県伊都郡九度山町九度山1353
営業時間:8:00~ ※売切れ次第終了
定休日:不定休