すしログ:老若男女だれもが笑顔になるはずの鮨!新富町「鮨はしもと」

鮨はしもと外観

こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

今や言わずと知れた人気店「鮨はしもと」さん。

2014年12月に「橘町 都寿司(現・日本橋蛎殻町 すぎた」さんから独立されて、すぐさまスターダムの仲間入りをされました。

 

ただ、僕はオープン直後に訪問したものの、シャリと仕事の一体感が低いと感じました。

オープン直後は設備の問題もあるため、礼儀の為に半年後に再訪しようとしたところ、時すでに遅し。

予約権を持つ人たちで席が埋まっていて、諦めざるを得ませんでした。

その後、お店は2019年8月に移転されて順風満帆。

もう再訪は厳しいか?と感じていたところ、今回、常連であるブログの読者さんにお誘い頂き、念願の再訪を果たせました。

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新富町「鮨 はしもと」の魅力とは?

親方である橋本裕幸さんは、「蛎殻町 都寿司」と「橘町 都寿司(現・日本橋蛎殻町すぎた」さんで12年も修業された叩き上げです。

独立された時の歳は31歳ですが、修行歴は長い職人さんです。

 

「鮨 はしもと」さんの魅力は、語弊を恐れずに言うと、「誰もが安心して楽しめる美味しさ」だと感じます。

このように書くと凡庸に思われるかもしれませんが、決してそうではなく、むしろ精度の高さを表します。

自身はオープン直後に伺ったので尚更実感するところ。

 

修行先の仕事を踏襲し、系譜らしい魅力と、ご自身の味を表現する方向性は、正に名職人の後継者だと感じます。

これは結構難しい事で、有名店を出ても微妙なお店がある事実が証明しています(※お店の人気とは別の話)。

 

「誰もが安心して楽しめる美味しさ」が結晶化しているのが、シャリ。

橋本親方のシャリは完成度が高く、オープン時から格段に美味しくなっていることに驚きました。

酸味は強すぎず、米粒を噛み締めると酸味が広がり、タネと調和する塩梅。

 

主張しすぎず調和するのは塩気も然り。

尖ったところが無く、酸味と穏やかにバランスを取り、随所でタネの味を補足する塩味です。

 

しかも、系譜らしく「大ぶりの握り」で安定感や調和を表現しているところは素晴らしい。

おまかせの握りの数は13貫ですが、頂いた後の満足感は系譜ならではです。

干瓢巻きを追加できませんでした(笑)

 

タイトル通り、間違い無く、誰もが笑顔になるような握りだと感じます。

 

また、酒肴に関しても独自の思想が窺い知れます。

杉田親方から学ばれた仕事と、独自の仕事を併用し、しかも杉田親方と全く同じことをしていない点が素晴らしい。

系譜以外の若手職人さんの方が杉田親方の仕事を模倣している程。

上記の通り握り主体のお店なので、鮨を大切にしている気持ちが分かります。

鮨店の酒肴は、親方の鮨への考え方を表す鏡だと再認識しました。

 

「鮨 はしもと」のおまかせコースの詳細

「鮨 はしもと」さんのおまかせの詳細をご紹介します。

2022年8月に訪問した際の記事

おまかせは28,600円で、先付、酒肴10品、握り13貫、玉子、椀。

酒肴は一見すると品数が多いように見えますが、サイズは小ぶりなので、あくまでも握り主体のお店です。

 

この度頂いたお酒

無窮天穏

  • ビール黒ラベル
  • 森嶋 雄町 純米大吟醸
  • 無窮天穏 純米吟醸
  • 播州一献 純米吟醸 超辛 播州山田錦
  • 仙禽 水とエチカ きもと純米吟醸原酒 生
  • 廣戸川 特別純米

日本酒は半合ずつ5種類頂きました。

なかなか個性的な日本酒を揃えていて、ご提案も魅力的でした。

【森嶋 雄町 純米大吟醸】は901号酵母を使用しているためリンゴ様の香りが強く、御料理と合わせるには少しハードルが高いと感じましたが、その後は伝えていないのに御料理に調整頂き、ご主人もお酒が好きなことが分かりました。

 

先付

枝豆

枝豆。

 

真子鰈

真子鰈

香りが良い真子鰈。

旨味も奥歯まで広がり爽快感を感じさせる。

訪問時は8月上旬で、真夏であった。

真夏に頂く真子鰈は何とも心地良い。

 

ツブ貝

ツブ貝

甘味が強いツブ貝。

モノの良さを実感する。

 

トウモロコシの茶碗蒸し

トウモロコシの茶碗蒸し

出汁の香りがふわっと広がる。

そして、海胆、海苔の香りが広がった後に、トウモロコシの香りが広がる。

初手からトウモロコシでないところが上品だ。

頂いてみると、トウモロコシの甘味と香りがふくよかに広がる。

海胆の香りも嫌味なく調和する。

 

