すしログ:【神楽坂・焼鳥茜】確かな腕で個性的な焼き鳥を生み出す名職人!

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(日本料理編No. 192を再構築しました)

こんにちは、焼鳥も大好きな鮨ブロガーのすしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

ハイレヴェルな焼鳥店の「店舗数」で言うと、大阪よりも東京の方が多いのではないでしょうか。これは大阪の焼鳥職人さんご自身の口から度々聞くところです。

しかし、大阪は東京に比べて焼鳥を日本料理の枠組みで捉え直し、新たな料理として再構築するお店=創造性に富んだお店が多いと感じます。ベテランのお店だと「かしわや闘鶏」さんが鮮烈な印象を与えてくれますし、若いお店だと「市松」さんなどが頭に浮かびます。

それらは押しなべて大阪らしく「おもろいお店」であり「変態的なお店」。創作的な焼鳥店の勢いには、目を瞠るものがあります。大阪でそのようなお店を訪問する度、東京にも変態的な焼鳥店があればなあと感じ、常々探していました。

そこで出会ったのが、こちらの茜(あかね)さん。

親方は自らを「ひねくれもの」と仰り、ひねくれっぷりは紛れもなく御料理に表れています。…もちろん、素晴らしい形をもって!

初めてお伺いしたのは2019年12月で、今回再訪問を果たしましたので、記事にまとめます。

焼鳥茜の親方・林裕太さんについて

親方・林裕太さんは湯島の名店・鳥恵で修業された経歴を持つそうです。

つまり、系譜で言うと蒼天の流れを汲むお店です。

蒼天・鳥恵系のお店は複数店訪問した事がありますが、僕は焼鳥茜さんの焼鳥を食べて驚嘆を覚えました。

2016年7月のオープンから数年たらずで既に個性を確立されていて、一串の中にご自身の世界観を表現されていますので!

 

焼鳥は通常(おおまかに言って)、串打ち、火入れ、味付けで構成され、あくまでもその中で技を表現するところが面白く、鮨と同じく職人芸たる所以でしょう。

ただ、更に異なる調理法を加える事で、新たな焼鳥の可能性が広がるのは間違い無いと確信するところ。

 

例えば、親方・林裕太さんが作る【ねぎま】。

通常はもも肉で作るところ、胸肉を用い、皮を合わせて焼き、胸肉に合った葱を選択する。

食材の組み合わせのセンスと火入れの妙が合わさり、新たな【ねぎま】を生み出すのに成功しています。

決して奇抜な事をせず、王道の串を非凡な料理に仕上げるセンスに感服しました!

頂いていて、次の串もしくは一皿に胸が躍る、大変魅力的なコースなのです。

 

焼鳥茜の立地と雰囲気

お店は神楽坂と江戸川橋の間あたりにあり、大変落ち着いています。

店内には厚い木のカウンターが鎮座し、梁は網代と、さながら日本料理店の雰囲気です。

背面は横長のガラス窓で、解放感とスタイリッシュさを感じます。

それでいて親方と女将さんとの距離が近いので、親しみやすさがあり、クールな雰囲気ながらに緊張感は感じないので、お若い方でも大丈夫です。

カウンター割烹や鮨を意識したような距離感を演出されています。

ちなみに、排煙装置の性能も高く、煙と煙臭さは皆無です。

 

なお、店名「茜」にちなんだ調味料やお酒は随所に散見されます。

例えば使用する鶏はつくば「茜鶏」で、塩はアンデスの天然紅塩「茜塩」。

訪問の際には茜アイテムとの出会いと由来を聞かれるのも楽しみにされてください(笑)

 

焼鳥茜の焼鳥おまかせコースについて

ネット上の個人ブログでは4,950円と言う情報も散見されますが、食べログ上だと【茜コース(14品)】6,600円となっています。

自身のお会計からも、後者が正しいかと思います。

予算については、焼鳥を数本と親子丼を追加して、お酒を飲んで大体12,500円~13,500円くらいになります。

「焼鳥」よりも「カウンター割烹」や「鮨」のイメージで訪問されるのが良いでしょう。

 

