すしログ:いざ、広島を代表する江戸前鮨店へ!「広島鮨」を目指す「鮨 稲穂」

稲穂暖簾

こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

広島らしい江戸前鮨を目指す「鮨 稲穂」さん。

正直なところ、2021年9月に初訪問した際は親方がやりたい事と表現されている事が噛みあっていませんでした。

しかし、今や広島を代表する鮨店になる日も近いと感じました。

既に先行する人気店を超える内容でしたので。

 

三原親方の個々の仕事の繊細さ、精度も上がっていますが、着目すべきは鮨の生命線であるシャリ。

加水率を下げて、米粒のもっちり感を格段にアップさせていて、硬さや温度は最適です。

下手な付け焼き刃ではなく、シャリの質を向上させる事が出来る職人さんは確実に伸びます。

まして仕入れもご自身の眼で行える三原親方は、ポテンシャルが抜群です。

 

2022年11月に移転されて、雰囲気も一新されました。

稲穂内観

人気が高まるのは間違い無いでしょう。

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広島「鮨 稲穂」の魅力とは?

「鮨 稲穂」の親方は三原美穂みはらよしほさんです。

三原親方は広島出身の方で、広島、大阪で和食と鮨の修行を経て、2014年3月に独立されました。

 

親方はシャリを重視されていて、この点において広島に多い街場寿司店とは一線を画します。

温度管理は良好で、見事にパラっとほどけます。

そして、上述の通りもっちり感も合わせ持つシャリに改良されました。

サヨリ

「鮨 稲穂」のシャリは、広島県のお米とお酢で作られます。

お米は広島産のコシヒカリの新米と古米をブレンド。

お酢は4種類ブレンドで、後藤商店、ヨコ井の輿兵衛、米酢、穀物酢との事です。

後藤商店は広島県庄原市東城町が誇る醸造蔵で、創業を1896年(明治29年)まで遡ります。

伝統的な「静置発酵」でお酢を造り、混ぜ物を入れていない赤酢です。

 

【2022年10月追記】

その後、シャリについては、大幅に変更。

前回4種類ブレンドだったところ2種類に変更し、しかもヨコ井の輿兵衛ではなく尾道造酢の赤酢を選択されました。

尾道造酢

そこに、東城「後藤商店」の赤酢をブレンドされています。

 

シャリは巧みに食べ疲れない方向に味付けし、塩気にしても酸味にしても穏やかに調整されています。

旨味と甘味を利用した「まろやかな味」のシャリだと言えます。

炊き加減と温度は時を追うごとに改良されていて、きっちりホロッとほどけます。

 

三原親方は「広島人の舌に合うシャリ」を志向されているとの談。

すしログ

これについては非常に良い試みだと感じます。

「日本全国、何処どこ彼処かしこも東京のトレンドと同じ強い赤酢のシャリ」にする必要は皆無なので。

鮨はもともと郷土寿司であり、江戸前鮨(握り鮨)ですら郷土寿司でした。

よって、土地にある酢飯や基層文化の味を活かし、新たな江戸前鮨に昇華させる事が職人冥利と言えるのではないでしょうか?

 

酒肴についても地物を中心に組み立てようと言う気概が溢れ、魅力的な内容です。

初訪問時には独創的な酒肴もありましたが、現在は上品な構成に調整されています。

鮨を主役に見据える構成に好感を覚えました。

 

最後に、「稲穂」さんで面白い点が独自性のある仕入れです。

まず、一流どころだと有名な「さかな人」の長谷川大樹さんから仕入れられています。

長谷川さんは神奈川県横須賀市の長井漁港の漁師で、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」にも出演された方です。

まさか広島の鮨店で長谷川さんの魚を使用されているとは、驚きました。

 

同時に、広島県内からの仕入れも面白いです。

生産者の開拓をされている気概が伝わり、1年前に比べて広島県産の食材が増えていました。

広島県は魚介まわりの流通経路が少々弱いので、これから発展していくことを願っている次第です。

 