蒸し鮑

蒸し鮑

むっちりとした歯ごたえを楽しませる(柔らかくし過ぎない)仕事。

ゼラチン質が多く、早々にねっちりと舌に絡む。

低温での提供は爽やかな印象を与えてくれる。

蒸し鮑02

肝ソースには乳製品や脂などを添加しない硬派な仕事。

定番の酢飯混ぜご飯は、ねっちりしたイカ(アオリ?シロ?)を加えて、甘味調味料的に用いるところが良い。

 

鰯の海苔巻き

鰯の海苔巻き

しっかりと〆て食感をみしっと凝縮させ、お酢の酸味も強めに浸透させている。

大葉の香りに沢庵の食感と甘味が特徴的。

スッキリ味の中に好感を持てるジャンキーさがあるのは沢庵のお陰だろう。

 

酒肴3種盛り

酒肴3種盛り

鮎ペースト、白海老、唐墨、新烏賊のゲソ

修行先と酒肴を変えているのが魅力的。

鮨店でも酒肴の盛り合わせを提供するのは時代の要請なのだろう(個人的には不要と考える)。

 

海鰻の焼きもの

海鰻の焼きもの

熱源は炭火のようで、皮がパリッと弾け、脂がたっぷりと滲む。

香りも良い鰻だ。

400gから500gのものを使用されている。

仕入先は恐らく福岡の福栄水産だろう。

添えられている塩もみした酢橘が素敵な相性。

 

ガリ

ガリ

甘味に加えて旨味が強いガリ。

 

新子

新子

流派を感じさせる名刺代わりの一貫目。

淡いながらも小鰭らしい旨味をほんのりと楽しめる。

産地は天草。

 

小鰭

小鰭

この流れは杉田親方通りで素晴らしい!

新子には無い喉に広がりゆく旨味と脂を楽しませてくれる。

みちっと〆た身から滲む脂とオボロとの一体感を味わうと小鰭の旨さひとしお。

産地は佐賀。

 

鯛

むっちりと力強い弾力のみならず、香りが強く、脂が濃厚な真鯛。

皮下脂肪と身で。脂が2段階に分かれて舌に広がるほど。

脂が非常に乗った鯛であっても、味わい深いのは香りのお陰だ。

 

鮪大トロ

鮪大トロ

少し季節外れの大間産で、魚体は60キロの釣りもの。

仕入れてから5日目。

予想よりも脂が乗っているものの、夏らしい香りを大トロでも楽しませてくれる。

 

新烏賊

新烏賊

絶妙なバランスの食感で、これはあらゆる烏賊には無い、独特の魅力だと痛感する。

墨烏賊自体が他の烏賊には無い食感であるが、さらに新烏賊には墨烏賊らしくも柔らかい低反発がある。

吟味するに値する鮨種であろう。

 

縞鰺

縞鰺

高知県産。

非常に強い脂で、濃厚な香りがグイグイと高まる。

そして、頂いた後も旨味が喉に残るほど濃密。

存在感が強い一貫であった。

 

初いくら軍艦

初いくら軍艦

小粒ながら弾ける速度が速い。

卵の香りと風味が広がり、淡くとも魅力的だ。

 

鯵

脂が強く、ねっちりと滑らかな食感。

浜田産と踏んだところ正解であった。

 

鮪大トロ

鮪大トロ

塩竃産の120キロ、巻き網。

超濃密な脂で、香りはストレートに届く。

グラマラスに高まるフェロモン的な香りだ。

これは血の香りというよりは黒鮪の香りで、これぞ鮨の鮪の香り。

 

サゴシ

サゴシ

小型の鰆で、産地は淡路。

魚体で呼び方を分けているところが杉田親方と同様で、頬がほころぶ。

みっちりとした食感から、身の旨味と脂をが広がる。

そして、香りも楽しませてくれるのが嬉しい。

1キロアップの大型で、脱水が奏功している。

藁炙りの香り付けは上品。

 

車海老

車海老

みっちり、むっちりと魅力的な食感で、余熱で火を通しているような印象。

海老味噌の旨味を強烈に感じる。

 

海胆

海胆

岩手県産、小西商店の海胆。

紫ながら下手なバフンを超える濃密な甘味と馥郁たる香り。

どことなく牧草的な香りもあり、印象深い。

 

穴子

穴子

身はホロッホロで、しっとりほどける。

産地は味わい的に対馬か韓国産。

 

玉子

玉子

みっちりと詰まっているように見えるが、しっとり、きめ細かいテクスチャー。

 

