夏にお伺いした湖里庵さん。
この度、冬限定の名物鍋料理を求めて、再訪しました。
こちらの鍋は超個性派。
流石、鮒鮓を得意とする専門店だけあり、なんと!鮒鮓を出汁に使った鍋を頂けるとの事。
何て変態的な(笑)
しかも、鍋の名前は貫禄溢れる【醍醐鍋(だいごなべ)】。
「醍醐」とは、日本古来より伝わる乳製品であり、最高に美味しいとされたため「醍醐味」の由来となりました。
同じく乳酸発酵食品である鮒鮓を用いた最高峰の料理…
と言う高い志と自負心をもって、【醍醐鍋】と命名されたそうです。
頂いた結論から先に申し上げると、ひとえに珠玉の鍋であり、唯一無二。
鮒鮓に抵抗が無い方であれば、感動する事は間違いありません。
鮒鮓を一匹まるまる使っていると言うツユは、香りはナレズシそのもの。
しかし、味わい的には鰹などの旨味と風味が緩衝材となり、鮒鮓の酸味が爽やかで良い塩梅。
具は地鶏と野菜で、品数が豊富ではないのに全く飽きません。
食の連続性は、ただただ鮒鮓の旨味によって生み出されております。
香煎
鯉の洗い
鮒鮓のとも和え
この後、すぐに鍋に移行します!
鶏は地鶏との事。銘柄は伺わなかったが、近江軍鶏か?
胸肉は歯応えがしっかりしており、酸味に加えて旨味が強い。
もも肉もまた歯応えを十分楽しめ、旨味が強く、皮が旨い。
食感も良好で、ぷるんぷるんと反発した後、パツッと切れる。
旨い鶏は皮で判る。
出汁に鮒鮓を用いていると言っても、鍋のツユは澄んでいる。
冒頭の通りバランスが秀逸であり、鮒鮓由来のまろやかな酸味と強い旨味が具に精彩を加える。
塩気は穏やかで、次第に具材の旨味が付加され、更に旨味が濃密な鍋となる。
野菜で特に印象深かったのは、葱。
とにかく甘い!
冬の滋賀の葱は本当に格別です。
しかも、こちらの場合、葱の甘みにスープの酸味が加わり贅沢な味わいに。
大根も風味豊かで甘かった。
香の物
雑炊
これはもう濃密な鮒鮓!
鮒鮓を凝縮したかのような雑炊で、通常の【鮒鮓茶漬】よりも遥かにパンチがある。
様々な旨味が混然一体となり、最早、完成度の高い「料理」であると感じさせる雑炊だった。
水菓子
お近くの吉田酒造さんの「竹生嶋」の酒粕を用いたアイスクリーム。
酒粕が濃密で美味!
日本で世界に誇る名店の一つだと再認識しました。
店名:湖里庵(こりあん)
食べるべき逸品:名店の絶品鮒鮓を駆使した唯一無二の鮒鮓懐石。
予算の目安:醍醐鍋10,000円、鮒寿し懐石8,000円~、近江懐石5,000円~、宿泊30,000円~
最寄駅:マキノ駅から1,500m
TEL:0740-28-1010
住所:滋賀県高島市マキノ町海津2307
営業時間:11:30~13:00、17:00~18:30
定休日:火曜
※完全予約制となります