食後、親方から意見を求めて頂いたので、アドバイスをお伝えしました(毎回お伝えしています)。

改良すべき点を着実に潰していき、広島らしい江戸前鮨が完成する日を楽しみにしています。

リニューアル後に、折を見てお伺いします。

 

鮨「稲穂」のおまかせコースの詳細

「鮨 稲穂」のおまかせは14,300円で、2021年6月から始められた予約制のランチは6,600円です。

ディナーでもお酒込みで2万円を切る内容なので、満足度は高いと思います。

2022年12月に訪問した際の記事

以下が2022年12月に訪問した際に頂いた内容です。

 

この度頂いたお酒

酒器

雨後の月 大吟醸 月光

軽やかで嫌味の無いリンゴ香から、旨味の強い苦味が支える大吟醸。

 

美和桜 大吟醸

グレープフルーツ香からの優しい洋ナシ香。

甘味は穏やかで、酸さんが程よく引き締める。

 

ワタリガニ

ワタリガニ

広島県産のワタリガニは、旨い。

焼き茄子と合わせ、煎り酒で調味。

蒸して火入れしたものを冷まして、直前に温めて香りと甘味を引き出してから提供。

調理(火入れ)も味付けも繊細だ。

肉厚なワタリガニで食感があり、噛み締めた時の喜びが強い。

ワタリガニの香りと甘味と、焼き茄子の香ばしさが食欲を穏やかに刺激してくれる。

寒い日に、温かい一品目も良い。

時期的に香箱ガニ(セコガニ)を使わない選択肢が、まず良い。

産地の県以外(大都会を除く)で、香箱ガニを出されて喜ぶ客は二流、三流である。

ご当地のカニで勝負する姿勢が素晴らしいではないか。

さらに、柑橘を用いていない点も特筆すべき美点だ。

 

コチ

コチ

1.3キロのコチと源助大根の煮もの椀。

コチは旨味が強く、厚みがあるため噛みしめた時の旨味が強い。

また、コチは鰹出汁で炊いているそうだが、鰹の味の浸透が淡いので気にならない。

椀

器を愛でる楽しみもある。

 

鯛

当日〆なので、香りの良さが持ち味だ。

寝かせていないので食感が強いが、包丁を細かく入れて歯切れを向上させている。

寝かさない鯛で美味しさを表現するのは、産地らしくて個人的には評価したい。

東京の江戸前鮨の流儀を至る所で振りかざす食べ手も二流、三流である。

知識こそ持っていても自身の感性と経験で味を吟味出来ていない証左だ。

 

鯖

大分県産の生。

食感はプリプリ、パツパツなのに、脂がじゅわりと滲んで柔らかくとろける。

半養殖との事だが、養殖特有の脂のクセは無い。

 

カワハギ

カワハギ

江田島のカワハギ。

肝は煮付けにしている。

身は脱水して、パツパツした食感に仕上げている点が良い。

 

オコゼの肝

オコゼの肝

会えるとラッキーな食材だ。

良い意味で血の香りを活用していて、魚の個性を感じさせてくれる。

魚の血の香りは個性だ。

手当さえ正確であれば、血は活きる。

 

太刀魚

太刀魚

太刀魚は千葉県産がベストとの判断で選択。

間違い無い。

身はしっとりかつホロホロで、繊細さの中に脂を内在させていて、安定感のある旨味だ。

 

玉子焼き、ガリ

玉子焼きガリ

ガリは薄切りもしくは小さく切った方が良いとアドバイスさせて頂いた(笑)

 

オコゼ

オコゼ

当初は柑橘が強めかと思いきや、肉厚で朝締めなのでプリプリした食感があり咀嚼回数が多いため、噛み締める程に旨味が広がり、柑橘と調和する。

 

針魚

針魚

カンヌキサイズの大きな針魚で、広島県産との事。

旨味と香りが強くて実に良い。

 

キハダマグロ

長井漁港の長谷川さん仕入れで、部位は小トロ。

旨味が強く、酸味も香りも楽しめる良い魚体だ。

喉に旨味が残り、余韻が長い。

 

