すしログ No. 336 冨所@新橋

こちらは前々から複数の鮨職人さんからオススメされていたので、長らく訪問を狙っていました。

しかし、リーズナブルなランチは人気が高く、予約を取れず2度諦める結果に。

今回2週間前に予約を試みて無事に取れたため訪問が叶いました。

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お店は新橋の落ち着いた一角にあり、店内も静かでキリッとした良い空間です。

つけ場の奥には存在感のある骨董品の水屋箪笥が鎮座し、カウンターの席数は少なく、ゆとりを感じる雰囲気です。

つけ場は客席よりもレベルが下なので、切りつけの手元は見えない仕様です。

冨所さんのランチ握りの概要

ご主人は西麻布の鮨真さん出身とのことで、31歳の若さで独立されました。

若くして、同業の一回り上くらいの職人さんたち(自分にオススメしてくれた方々)の評価も高いとは、今後が大いに楽しみです。

親方は多弁なタイプではないので、会話が無く握りでの対話のみとなりましたが、仕事、切り付け、握りともにハイレヴェルだと実感しました。

 

シャリは赤酢を用いつつ、非常にまろやかな方向性。

調味的には酸味を利かせていますが、ほどけ方が良いので殊のほか上品に感じます。

密集していればより酸味がストレートだと思いますが、握りの技術でコントロールされている印象です。

また、塩気もそこまで感じさせません。

そして、硬さもそこまで硬くは無いので、握りの技が光ると度々実感しました。

米粒ははらっとほどけます。

握り方としては手返しの後に、ぽんっとリズミカルに親指を利かせておられます。

シャリのサイズ感は大きめですが、お米が多くても軽く感じるシャリだと感じました。

なお、使用されている酢のメーカーは伺っていませんが、恐らくヨコ井だと思います。

 

11貫+椀、玉子で6,000円と言う価格は内容を考慮すると確かにリーズナブル。

しかし、何よりもコースの中で全ての江戸前仕事を表現されている点が素晴らしいと感じました。

小鰭が弱い時期でも仕事で楽しませたり、煮イカと言う古典的なタネを用いつつヒメマスなど現代的なタネを用いる姿勢にも惹かれます。

若いお店なのに古典的な仕事を駆使するお店と言うのは、否応無しに応援したくなりますよね、鮨好きとしては。

 

親方と握りについての会話は全くしませんでしたので、全て推測による記載となります。

色々伺いたかったのですが、他のお客さんが若いカップルだったので、空気をブチ壊すのは無粋だと判断しました。

時折空気を読まずに質問をしている人がいますが、飲食店の空間はお客みんなのものですからね…

 

この度頂いたお酒

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上川大雪…東京で頂くのは初めてです。

きっと北海道ご出身なんだと感じた瞬間。

 

冨所さんのランチ握りの詳細

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ガリ

甘みは極々軽めで、塩気と酸味が利いたガリ。

薄切りで食感は強いです。

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真子鰈

肉厚で食感はぶりっぶり。

旨味がしっかりした夏の白身魚の代表格。

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皮目に包丁を入れて、しゃくりとした食感を加えている。

ねっちりした身には脂がしっかり乗っていて、夏への高まりを感じさせる。

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軽い漬けによりむっちりマットな食感に。

あたかも舌に張り付くような食感なのでダイレクトに旨味を感じる。

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鮪トロ

これは脂主体で大味。

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小鰭

塩〆がしっかり利いていて、しっとりとほどける。

〆てから数日寝かせている。

小さいので旨味はそこまで強くはないが、香りは強めで、〆の仕事で魅力を高めている。

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煮烏賊

もぎゅもぎゅと強い食感。

煮ツメは穴子ツメで、コクに加えて甘みの強い濃厚タイプ。

酢飯の酸味が味を引き締める。

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春子

かなりしっとりな〆加減で、味わいもあっさりしたもの。

煮烏賊の後にリセットする企みか。

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ヒメマス

効果的な脱水で、昆布〆。

かなりしっかりと〆て、昆布の香りを上手く合わせており印象的。

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車海老

肉厚な車海老を茹で上げで。

プチプチした身から甘みがこみ上げる。

肝は軽い苦みがあるが、臭みはゼロ。

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海胆軍艦

とろっと溶ける紫で、甘みが強く香り良い。

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アオサ入りの味噌汁。

魚介の旨味が利いている。

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穴子

ふんわり、ホロホロでシャリを包み込む穴子。

産地は対馬かと思われる。

下地の甘みは程良い。

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干瓢巻き 追加

醤油は強すぎず、甘みも良い塩梅

初手は穏やかと思いきや次第に高まる。

いきなりベタッと甘辛くない点が上品。

食感は強くて気持ち良い。

シャリの酸味が奏功し、シャリの美味しさを感じさせる。

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玉子

3層構造でとろり、しゅわっ。

香り良い玉子。

甘みは程々。

 

追加の干瓢巻きと日本酒も良心的な価格で、様々な点において今日び珍しい鮨店だと感じました。

鮨店に来たなあ…と言う感慨と充足感のあるお店です。

 

店名:冨所(とみどころ)

シャリの特徴:赤酢を非常にまろやかに用いたシャリ。

予算の目安:ランチ6,000円、夜20,000円〜

最寄駅:御成門駅から290m、新橋駅から700m

TEL:03-6876-0646

住所:東京都港区新橋6-13-3

営業時間:11:30~14:00、17:00~21:00

定休日:不定休

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