こんにちは、土地の風を感じる料理を愛する、すしログ(@sushilog01)です。
さて、村上春樹さんの初期の名作『羊をめぐる冒険』。
主人公の「僕」が物語のカギとなる「羊」を探して、北海道の緬羊牧場に行き、隠されていた衝撃の事実を知る話です。
物語が内包するテーマと深淵についてはグルメブログでは趣旨が異なるので割愛しますが、僕は今回広島で物語と同じ体験をしました。
今まで、「和牛発祥の地」は兵庫県、但馬かと思っていました。
しかし、それは間違いでした。
「和牛をめぐる冒険」は広島県が舞台です。
平安時代に牛馬市があった三原市の久井稲生神社で始まり、明治時代に国立種牛牧場があった庄原市七塚原牧場で終わります。
そして、「和牛をめぐる冒険」は、但馬純血主義においては黙殺されている物語です。
一般的に「和牛」と聞くと、「黒毛和牛」→「日本4大和牛」…というような連想をするのではないかと思います。
しかし、それだけだと和牛の本当の面白さを知ることはできません。
和牛を「日本4大和牛」と言う枠組み(ブランド信仰)で考える必要は、今の時代には無いのだろう、と今回の旅で実感しました
今回は僕が旅した広島県から、和牛にまつわる歴史をひもとき、和牛の魅力をお伝えしたいと思います。
実は、近現代の和牛の研究は広島県で始まり、それが兵庫県を始めとする日本全国の和牛や北海道の酪農の発展にも大きく影響を与えたことをご紹介します。
すしログ
例えば、牛肉好きならば誰もが知っている「和牛オリンピック」。
第1回目は岡山県で開催されたと言うのが定説になっていますが、本当は広島県で開催されました。
本記事を特にオススメな方
- 牛肉、和牛が好きな人
- サシ=脂至上主義ではない人
- 広島県が好きな人
- 広島県に旅行に行く人
タップできる目次
和牛とは?「和牛=国産牛」ではない
まずは、話を分かりやすくするため、和牛の概念や一般的に知られている情報を整理します。
和牛に詳しい方は読み飛ばしてください!
和牛は「日本で育てられた牛」と言うイメージがあるため、「和牛」と「国産牛」をイコールだと考えている人も多いかと思いますが、それらは異なります。
「国産牛」は日本で育てられていれば名乗ることが出来ます。
しかも、飼育期間のうち日本で飼育されている期間が最も長ければ、海外産の牛であっても「国産牛」と名乗れます。
さらに品種も問われないので、牛乳が出なくなった年老いたホルスタインも「国産牛」として流通します。
反面、「和牛」は厳密に定義されていて、4つの品種に限定されます。
つまり、黒毛和種、褐毛和種、無角和種、日本短角種です。
「黒毛和種」は誰でも聞いたことがありますよね。
焼肉店でも「黒毛和種(黒毛和牛)を使用!」と書いてありますので。
「褐毛和種」も「あか牛」として熊本県や高知県でおなじみです。
「日本短角種」は「短角牛」として岩手県や北海道、青森県、秋田県で人気が高まっている肉。
「無角和種」は山口県だけで飼われている希少品種です。
本記事の中で取り扱う品種は、最も人気が高く、全国で生産されている「黒毛和種」です。
黒毛和種は10ケタの「個体識別番号」と「血統書(登記書)」で厳密に生産が管理されています。
トレーサビリティ(追跡可能性)が確立されている、世界でも珍しい牛肉です。
そして、非常に面白いことに黒毛和種は血統書を見れば祖先をたどることが出来るのです。
次に、読者さんもきっと聞いたことがあると思う、「日本3大和牛」もしくは「日本4大和牛」についてお話します。
「日本4大和牛」が選ばれた理由
「日本3大和牛」や「日本4大和牛」と言う呼び名を聞いたことがある人は多いでしょう。
前者の銘柄は、神戸牛、松阪牛、近江牛。
そして、後者が、松阪牛、 神戸牛、近江牛、米沢牛です。
これらは誰もが知っているブランド牛ですが、実はいつから言われ始めたのか、なぜ言われ始めたのかは謎に包まれています。
恐らく、「早々にブランディングに成功した美味しい牛」が「〇大和牛」なのではないでしょうか?