小鯵

小鯵

山口県産。

半身を一貫で握る。

旨味が強く、香りも良い。

以前よりも薬味の量がさらに上品に調整されていて好印象。

 

穴子

穴子

冬になり脂が強くなっている。

これは対馬周辺の海域らしい特質だ。

脂だけでなく、香りがあるのが良い。

ほのかな土の香りがふんわりと漂い、これは穴子らしさだ。

 

ホウボウ

ホウボウ

1日寝かせて、軽くねっちりした食感がシャリと合わさる。

ホウボウ

お酢の酸と合う事でホウボウの旨味と甘味を実感する。

【あずまずし】のアレンジ

【あずまずし】のアレンジ

定番となっている郷土寿司を口直し的にアレンジした魅力的な一貫。

今回は明石の鯖を使用。

コノシロが無いときは鯖で作るそうだ。

甘酸っぱいおからが、青魚に馴染む。

 

縞鯵

縞鯵

1週間熟成。

脂が強い魚体に旨味を加える熟成仕事が光る。

 

ワタリガニ

ワタリガニ

先付と同様に、強い旨味を感じる。

残り香も強く上がってくる。

推せるタネ。

 

鮪トロ

鮪トロ

寝かせや包丁などシャリとのバランスが良い。

 

穴子

穴子

脂がトロトロなのに加えて、繊維質がみっしりしていて、魚体が大きい事が分かる。

甘味と脂のバランスが良い。

 

干瓢巻き

干瓢巻き

広島で江戸前鮨スタイルの干瓢巻きとは、痺れる。

東京のお店でも出すお店が減っているので嬉しい限りだ。

シャリの方向性に対して醤油が少し穏やかに感じたので、その旨をお伝えした。

食感は強めに表現されている。

 

椀

広島のますや味噌の味噌を使用した椀。

 

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2022年10月に訪問した際の記事

以下が2022年10月に訪問した際に頂いた内容です。

先付

先付

広島県産のワタリガニ、北広島産の天然マイタケ、つるむらさきのお浸し。

ワタリガニの甘味に出汁を含ませたマイタケの香りと食感がアクセントになり、つるむらさきの苦味がキリリと味を引き締める。

出汁も繊細に調整されていて、先付で前回からの進歩を実感する。

 

椀

一番出汁を使用した吸い物。

椀種は、鱧(山口県産の1.3キロ)と松茸。

鱧は肉厚で美味しく、骨切りもバッチリだ。

皮目を軽く炙り、歯切れを良くしている。

鮨店で椀(吸い物)とは人によっては意表をつかれるかもしれないが、個人的には良いと感じる。

東京の江戸前鮨店ではないので、前提として味が良く、コースの構成力が担保されていれば構わない。

 

穴子の刺身

穴子の刺身

産地は敢え無く対馬産であるが、広島らしい一品で嬉しい。

力強い味わいで、脂が乗っている。

臭みは皆無であり、下処理が良い。

かつては広島県産の穴子は東京でも多数使われていたが、現在は不漁のため厳しい状況だ。

何処の海も、持続可能性を意識しなければならない待ったなしの状況ではないだろうか?

それ故に食文化を保存するためには産地を変えつつ、仕事を残す努力が必要である。

鰻料理と同様に。

 

オコゼ

オコゼ

半日寝かせていて、肉厚で旨い!

オコゼは薄造りが一般的であるが、敢えて肉厚な切り付けであるのは寝かせているためだ。

筋弛緩しているので、肉厚であっても野暮ッたくない。

オコゼの旨味と香りも楽しませる仕事である。

 

蛸

地御前の地蛸を使用。

県外産の穴子にいささか寂しさを感じようとも、他の食材は極力広島県産を増やそうとする気概を感じる。

湯がきたての地蛸は、東京の桜煮とは完全に異なるベクトルの料理だ。

蛸の香りと旨味、そして、噛み締める喜びを伝えてくれる。

一般的には勘違いされているが、蛸の料理は柔らかさが至上命題ではない。

 

穴子の焼きもの

穴子の焼きもの

刺身に続いて焼きものとは嬉しい構成だ。

身はしっとりと柔らかい。

刺身と異なる魅力を知れるのは嬉しい。

 

