すしログ:仕入れ力とオリジナリティを合わせ持つ鮨店!群馬県館林の「鮨おばな」

鮨おばな外観

こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

こちらは言わずと知れた、海なし県の群馬で遠方から食通を惹きつける鮨店です。

僕が最初にお伺いしたのは2018年12月でしたが、この度再訪いたしました。

 

前回は急速に人気を高めている最中の訪問でしたが、今や数か月先まで人気を誇る名店となっている模様。

実際に頂き、他のどのお店とも異なる魅力があり、過去から更に腕を上げられていて驚きました。

鮨おばな赤貝

幾つかポップな見せ方のタネもありますが、尾花親方の鮨は極めて王道。

王道で個性を確立し、全国区の名店に育てられているのが、粋です。

酒肴も鮨店らしいもので固められ、「創作寿司」に堕していない点が「鮨おばな」さんの強みです。

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「鮨おばな」の凄さ・魅力とは?

「鮨おばな」さんはもともとは1968年創業の街場寿司でしたが、2代目の尾花 輝おばな てるくに親方が業態をガラリと変えられました。

尾花親方は2001年、32歳の折に初めて築地で仕入れを開始されたそうです。

 

尾花親方は80キロ以上離れた築地(※当時、現在は豊洲)まで早朝に車を走らせ、自ら仕入れルートを切り開かれました。

当初は仲卸との関係性が無く、暗中模索の状態だったそうですが、その甲斐あって今や東京の人気店をも凌駕する仕入れを可能にしています。

鮨おばな鮪02

尾花親方のお話を聞いていると、仲卸との関係性が全てなのだと感じます。

僕も豊洲に仕入れに行きますが、アプリで発注している職人さんは、「それなりに美味しい鮨」は作れても、成長スピードは圧倒的に遅く、「感動的に美味しい鮨」は作れないと確信します。

これは感情論ではなく、客観的な事実です。

仲卸がいて、魚があって、美味しい鮨があるのです。

 

尾花親方は魚の選択に必然性があり、「この魚体だったらこの仕事」と瞬時に判断されるのが、長年のキャリアを感じさせます。

味よりも言葉に重みがあるのが、たたき上げの腕利き職人。

味や見た目に飛び付く食べ手が増えましたが、尾花親方の言葉はこのような時代に尚更の重みを持っています。

 

尾花親方のシャリは極硬めのいわゆるアルデンテ。

しかし、ゴツゴツした印象ではなく、柔らかさも感じさせる独特の炊き加減です。

 

味付けは酸味が強めで、塩気は穏やか。

炊き加減も相まって非常に存在感のあるシャリです。

 

これはミツカンのお酢を使用していることも一因だと思います。

ミツカンの山吹に米酢を若干ブレンドしているため、現在隆盛のヨコ井のブレンドとは味わいを大きく異にします。

 

全体的に力強い味のタネと仕事が多いところが特徴になるので、存在感のあるシャリはしっかりと支えて協奏すると感じました。

「鮨おばな」のおまかせコースの詳細

「鮨おばな」さんは4つのコースをご用意されています。

  • 16,500円
  • 22,000円
  • 27,500円
  • 33,000円

3年前から3,000円〜5,000円ほど値上がりしていて、僕が頂いたおまかせ+お酒で36,000円強でした。

内容は酒肴12品、握り18貫+玉子、水菓子です。

 

まずは、2021年12月に訪問した際の内容をご紹介します。

2021年12月に訪問した際の記事

この度頂いた日本酒

  • 乾坤一、純米うすにごり生
  • 磯自慢、純米吟醸 東条山田錦
  • 八海山、発泡にごり
  • 今西酒造、純米備前雄町
  • 会津娘、純米

ご提案頂きながら少量ずつ頂きました。

 

焼き白子

鮨おばな焼き白子

焼き白子に、白子を出汁で伸ばした白子スープを合わせている点が素敵。

出汁のバランスも良い。

残ったスープにはシャリ玉を投入して、混ぜて頂く。

鮨おばな焼き白子02

ぱらりと極硬めのシャリが実に合う。

 