それと言うのも、各ブランド牛ごとに定義が全く違うからです。
神戸牛
- 兵庫県生まれ&育ちの「但馬牛」を素牛とする
- メスの未経産牛もしくはオスの去勢牛
- 生後28ヶ月~60ヶ月
- BMS値6、等級A4以上
- 歩留が「A」「B」等級以上
- 枝肉重量がメス牛は230~470キロ、オスの去勢牛は260~470キロ
松阪牛
- 松阪牛生産区域(旧22市町村)での肥育期間が最長、最終であること
- 生後12ヶ月齢までに松阪牛生産区域に導入され、導入後の移動は生産区域内に限る
- メスの未経産牛
- 松阪牛個体識別管理システムに登録されていること
近江牛
- 協議会の構成団体の会員が生産したもの
- 滋賀県内で肥育された期間が最も長い
- メス牛またはオスの去勢牛
- A4、B4等級以上
- 滋賀食肉センターまたは東京都立芝浦と畜場でと畜
米沢牛
- 飼育者は、置賜3市5町に居住し米沢牛銘柄推進協議会が認定した者で、登録された牛舎での飼育期間が最も長いもの
- メスの未経産牛
- 生後月齢32ヶ月以上
- 3等級以上の外観並びに肉質及び脂質が優れている枝肉
- 米沢牛枝肉市場または東京食肉中央卸売市場に上場されたもの、米沢市食肉センターでと畜
この通り、全て同じ黒毛和種ですが、ブランド牛でも明確な定義が無いのが実態です。
4銘柄の中で神戸牛のみが血統を重視しています(松阪牛の一部は但馬血統であり、血統を重視している)。
しかし、実は、神戸牛以外にも血統を重視する県があり、それが広島県なのです。
和牛をめぐる冒険〜「和牛発祥の地」広島〜
それでは、広島における牛の歴史を紐解いていきたいと思います。
平安時代から日本三大牛市があった広島県
広島県における牛の歴史は非常に古く、平安時代には既に牛馬市が興ったそうです。
そして、江戸時代には「日本三大牛市」にまで育ち、多数の商人で賑わったと言われます。
市のあった町は、三原市久井町。
町名の「久井」の語源は、牛を繋ぐ「杭」です。
もちろん当時の牛は荷役用ですが、日本でも数少ない牛の生産地でした。
牛市は今で言うモーターショーとオークションを兼ねたような、一大イベントだったはずです。
明治時代の終わりには、なんと年間1万数1,000頭もの牛の取引があったそうです。
そして、三原市久井町には938年に創建された久井稲生神社があります。
伏見稲荷大社の日本最古の分霊なので、非常に由緒正しき神社です。
この久井稲生神社には牛の神様も祀られていて、牛との繋がりを強く意識させられます。
広島が誇る武将の毛利氏、小早川氏、吉川氏らも篤く信奉されたと伝えられています。
日本で「和牛」という言葉が使われ始めたのは、実は昭和に入ってからです。
食肉用としての和牛は近代に入り、「国立種牛牧場」で開発されていきます。
明治33年(1900年)に品種改良をすべく設立されたのが、広島県庄原市七塚町の「国立種牛牧場」です。
「国立種牛牧場」では、「和牛」ならぬ「改良和種」と言う名称で、黒毛和種の品種改良の研究がスタートしました。
そして、それが兵庫県を始めとする日本全国の和牛の発展に大きく影響を与えたのです。
さらには、黒毛和種だけでなく、前述の褐毛和種や無角和種も「国立種牛牧場」から誕生しました。
この事実は世の中ではほとんど知られていません。
その後、昭和19年(1944年)に「中国和牛協会」が設立され、ここで公に初めて「和牛」という単語が使用されました。
和牛の歴史のスタートです。
そして、昭和23年(1948年)には「中国和牛協会」から発展的に「全国和牛登録協会」が発足しました。
その際に、日本で黒毛和牛第1号として登録されたのが広島和牛です。
これは証明書と血統書で確認できる事実です。
しかし、一般には知られておらず、「日本4大和牛」の方が和牛としての知名度が高い状況です。
なぜ??
…その理由の一つは、広島県人がドメスティックな性格で、ブランディングが弱かったためだと思います。
広島県人は、「平和・牡蠣・お好み焼き」を除いて、県外へのアピールが歴史的に弱いように感じます。
…それ故に、芸人の有吉弘行さんを起用して「おしい!広島県」プロモーションを行ったのではないでしょうか?