【茜コース】は先付、酒肴の盛り合わせ、御料理数品、あとは串で構成されます。

割烹的なスタイルを取っていますが、串中心なので硬派な焼鳥店だと感じます。

鮨店で握りを食べたいのと同様に、焼鳥店では串を食べたいですよね。

おまかせコースが終了後、他に何か伺って、気になるものがあれば追加します。

結構マニアックな部位があり、それを更にマニアックな調理で仕上げられるので、お腹と懐に余裕があれば2品くらい追加するのがオススメです。

 

そして、〆の親子丼も強くオススメ。

鶏の旨味が濃厚に出ています。

卵で閉じるのではなく、鶏と卵を別々に仕上げて合わせるスタイルの親子丼ですが、専門店を超える味わいです。

再訪時のメニュー構成(頂いたお料理の詳細)

  • 先付:高原比内地鶏金柑の燻製
  • 酒肴盛り合わせ:柿と無花果・クルミの白和え、芥子レンコン
  • 銀皮の柔らか煮
  • 胸肉のタタキ
  • 茜鶏胸肉のねぎま
  • 比内地鶏のソリ
  • もへじ蕪
  • 自家製薩摩揚げ
  • 手羽先
  • 比内地鶏の砂肝
  • 銀杏
  • 比内地鶏のハラミ
  • 切り株えのき
  • ハツ
  • 高原比内地鶏の手羽先、南蛮漬け風
  • 高原比内地鶏のつくね、初卵
  • 振り袖
  • 茜鶏もも肉のはがし
  • 心残り

先付:高原比内地鶏金柑の燻製

先付:高原比内地鶏金柑の燻製

前回も感心した先付だが、魅力を再認識。
海苔の佃煮との合わせ方が良い。

酒肴盛り合わせ

酒肴盛り合わせ:柿と無花果・クルミの白和え、芥子レンコン

一つ一つセンスがあり、上品にまとめている点が魅力的だ。
ケバケバしい食材や味付けにしないところが嬉しい。

銀皮の柔らか煮

銀皮の柔らか煮

見た目こそ地味だが、意外性のある美味しい一皿。

胸肉のタタキ

胸肉のタタキ

柚子胡椒ならぬ、梅胡椒とミカン胡椒とともに。
旨味がしっかりある胸肉に炭の香ばしさが付加され、ただただ美味。
旨味の余韻に胸肉特有の酸味が混ざり、旨くも爽快。
自家製の調味料も完成度が高く魅力的。

茜鶏胸肉のねぎま

茜鶏胸肉のねぎま

焼きの技術に酔いしれていると、大葉が爽やかに引き締める。

比内地鶏のソリ

比内地鶏のソリ

単純に、異常に美味い!と感じた。
脂のパンチに加えて皮の旨味を堪能させてくれる。
ソリレスを出す焼き鳥店は今や多いが、トップクラスの美味しさと確信する。

もへじ蕪

もへじ蕪

初めてお伺いする蕪。
香りに野趣がある、甘みもたっぷり。

自家製薩摩揚げ

自家製薩摩揚げ

前回同様に大変美味しい!

手羽先

手羽先

青柚子が良い香り。

比内地鶏の砂肝

比内地鶏の砂肝

非常に瑞々しい砂肝で、旨い。

銀杏

銀杏

ホロ苦さと甘み、香りが絶妙。

比内地鶏のハラミ

比内地鶏のハラミ

芽ネギとともに。脂がジュワッと溶けた後、繊維の食感を楽しませてくれる二重食感。

切り株えのき

切り株えのき

初訪問時も感動したタネで、香りが最高!食感は快感!