椀

蜆出汁でシンプルに。

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2015年1月に訪問した際の記事

2015年1月に訪問した際の記事、こちらです。

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うるいのお浸し

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のれそれ

穴子の稚魚、のれそれ。

味付けは黄身醤油かな。

食感がかなり良く、味のバランスも好み。

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初鰹

銚子産。

酸味が強いので、生姜醤油との相性バッチリ。

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蛍烏賊の味噌漬け

富山産。

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このわた茶碗蒸し

このわたの風味が活きており、美味しい

これはセンスを感じる良い酒肴です。

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鮟肝

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太刀魚の焼き物

酒肴の後半は日本酒と合わせることを前提にした、濃いめの味付けという印象です。

ホタルイカ、鮟肝はもっと淡い味付けで良いかと感じる。

太刀魚も、火入れは良いのですが、塩が強すぎます。

 

この後、握りに移行します。

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こちらのシャリは硬めで酢強め、塩気やや強め。

温度もほど良く、中々の仕上がりです。

酢は赤酢と米酢をブレンドしているそうで、赤酢の香りが先行します。

かなり特徴的なシャリで好みに近いものの、タネによっては合わないものも散見されました。

どちらかと言うと、シャリに対して仕事を調整することが今後の課題のように思います。

なお、ガリは甘めで塩気が低く、食感も柔らか。

逆にこちらは、もう少しシャープにした方が、こちらのお店のテイストに合っているような…

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小鰭

一貫目が小鰭とは杉田さんの系譜らしい。

柔らかな〆加減でジューシィな仕上げですが、旨味が弱い点がネック。

タネの質によって〆加減を微調整すれば良いように感じます。

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これはシャリと仕事のバランスが良く、光るものを感じました。

塩を振り三日熟成したものとのこと。

シャリの酢が一瞬勝つが、旨味が追い抜き、甘い余韻を残す。

食感は熟成によりプリプリ感を失っているが、シャリとの一体感は良かった。

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春子

ほど良い〆加減だが、酢橘は不要。

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鮪赤身

勝浦。

大振りな切り付けにより、酸味とコクを感じさせるよう工夫。

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鮪中トロ

一週間熟成。

シャリと中々良い塩梅に調和しているが、切り付けが大きすぎる。

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硬めの火入れですが、食感は良く、次第に強くなる旨味が心地良い。

柚子の香りを内側に軽く付け、中々の心配り。

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金目鯛

出汁か煮切った酒に漬けた後、ハンディバーナーで炙り、山葵と共に芥子を使用するという独特の仕事。

タネの温度がシャリに比してやや高い印象。

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車海老

湯で上げで火入れも良いが、シャリの酢が勝つ。

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藁で炙った鰆に芥子を合わせる。

鰆自体は上手く〆ているが、如何せん藁の燻香が強すぎる。

芥子をあしらっているが、柑橘類の方が仕事に合う。

海胆 前掲

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穴子

香りを中々上手く立たせているが、煮ツメは爽やか。

穴子の時期を考慮すると、奥行きのある煮ツメを期待したい。

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玉子

非常に美味しい。

少し強めの火入れだが、それが個性になっている。

食感はしっとりとしており、甘みはほんわか漂う塩梅。

芝海老の香りも強すぎず、バランスが良い。

 

全体的にまだまだ発展途上にある印象です。

満腹にはなるけれど、ご主人の個性を鮨で表現し切れていない段階。

お酒込みで15,000円を超えてくることを考えると、改良に改良を重ねて欲しいと感じます。

新富町から近く、風情の漂う一角にあり、お店の雰囲気も良いので、若さと意欲をバネに飛躍すれば面白いお店になるかと思います。

お客の方も「橘都寿司出身」という意識を持たず、ご主人の仕事を楽しむという心意気でお伺いすれば、さらなる進化に繋がるのではないかと感じました。

 

「鮨 はしもと」のお店情報と予約方法

「鮨 はしもと」さんの予約難易度は極めて高いですが、OMAKASE経由で獲取れます。

友人は空席待ちで訪問していたので、アラート設定しておくと良いでしょう。

 

鮨 はしもと(食べログのリンク)

店名:鮨 はしもと

シャリの特長:赤酢と米酢をまろやかにブレンド。硬さや温度は安定している。

予算の目安:14,000円〜18,000円→おまかせ28,600円

TEL: 03-5541-5578

住所: 東京都中央区新富1-15-11→東京都中央区新富1-8-2

最寄り駅:新富町駅から300m

営業時間:月曜~土曜①17:30~、②20:30~、日曜・祝日①17:00~、②20:00~

定休日:火曜、水曜

 

鮨がもたらす出会いに感謝する、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)でした。

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※本記事はNo. 28に最新情報を大幅加筆した記事となります

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