もう一つの理由は、史料の数々が「国立種牛牧場」跡地の倉庫に眠っていたためです。
これらが発見されて初めて分かった事実が多数あります。
完全に歴史学であり、浪漫があふれますね。
冒頭にさらりと書いた通り、「和牛オリンピック」が最初に開催された土地は、実は広島です。
そして、第1回「和牛オリンピック」で優勝(名誉賞を受賞)した牛こそが、先の「黒毛和牛第1号」として登録された広島和牛なのです(2大会連続で日本一!)。
これは、多くの和牛マニアですら知らない事実です。
Wikipediaでも、第1回優勝牛は岡山県と書かれています。
しかし、これにはトリックがあり、現在の「全国和牛能力共進会」では確かに岡山が初代開催県ですが、実は第1回目の「和牛オリンピック」は「全国和牛共進会」と言う名称だったのです。
「能力」が入っていなかったんですね。
より正確な名称変更の変遷についてまとめると、下記の通りです。
- 1953年(昭和28年) 全国和牛共進会(広島県)
- 1966年(昭和41年) 全国和牛産肉能力共進会(岡山県)
- 1970年(昭和45年) 全国和牛能力共進会(鹿児島県)
すしログ
実は、岡山県も違う名称でした(笑)
なぜ第1回の広島が外れているのか、本当にミステリーです。
但馬牛を扱うサイトでは下記のように書いていますが、上記の事実を隠したブランディングだと感じます。
和牛に関する史料が長い間失われていたために「但馬牛こそが元祖」と言うブランディングが確立され、今に至るようです。
確かに、品種改良の過程で兵庫の牛にブラウンスイス種を掛け合わせたところ、有効な結果が出なかったと言うのは事実で、それが「但馬純血主義」に繋がりました。
しかし、歴史において一つの事実だけを見てしまうと、「木を見て森を見ず」となってしまいます。
日本在来牛と品種改良の歴史
「和牛」は「在来牛」をもとに、外国の品種の牛と交配して作られた品種です。
イメージ的には「和牛」イコール「在来牛」に思っている人も多いかもしれませんが、「在来牛」は基本的に食べられません。
現存する「在来牛」は2種のみです。
山口県萩市の見島牛と、鹿児島県十島村の口之島牛です。
見島牛は天然記念物なので、食肉用としては年間10数頭しか市場に出回りません。
口之島牛は日本では珍しく野生化していて、一部は上野動物園や宇都宮動物園にいるそうなので、食肉ではありません。
「和牛」は根本的に「在来牛」と異なり、品種改良=掛け合わせによって誕生した牛です。
そして、品種改良の過程で優秀な系統を「蔓」と称し、「蔓牛」によって和牛の開発が進められました。
和牛の元祖「4大蔓牛(つるうし)」について
世間の資料の多くは「3大蔓牛」や「日本3名蔓」と記載していますが、正しくは「4大蔓牛」です。
- 竹の谷蔓:1830年備中阿賀郡で誕生、現在の千屋牛
- 岩倉蔓:1843年備後比婆郡で誕生、現在の比婆牛
- 周助蔓:1845年但馬美方郡で誕生、現在の但馬牛
- ト蔵蔓:1855年出雲仁多郡で誕生、現在の奥出雲和牛
「竹の谷蔓」については「年間1頭しか食べられない」「幻の牛」と謳われていて、東京都内のレストラン「Bon.nu」で出されているので、グルメな人ならば聞いたことがあるかと思います。
広島の和牛は「岩倉蔓」を祖先とし、交配を繰り返して肉牛としての品種改良が行われました。
その結果、誕生したのが「第21深川」で、この牛こそが先に述べた「日本で初めての和牛」で、「第1回和牛オリンピックで優勝した牛」です。
次に、より細かく広島和牛の評価と受賞歴をご紹介します。
広島和牛の評価と受賞歴
広島和牛の評価と受賞歴を歴史を追いながらご説明します。
「第21深川」は名牛だったため、1953年に開催された「第1回全国和牛共進会(和牛オリンピック)」で、前述の通り優勝(名誉賞を受賞)しました。
1982年には「第4回全国和牛能力共進会」で「第3神竜の4号」が優等賞首席を獲得します。
「第3神竜の4号」は「第21深川」とは別血統なので、広島和牛の血統が幅広く評価されたと言えます。
この血統の違いについては、この後お伝えします。
その後、1992年の「第6回全国和牛能力共進会」では、「第3神竜の4号」の産子が種牛・肉牛両方で優勝しました。
そして、時を経て2017年の「第11回全国和牛能力共進会」では、広島和牛が「一価不飽和脂肪酸含有量」で日本一に輝きました。
「一価不飽和脂肪酸」で有名なのはオレイン酸です。
オレイン酸の含有率が高い牛肉は、「甘く」「口どけが良く」「もたれない」特徴を持ちます。
ここ10年くらいの牛肉業界のトレンドとして、オレイン酸の含有率を競う流れがあります。
オレイン酸が高級和牛の新たな基準になるとも言われ、鳥取県、長野県、大分県が2012年頃からブランディングを行っています。
広島県も是非ともPRを強化して、歴史だけでなく「美味しさの最先端」にもキャッチアップしていることを、全国に伝えて欲しいと感じます!