ボラ

鮨おばなボラ

唐墨の原材料であるボラ子ばかりが有名なボラ。

尾花親方が使うのは、徳島の著名な漁師である村公一さんのボラだ。

むっちりと滑らかな食感で、旨味に加えて独特の酸味を楽しませる。

5日寝かせられた身は魅力的な味わい。

 

蒸し鮑

鮨おばな蒸し鮑

みっちり且つむちむちした食感で、柔らかすぎないところが魅力。

食感が良いだけでなく、香りも楽しめる鮑。

 

鰆のタタキ

鮨おばな鰆のタタキ

炙りたてで、ほんのりと温かい。

皮目はパリッとしていて香ばしく、身の旨味と酸味に相性が良い。

鰆のタタキは味のある鰆でやるから意味がある事を伝えてくれる。

 

ボタンエビ

鮨おばなボタンエビ

ぷつっと弾け、トロトロととろける。

甘みが濃厚な仕事。

もちろん寝かせていて、3日ほどだ。

 

海胆パフェ

鮨おばな海胆パフェ

浜中のバフン海胆を使用。

海胆パフェ02

海胆の甘みに恍惚となる。

鮨おばな海胆

海胆パフェと後ほどの握りで別の海胆を使用されている。

不漁のところ嬉しい。

 

スミクイオ

鮨おばなスミクイオ

非常に珍しい深海魚で、メヒカリの船で獲れるそうだ。

3時間風干ししている。

サクサク感とホロホロ感、旨味と香りが魅力的。

メヒカリの船で獲れるだけに、メヒカリに似ている。

 

煮牡蠣

鮨おばな煮牡蠣

産地は仙鳳趾で、柚子胡椒とともに。

尾花親方の牡蠣の火入れは良い。

しっかりと火を入れて、濃密なペーストのように楽しませる。

海苔ならびに柚子胡椒との相性も抜群だ。

 

蝦蛄

鮨おばな蝦蛄

巨大で驚いた!

そして、甘い!

年に15回ほどしか入らないサイズの蝦蛄で、さらに当日のものはベストに近いサイズとの事。

強い甘みに加えて蟹のような香りが素晴らしい。

 

鮟肝

鮨おばな鮟肝

ポン酢漬けと言う仕事が素敵。

鮟肝の脂をピュアに楽しめる清涼感のある仕事だ。

5日ほど漬けているそう。

 

アスパラ菜の漬け物

鮨おばなアスパラ菜の漬け物

地元に海が無いので地元のものを…と思って出し始めた一品。

ずっと出されているのが嬉しい。

 

この後、握りに移行します。

 

ガリ

鮨おばなガリ

酸味が鋭く、辛味もあるガリ。

薄切りながらじっくりと食べる、味チェン仕様のガリである。

 

カンパチ

鮨おばなカンパチ

20キロの魚体で、15日熟成。

濃厚な旨味を楽しませる。

ねっちりした食感の熟成仕事。

名刺代わりの一貫目で非常にパンチがある。

 

いくら軍艦

鮨おばないくら軍艦

超濃密でトロットロ。

いくらの香りも残しつつ、とにかく濃密な食感に仕上げている。

皮も柔らかい。

以前は後半に出されていたが、前半に出されるようになった。

濃密な味なので、空腹状態で頂くのが大正解だと感じた。

 

小鰭

鮨おばな小鰭

皮が柔らかく、旨味がすぐに伝わり、酸味が広がる。

そして、小鰭の香りも楽しませる

その上、シャリの酸味が味を引き締める。

小鰭とシャリが勢いよく競い合って調和するかのよう。

 

この後、鮪が4連発!