玉子とガリ

玉子とガリ

玉子焼きは出汁巻き玉子で、最初に出すスタイル。

 

針魚

針魚

広島県産の針魚をを4日寝かせている。

地ものを使用し、仕事も良いので、生姜は減らしても良いと感じる。

意見を求められたので、この点はお伝えした。

 

穴子

穴子

煮穴子ではなく生の穴子…面白いタネだ。

シャリとの相性が意外にも良く、意外性がある。

江戸前鮨で穴子と言えば煮穴子一択なので、これは「広島鮨」らしい。

噛み締めて旨くなる。

 

ホウボウ

ホウボウ

昆布〆。

昆布の旨味だけでなくホウボウの良さも込み上げてくる。

シャリとの相性も良い。

 

ミズイカ

ミズイカ

3日寝かせたミズイカで、ゴワッとした食感の後に、トロトロととろける。

食感のコントラストと変遷が魅力だ。

過剰に柔らかさを前面に出さないのは、意識的な選択と見る。

包丁の入れ方から分かる。

「甘くてトロトロ」なイカばかりを求める食べ手は半可通である。

 

【あずまずし】のアレンジ

【あずまずし】のアレンジ

郷土寿司をアレンジされるとは素晴らしい試み。

地物のコノシロを使用し、〆て3日寝かせている。

コノシロの塩気と酸味が雪花菜の香りや甘味を活かす。

世間一般的に、郷土寿司単体だと「渋い」イメージがつきまとうが、鮨店で合間に出されると、むしろ魅力的に映るのが郷土寿司だ。

港があるにも関わらず豊洲市場からタネを引くのに躍起になるよりも遥かに魅力的な営為だと言えよう。

雪花菜も三原にある豆腐屋さんの絹ごし後のものを選択されている。

抜かり無い。

 

縞鯵

縞鯵

1週間熟成を掛けているため、ぶちりと切れた後に、とろっととろける。

そして、脂を楽しませて、縞鯵らしい香りも漂わせる。

良い熟成の仕事だ。

仕事自体だけでなく構成としても良い。

 

鯵

山口県産の瀬付きの鯵だ。

脂が乗っていて、香りも強い。

良い意味で鯵の香りを活かしており、魚味として浜田や出水とは異なる事を伝えてくれる。

4日寝かせているそうだ。

 

鰆

山口県産のブランド鰆、サワライダー。

濃厚な脂はやはり旨い。

しかし、香りと酸味も活かしている点が魅力。

 

車海老

車海老01

車海老02

茹で置きで甘味を伝える仕事だ。

 

鰹

脂よりも旨味主体の戻り鰹。

程良い酸味もありつつ、強い旨味と鉄っぽい香りを楽しませる。

これは産地、タネの選択が巧い。

さらに、八丈島や大島の【島寿司】からインスパイアされた仕事も奏功。

 

穴子

穴子

ふっくらしていて、ホロッホロ。

対馬を用いてトロトロでない点が良い。

しかし、コースの中で穴子4品とは個人的に非常に嬉しい。

実に広島らしい。

どうしても牡蠣のイメージが強い県だが、穴子と蛸も元々は絶品なので…

 

鮪の手巻き

鮪の手巻き

すき身を漬けにしている。

旨味と香りが抜群に強い海苔であるが、鮪の香りも楽しませるところが魅力だ。

なお、地方のお店でも鮪の産地を聞いて回る自称「フーディー」がいるようだが、愚の骨頂である。

鮪が少量揚がる地域ならいざ知らず、基本的にピンの鮪は豊洲に集まるので、地方のお店では使用しない選択もアリだ。

ピンの鮪の多くは東京の人気店に流れるものなので、鮪は無視して、他の魚に労力とコストを使った方が良いし、消費者も鮪至上主義から脱却すべき。

これはかつての評論家が鮪を鮨店の花形と決めた事に依拠するのだろうが、現在は状況が変わっており、鮪の漁獲量が下がり、江戸前鮨のお店が地方にも増えた。

この状況を鑑みると、頭が回る作り手・食べ手の選択肢は自ずと決まってくるはずだ。

 