最後に、現在、広島和牛のエースになっている種牛が「鳥帽子」です。
これは岩倉蔓の血をもっとも強く引くという牛で、名牛「第21深川」の遺伝子を強く保持しています。
そして、この「鳥帽子」の血統の牛は実際にお店で頂くことが出来ます。
これまたロマンがありますよね。
すしログ
▲「国立種牛牧場」跡地にある七塚原の牧場(現・広島県立畜産技術センター)。
▲広島和牛歴史資料館
こちらに、埋もれていた貴重な史料が多数展示されています。
この資料館は一般開放されていない施設ですが、この度取材を申し込み、見学させて頂いて本当に良かったと感じます(お陰で本記事を皆さまにお届け出来るので)。
最後に、広島和牛についてまとめられた動画もありますので、ご関心のある方はご参照ください。
この動画は上記の僕の記事をまとめてくれるような内容です。
広島和牛を構成する4つのブランド
広島和牛は実は4つのブランドで構成されています。
ちょっとややこしいですが…
- 広島牛
- 広島和牛 元就
- 比婆牛
- 神石牛
「広島牛」は定義が一番ゆるく、「広島県内で最長飼育された黒毛和種(肉質4等級以上)」です。
本記事で特筆したいブランドが、2〜4です。
それぞれの定義は以下の通りです。
- 広島和牛 元就:広島県血統を有し、一生を広島県内で育てられた黒毛和種(肉質3等級以上)
- 比婆牛:比婆血統を有し、庄原市で生まれ、広島県内で育てられた黒毛和種(肉質3等級以上)
- 神石牛:神石高原町で最長飼育された黒毛和種・神石血統を有し、神石高原町で生まれ、広島県内で育てられた黒毛和種(肉質3等級以上)
「広島和牛 元就」には、前述の「鳥帽子」血統が含まれています。
つまり、「第21深川」の系譜の牛肉です。
そして、「第21深川」は比婆牛血統で、「第3神竜の4号」は神石牛血統です。
「岩倉蔓」の血と、歴代の名牛の遺伝子を受け継ぐ牛が、これらのブランド牛です。
ただ、「広島和牛 元就」はクオリティに差がある点は、ご承知ください。
上位クラスは「侍BEEF元就」と呼ばれます。
和牛マニアやグルメな方に食べて頂きたいのは、こちらです!