ハツ

ハツ

粒生胡椒(こしょう本舗のもの)と共に。
茜さんはタレ味も魅力的。

高原比内地鶏の手羽先

高原比内地鶏の手羽先

口直しであり、食欲を改めて刺激される小鉢。

南蛮漬け風の味付けが良い。

高原比内地鶏のつくね、初卵

高原比内地鶏のつくね、初卵

香ばしいつくねと濃密な味わいの卵は誰しもが笑顔になるはず。

 

この後、その日のレア部位を伺って3本おまかせで追加しました。

振り袖

振り袖

ぶちっと千切れ、脂が溢れ、ホロリとほどける…しかし。決して淡白でない。
筋肉と脂のバランスが絶妙な振り袖。

茜鶏もも肉のはがし

茜鶏もも肉のはがし

こりゃあ面白い食感と旨味、香りのバランス!
串打ちと火入れで串の表現力を高めていて、改めて凄いセンスだと実感させられた。

心残り

心残り

食感、旨味、香りが問答無用で押し寄せる!

親子丼

親子丼

鶏肉は卵と合わせる前に焼いているので、非常に香ばしい。
そして、旨味が強い。
ベースの鶏スープが奏功している。

初訪問時のメニュー構成(頂いたお料理の詳細)

2019年12月訪問

この度頂いたお酒

ハートランド、出羽鶴酒造・J-CRAFT茜かもしか純米吟醸無濾過生酒、いづみ橋・生もと黒蜻蛉2016BY、アンヌ・グロ・ブルゴーニュアリゴテ2018、宝酒造・石焼き芋焼酎・石茜

・先付:比内地鶏金柑の燻製
・酒肴盛り合わせ:深谷葱とミニトマトのぬた、赤軸ほうれん草の胡麻酢和え、比内地鶏砂肝の銀皮
・彩り野菜のサラダ
・茜鶏笹身のさび焼き
・茜鶏胸肉のねぎま
・甘恵黄味(あまえぎみ)トマト
・自家製薩摩揚げ
・高原比内地鶏のもも~すね
・愛知鴨の胸肉、九条葱
・切り株えのき
・高原比内地鶏のハツ
・高原比内地鶏の手羽先、南蛮漬け風
・高原比内地鶏のつくね、初卵
・一口ご飯
・皮(縁側) 追加
・せせり 追加
・親子丼、鶏スープ 追加

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高原比内地鶏金柑の燻製

山葵はバッチリ本山葵で静岡産、海苔の佃煮とともに。
濃厚な味わいと上品な薫香が堪らない。
今後の期待を否応無しに高めるズルい先付。

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深谷葱とミニトマトのぬた、赤軸ほうれん草の胡麻酢和え、比内地鶏砂肝の銀皮

どれも美味しく、ぬたと胡麻酢和えは酸味が利いている。
ぬたの深谷葱は炭火焼きにしている。
砂肝の銀皮は風味が良く、コリコリ、シャクシャク。

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彩り野菜のサラダ

自家製の柚子ドレッシングは柚子の風味も酸味も丁度良い。
コース内で野菜を摂れるのは素直に嬉しい。

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茜鶏笹身のさび焼き

火入れの腕前を体感させる一串目!
胸よりも酸味が穏やか。

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茜鶏胸肉のねぎま

これが冒頭に記載した逸品で、初回訪問時に親方の腕前を確信した!
胸肉を皮と合わせ、大葉を噛ませて焼き上げており、技あり!
胸肉らしいサッパリ感を楽しませつつ、皮で脂と風味が補強され、とは言え、繊維質のしっとり感と大葉が爽やかに纏める。
葱が細身で甘みが強く、香り高い点も良い。
全体のバランスを考える為に使用する葱の必然性まで考えられるかどうか、それが職人としての岐路だろう。

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甘恵黄味トマト

味わいが強く、それぞれ異なる点が面白いトマト。
火入れはバッチリで、トロトロと甘みが流れ出るかのよう。

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自家製薩摩揚げ

スノーボール(玉葱)と自家製紅生姜、鈴カボチャとクミン。
前者は玉葱の甘みと紅生姜のスッキリした味わいが相性抜群。
後者はクミンの香りに意外性があり面白い。
スパイスは脂溶性なので調理上の必然性もある。
何はともあれ、共にぷりぷりで甘みが強く、美味しい。