椀

潮汁ベースの味噌汁。

具は三陸産のワカメで、食感が豊か。

 

水菓子

水菓子

三次産のシャインマスカット。

昔から葡萄の名産地だけあり、甘くて美味しい。

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2021年9月に訪問した際の記事

以下が2021年9月に訪問した際に頂いた内容です。

伊勢海老出汁の海胆プリン

鮨稲穂伊勢海老出汁の海胆プリン

海胆の産地は北方四島産。

アメリケーヌソースを牛乳で割ってソースにしている。

ミルクの香りがやや阻害しているが、ソースによって海胆のクオリティを補っている。

 

鱧と松茸

鮨稲穂鱧と松茸

広島産の松茸に、広島産の鱧!

ご当地のものを合わせるとは、「出会いもの」を出す上で嬉しい心配り。

鮨稲穂松茸

出汁は羅臼昆布に、鱧のアラと九絵のアラ。

よって、パンチがしっかり利いている出汁だ。

鱧もまた魅力的で、脂が乗っている。

 

九絵、エゾイシカゲガイ、ショッコ

鮨稲穂九絵

九絵は五島産で1週間熟成、エゾイシカゲガイはご存知の通り陸前高田産、ショッコ(=汐っ子=カンパチ)は長谷川大樹さんからの仕入れ。

ショッコは酸味とクリアな香りが実に爽やかで、旨味もバッチリある。

酸味と旨味のバランスが良く、残り香も気持ち良い。

九絵はしっとり感に軽いむっちり感があり、寝かせの仕事が巧み。

旨味と脂が舌に残る。

付け合わせの塩は地中海の炭塩。

 

煮鮑の天麩羅

鮨稲穂煮鮑の天麩羅

これは意外性があり、かつ魅力的な一品。

サクッと揚げられていて、天麩羅の技術も高く、鮨と天麩羅の仕事が一体化している。

むっちりで柔らかな鮑で、肝も美味い!

呉産の四角豆も魅力的。

 

酢モツをイメージした九絵モツ

鮨稲穂酢モツをイメージした九絵モツ

非常にマニアックな一品で、いつもは常連さんにしか出さないそうだ。

九絵のモツは臭みは無く、「強い香り」として楽しませる。

香りと食感を楽しませる料理だ。

自家製の橙酢、酢味噌との相性も良い。

 

伊勢海老とキャヴィア

鮨稲穂伊勢海老とキャヴィア

伊勢海老は14時間寝かせている。

キャヴィアが添えらえていて、一瞬動揺する。

日本の高級食材と海外の高級食材を合わせる必然性を感じない事が多いためだ。

しかし、味わってみれば杞憂に終わる。

伊勢海老のとろ~り、ねっちり、シャクシャクした身を噛みしめると、甘みが溢れ、キャヴィアと巧く調和する。

香りのバランスも良い。

器はユーモラスでモダンな有田焼。

 

玉子焼き

玉子焼き

卵の香りが活きている玉子焼き。

 

この後、握りに移行します。

 

小鰭

鮨稲穂小鰭

なんと広島で一貫目が小鰭!

食感は艶めかしいけれど、〆てきっちり脱水されている。

小鰭の脂や甘みを引き出す仕事で、臭みは無く、皮も柔らかい。

10分10分の〆で、9時に〆たものとの事。

数日寝かせたものを頂いてみたくなった。

 

ミズイカ(アオリイカ)

鮨稲穂ミズイカ(アオリイカ)

島根産。

「天寿しのパクリ」と自重されながら出されている。

天寿しさんとはイカの食感と甘みの強さが違う点が面白い(先方はアカイカを使用)。

また、飛子を使用していない点も味わい的に大きな違い。

 

鮨稲穂鯖

日向灘の半養殖モノの鯖。

生っぽさをのこした〆加減だ。

 

鮪赤身

鮨稲穂鮪赤身

産地は大間。

夏よりも酸味が落ち着き、香りが強くなり、脂が乗ってきている事を実感する。

仲卸は広島との事。

 