広島和牛の牧畜風景のご紹介
広島和牛のご紹介の最後に、牛の牧畜風景をご紹介します。
広島和牛は少数飼育で、生産者が点在しているところが特徴です。
県北の道路を走っていると、姿を見れることもあります。
▲放牧されている比婆牛
そして、広大な土地にわずか数頭だけ飼われていて、実に贅沢な環境です。
僕は熊本のあか牛の見学にも行ったことがありますが、広島和牛は阿蘇山以上に贅沢な環境で育てられていて、驚きました。
そして、牧畜環境だけでなく、エサも贅沢です。
生産者さんによって異なりますが、一般的には広島県産の稲を使用しているそうで、これが味の秘訣のようです。
最後に、現在も広島県三次市では「子牛せり市」が開催されています。
広島県北の三次に全国から生産者が買いつけに来るそうです。
三次の「子牛せり市」で落札された広島の黒毛和牛が、各地で他のブランド牛になっていると言うのも、今回現地を訪れて初めて知った情報です。
ちなみに、広島県には黄綬褒章を授与された牛の生産者さんがいらっしゃいます。
1936年生まれで今も現役!とのことで、驚きました。
独自路線で存在感を高める、至高の広島和牛「榊山牛」
広島には広島県ではなく、独自にブランディングを行うブランド牛「榊山牛」も存在します。
本記事の取材を行ったのは2021年9月ですが、その後、2022年11月に「榊山牛」の取材を行いました。
結果的に、、非常に美味しくて驚きました。
広島県の和牛として今後が楽しみな素晴らしい牛肉です。
詳細記事については、以下の2記事をご覧ください。
生産者産の馬上牧場さんのレポート
榊山牛を満喫できる「焼肉ふるさと」
広島和牛の美味しさ・味わいについて
広島和牛の美味しさについて簡単に述べると、「旨味があって脂が甘く、それでいて胃もたれしない。そして、牛の香りも上品」となります。
正直なところ、僕は脂が濃厚なサーロインステーキが苦手で、焼肉店でも「上」以上のカルビは2枚ほどしか食べられません。
脂よりも旨味を求める嗜好です。
ただ、広島で広島和牛を頂き、脂の質と後味の良さに驚きました。
日本酒で言うと、純米大吟醸のような牛肉だと感じました。
なので、僕と同じく和牛のサシ信仰に疑問を感じている人にこそ、広島和牛を食べて欲しい!
広島和牛が美味しいお店は、この後ご紹介します。
そして、味わいを特徴づける重要な要素が、一つあります。
これはメリットにもデメリットにもなることです。
広島和牛は前述の通り少数飼育で、生産者が点在しているからこそ、全てが同じ味ではないと言う特徴があります。
牛肉として、「味が安定しない」と言う評価もあるそうです。
これに伴い、料理人によっては使用を避けるケースもあるそうです。
…しかし、僕はこれを聞いて疑問を抱きました。
畜産物である牛肉に同じ味を求めるのは、大変おこがましいのではないか?と。
あるいは、スキルがないことの言い訳ではないか?とすら思います。
すしログ
「畜産物だから味が安定していないとダメ」と言うのは、エゴイスティックで旧時代的な考えだと思います。
広島和牛を食べられる美味しいお店のご紹介
最後に、広島和牛を食べられる美味しいお店をご紹介します。
どこのブランド牛も同様ですが、ブランドを信頼するとともに、信頼できる飲食店で頂くことが必須です。
これは言ってしまうと、ブランドだけを信頼するとハズレを引く可能性があると言う事です。
上質な広島和牛を仕入れられるルートがあり、それを活かす調理技術のあるお店で頂く事が重要です!
料理屋そうびき
広島県で上質な比婆牛を安定的に仕入れられる料理人さんが、「料理屋そうびき」の惣引保允さんです。
後述する愛宕さんが比婆牛系統と神石牛系統の「元就」を入れているのに対して、「そうびき」さんは比婆牛血統のみにこだわっておられます。
抜群の肉質に加えてミシュラン2ツ星の技術が光り、なかなか頂けないレヴェルのお料理に仕上げられています。
比婆牛は産地の庄原市から出づらい希少肉なので、気になる方は惣引さんにご相談ください!
もちろん他の御料理も感動的な美味しさですよ。
すしログ
また、季節を表現した八寸や洗練された椀など、見どころが多すぎる名店です!
※安定的に仕入れられる稀有な料理人さんですが、もしも売り切れのあ場合には翌月の出荷待ちとなります。必ず食べたい方は、余裕を持って指定するようにしましょう!
※2022年10月に訪問したところ、広島県が比婆牛のキャンペーンを行ったために在庫がほとんど無くなってしまったそうです。流通が極めて少なく不安定なので、他県産の牛肉を使用されています。
▼詳細はブログ記事をご参照ください
鉄板焼 愛宕
「鉄板焼 愛宕」さんは広島を代表する鉄板焼のお店です。
日本各地の銘柄牛を取り揃える一流店ですが、「広島和牛 元就」も使用されています。
しかも、運が良ければ「岩倉蔓」→「第21深川」→「鳥帽子」の血統の牛も頂くことが出来ます。
「立烏帽子」は「鳥帽子」の子なので、愛宕さんでは「鳥帽子」の孫牛を頂きました。
…ただ、ここまでのクラスの「元就」と出会えるかどうかは、食運次第です。
烏帽子系は年間に約50頭前後しか産まれておらず、2019年については烏帽子の子は1頭しか存在しなかったそうです。
なので、岩倉蔓の血を引く「烏帽子系」は竹の谷蔓や見島牛なみにレアだと言えると思います。
そもそも「元就」の上位クラスである「侍ビーフ元就」は流通量が非常に限られているので、出会えること自体がラッキーなようです。
しかし、牛肉好きな方、牛肉のイメージを変えたい方であれば、一生に一度頂いて損はないお肉だと確信します。
そして、愛宕さんは間違い無く広島和牛の美味しさ・魅力を伝えてくれるお店です!