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高原比内地鶏のもも~すね

ももからすねに掛けて部位を分けて串打ちしている。
皮がバリッと弾け、炭の香りが広がり、軽い苦味を感じた後に、大変強い旨味が舌を喜ばせ、力強い食感で飲み込むのを躊躇わせる。
むっちりした繊維質と確かな旨味のある脂が魅力。
これまた面白い一串。

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愛知鴨の胸肉、九条葱

九条葱は先っぽの柔らかいところを使用しているそう。
付け合わせに和歌山の葡萄山椒を少々。
しっとりジューシィに仕上げており、香りは上品ながら鴨らしい香りを楽しませてくれる。
脂の融点は26℃程度との事だが、納得する。

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切り株えのき

一般的なものよりも甘みが強く、香りも然り。
力強い食感が気持ち良く、意外性のある野菜。
トマトに続き野菜の火入れも巧み。

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高原比内地鶏のハツ

旨味が強いハツで、穏やかな血の香りを楽しませる。
中に仕込まれた塩漬け黒胡椒が面白い。
乾燥モノでない黒胡椒は辛味と香りが違う。

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高原比内地鶏の手羽先

手羽先は炭焼きの後に身をほぐし、南蛮漬け風に酢を利かせて和えている。
サッパリとリセットしてくれる小鉢。

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高原比内地鶏のつくね、初卵

コースはここまでとなり、最後を締めくくる一品。
つくねは軟骨入りで食感が良く、初卵は非常に濃厚。

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一口ご飯を頂け、混ぜてミニTKGにすると嬉しさひとしお。

お米と卵の相性の良さを痛感させ、香ばしいタレと言う点も良い。
お米は硬めの炊き加減。

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せせり

ぷりんぷりんと気持ち良い食感で、脂の粒子は大変きめ細やか。
せせりとして、脂はヘヴィではなく、食感も豪胆過ぎない。

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皮(縁側)

訪問当日は首皮ではなく縁側と呼ばれる皮を使用され、一串あたり2.5羽分を使うとの事。
焼き加減はカリカリ過ぎず、くにゅっとしつつジューシィ。
皮は焼き込まない場合、生々しい食感や生臭みが残る可能性が高いので、敢えて穏やかな火入れで攻めるとは、チャレンジング。
脂は全くクドくない。

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骨抜き手羽

柚子を噛ませると言うか、打ち込んでいる点が個性的。
まずはバリッと皮が弾け、濃密な粒子の脂がじゅわっと溢れ出て、あくまでも上品に柚子の香りが引き締める。
実に良い仕事。

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親子丼

高原比内地鶏のガラと野菜を90℃程で12時間煮出した鶏出汁を使用。
よって、旨味が非常に強く、一体感も抜群な親子丼。
鶏はむっちりしており旨く、
皮がカリッと仕上げられているのは焼鳥店の親子丼の美点。
炭の香ばしさも加わっている。

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鶏スープ単体で頂くと、かなり濃密である事を実感。
しかし、白湯のようにドロドロしておらず、ゼラチン質に満ちていながらスッキリと上品。
最後まで本当に面白いコース内容でした。

 

お会計は「焼鳥店」としては安くはありませんが、技量が卓越しているので納得感があります。

「日本料理店」として見ると大変妥当な価格。

お酒部分のお値段さえコントロールすれば、様々な予算帯の方が利用できると思います。

ご主人の面白い試みを、末永く応援したいと感じます。

 

お店の情報と予約方法

予約については電話予約のみのようです。

大変人気なお店なので、日にちに余裕を持って予約するのが望ましいです(お店自体は完全予約制です)。

2回お伺いした印象では、営業時間外にお電話するのが良いと思います。

 

店名:焼鳥 茜(やきとり あかね)

予算の目安:おまかせのみで【茜コース(14品)】6,600円

最寄駅:神楽坂駅から500m、江戸川橋駅から600m

TEL:03-6228-1604

住所:東京都新宿区天神町68 滝沢ビル1F

営業時間:18:00〜21:00(最終入店)

定休日:日曜

※完全予約制となります

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