鮪カマトロ

鮨稲穂鮪カマトロ

筋の食感は割と強く、脂はトロトロ。

血の香りや旨味が特徴的。

 

鮨稲穂鯛

これもショッコと同じく長谷川さん仕入れで、産地は佐島。

広島(や関西)ではレアな産地かと思うが、関東だと鯛が最も美味しい産地の一つだ。

14時に届いたものを軽く脱水している。

旨味が凝縮されていて、身のむっちり感も楽しめる。

 

鮪赤身

鮨稲穂鮪赤身

こちらの産地はスペインで、漬けにして提供。

香りと血の香りに加えて、どことなくスモーキーな香りもあるところが興味深かった。

 

ノドグロ(アカムツ)

鮨稲穂ノドグロ(アカムツ)

韓国産の700グラムで、1週間熟成。

脂が乗っている。

 

海胆

鮨稲穂海胆

愛媛産の赤海胆。

鮨稲穂海胆軍艦

濃厚で、香りはスッキリ。

シャリの酸味が活きる味わいの海胆だ。

 

うなきゅう手巻き

鮨稲穂うなきゅう手巻き

手袋を付けて巻かれている。

その理由は、海苔の食感を維持するためとの事。

確かにこだわるだけあり海苔はバリバリと食感が非常に良く、香りも旨味も抜群である。

温度管理も良い。

その海苔を活かすべくキュウリは水気を除かれていて、食感が良い。

鰻は穴子のように煮ている。

 

この鰻については養殖モノで、東広島黒瀬の「勝梅園」のものだそうだ。

しかも、ビカーラ種。

煮鰻で甘みも付けられているので厳密な味の違いは分からなかったが、調理法的にはニホンウナギと変わらないと感じた。

 

ビカーラ種はニホンウナギとは異なる品種で、フィリピンやインドネシアに生息している。

 

資源量に余裕があり、サステイナビリティを考慮すると素晴らしい試みだ。

関心が高まり、また「中土NAKADO」さんで頂いたナマズも「勝梅園」であったため、現地に見学に伺った。

「勝梅園」ではビカーラ種を黒瀬の綺麗な水で育て、臭みの無い鰻を育てられていた。

勝梅園▲形状が特徴的なドーム型施設で育てている

試行錯誤されていて、3~4ヶ月で成長するもの、成長に6ヶ月かかるもの、全く成長しないものが2:6:2の割合との事だ。

 

どうでも良い話だが、施設のシステムモニターがSF的で琴線に触れた。

稲穂勝梅園制御装置

 

ちなみに、「中土NAKADO」さんのナマズは三原親方が神経締めしてさばかれたとのことである。

良い協力関係!

 

鮨稲穂椀

鰹、昆布、魚のアラの出汁で、使用する味噌は広島のますや味噌。

赤と白をブレンドされている。

具はシンプルにブラウンえのき。

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「鮨 稲穂」の立地と雰囲気

お店は2022年11月に移転リニューアルオープンされて、雰囲気は移転前からガラリと変わっていて驚きました。

広くなり、清潔感が溢れ、ラグジュアリーな雰囲気の内観です。

稲穂内観

長いL字カウンターは12席と広く、調度品も空間に馴染んでいます。

盆栽が飾られている理由は、盆栽発祥の地が広島であるためだそう。

…勉強になります(笑)

 

「鮨 稲穂」のお店情報と予約方法

WEB予約については、ぐるなび経由で可能です。

鮨 稲穂(ぐるなびのリンク)

 

鮨 稲穂(食べログのリンク)

店名:鮨 稲穂(すし いなほ)

シャリの特徴:広島の赤酢2種類をベースにしたブレンドで、まろやかな味わいを志向するシャリ。

予算の目安:ランチ6,600円、おまかせ14,300円

TEL:082-545-5458

住所:広島県広島市中区胡町5-7 ウィンザービル 2F

最寄駅:胡町駅から85m

営業時間:火18:00~23:00(L.O.22:00)、水~日12:00~14:00、18:00~23:00(L.O.22:00)

定休日:月曜

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