すしログ
箕浦シェフは仕入れに絶大な誇りを持っておられ、一般的に食べられる「元就」は決して入れないそうです。
「元就のイメージを超える元就」をお客さんに出すべく、クオリティにこだわり抜いておられます。
※現在はコロナ禍の影響で「侍ビーフ元就」の出荷が制限されている状況との事です
▼詳細はブログ記事をご参照ください
ほか広島牛指定店舗
ほかのお店については、以下のサイトをご参照ください。
こちらは「広島牛」を取り扱うお店を紹介しているページです。
「広島牛特産化促進対策協議会」の情報なので網羅性が高いです。
飲食店だけでなく販売店も紹介されています。
ただ、選択基準は「味」ではないので、その点は選球眼を発揮して選んでください!(これは協議会や協会などのサイトだと一般的な選択基準ですね…網羅性重視)
こちらは、広島のグルメブロガーさんの記事です。
「広島牛」「広島和牛 元就」「神石牛」「比婆牛」を取り扱うお店を、ご自身の食べ歩きベースでご紹介されています。
非常にグルメで広島和牛に詳しい方の情報なので、非常に参考になるはずです。
「榊山牛」を食べられる美味しいお店
「榊山牛」を食べられる美味しいお店については、こちらの記事にまとめています。
また、「榊山牛」の加工も行う「焼肉ふるさと」さんは、様々な利用が可能な美味しい焼肉店です。
焼肉ふるさと
ヒレやサーロインなどがリーズナブルな上に、なんとお肉と同一個体のモツ類も頂けます。
こんなお店、他には無いのではないでしょうか…
榊山牛はサシ(脂)が控えめなのに旨味が抜群に強く、とても美味しい牛肉です。
広島の和牛に関心のある方なら、こちらも訪問して損はありません。
▼詳細はブログ記事をご参照ください
まとめと広島県外で広島和牛を入手する方法
最後にまとめ代わりに広島県外で広島和牛を入手する方法をまとめました。
本来であれば広島県の名店に訪問して頂きたいところですが、「なかなか行けない」「すぐにでも食べたい」と言う方のご参考になれば幸いです!
すしログ
牛肉はケチると「安物買いの銭失い」になりやすいお肉だと思いますし、生産者が多くない広島和牛ならば尚更です。
広島和牛 元就
JAタウンで多数取り揃えておられます。
また、楽天で焼肉セットを発見しました。
▶広島血統和牛「元就」焼肉セット(肩ロース150g、バラ150g)
そして、そこそこ高額ですが、安芸高田市のふるさと納税の返礼品もあります。
比婆牛
他県はおろか、広島県内でも流通が限られているため、入手難易度が非常に高い比婆牛。
前述の「JAタウン」でもアイテムは一つしかありません。
しかし、ふるさと納税だと庄原市が複数の返礼品を出しています!
意外に狙い目かもしれません。
神石牛
神石牛については、「JAタウン」に多数出品されています。
また、楽天の下記のショップにも取り扱いがあります。
そして、神石高原町が以下の2つのふるさと納税を出されています。
▶【ふるさと納税】神石牛ステーキセット 合計440g(サーロイン200g×1、ヒレ120g×2セット)
▶【ふるさと納税】神石牛薄切りセット 合計800g(肩200g×2パック、モモ200g×2パック)
すしログ
以上で「和牛をめぐる冒険」を終えます。
かなりのボリュームの情報になりましたが、楽しく読んで頂けたならば幸いです。
気になった方は、是非とも広島に旅行されたり、お取り寄せされたりして実食してみてください。
誇張無く本当に美味しいと感じる和牛なので!
広島和牛の魅力を広く伝えたい!と感じる、すしログ(@sushilog01)でした。
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