鮨おばな鮪01

 

 

鮨おばな鮪02

鮪赤身

鮨おばな鮪赤身

大間の延縄。

旨味があり、途中から酸味も高まり、鮪の香りも味わえる。

100キロ程度を選んでいるそうだ。

 

鮪中トロ

鮨おばな鮪中トロ

部位は血合いギシ。

脂が美味く、酸味もあり、嚥下した後に喉から旨味が広がるトロ。

鉄っぽい余韻もある。

 

鮪トロ

鮨おばな鮪トロ

部位は背中の筋の間で、気仙沼の定置網。

濃厚な脂だが、軽い酸味もあり、大トロほどには重くない。

味わい深い良い鮪であるが、なんと競りでビリだったものを、やま幸の山口社長が落としたそうだ。

山口社長の信頼があるお店は、本当に面白い味の鮪を仕入れている。

やま幸の凄さはブランドネームではなく、信頼関係のある鮨店に流す鮪である事を実感する。

 

鮪大トロ

鮨おばな鮪大トロ

大トロも重すぎず、濃厚だが旨い。

 

墨烏賊

鮨おばな墨烏賊

ぷつっと弾けて、とろり。

やけに旨味のパンチがあると思えば、調味料が竹炭塩に魚の旨味を加えたものとの事であった。

 

針魚

鮨おばな針魚

ぷつっぷつっと小気味良い食感で、旨い。

旨味の強い細魚で、クオリティとともに仕事の精度の高さを実感する。

 

鮨おばな鰆

漬け。

脂がしっかり乗った鰆を漬けて、トロトロに仕上げている。

そして、香りと酸味も楽しませる。

芥子が相性良好。

 

鮨おばな鰯

バッチリ〆て、お酢を浸透させている。

脂ある鰯をサッパリと食わせる仕事だ。

香りも良い感じに込み上げてくる。

 

赤貝

鮨おばな赤貝

昆布のような香りも旨味も強い。

咀嚼していると、香りが高まり行く。

これは間違いのない閖上産だ。

 

鮨おばな鯖

鯖に海苔バンドとは!

バッチリ〆つつ、脂も柔らかさも楽しませる〆加減。

海苔バンドは古くは握れないタネに使用されるものであったが、尾花親方は鯖との相性が良いことに着目し、味の提案の為に使用されている。

海胆を軍艦ではなく握りで出される方なので、海苔の使い方が意識的だ。

 

鮨おばな蛤

身は柔らかく、漬け込みはしっかりしている。

これはタイプの仕事だ。

濃厚な煮ツメも嬉しい。

 

カイワレ

鮨おばなカイワレ

昆布〆が良い。

ジャキジャキした食感から、辛味が広がる。

今回は地物ではなく、渥美半島産。

 

エビ丼

鮨おばなエビ丼

13年以上つぎ足しの海老出汁タレをかけて提供。

海老の香りが抜群!

海老の甘みとともに香りが魅力的だ。

 

海胆

鮨おばな海胆

口どけが良く爽やかで、甘みがあり、香りも楽しめる海胆。

 

穴子

鮨おばな穴子

非常に香ばしく、その理由は下味が穏やかである点。

これも好みの仕事。

 

玉子

鮨おばな玉子

黒糖を使用している。

表面は焼き込みつつ、中はぷるん!と気持ちが良い。

甘みが控え目で、香ばしさのある玉子焼きだ。

 

アイスクリーム

鮨おばなアイスクリーム

女将さんお手製の美味しいアイスクリーム

卵は館林産で、砂糖を用いず、10年モノの貴醸酒を使用している。

スッキリしているので鮨店の水菓子として非常に粋だ。

同時に卵のコクもしっかりあり、アイスクリームとしての満足度も十分にある。

 

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2018年12月に訪問した際の記事

下記が2018年12月に訪問した際の記事です。

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真鱈の白子

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「普通の白子ですが、良いモノがあったので」との事。

果たしてどのような意味かと思ったが、以降の食材・酒肴を頂き、その意が解る。

 

黒鯛

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鳴門の名漁師・村公一さんの黒鯛。

エサが生の青海苔故に黒鯛特有の磯っぽい香りが無い。

3日寝かせた状態で、強い甘みに軽い酸味が滲む。

みっちりした身は、しっとりとほどける。

香りはスッキリで、ある種の柑橘を思わせる爽快感すら感じた。

 

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岩手産。

身(火入れ)は柔らか過ぎず、噛み締める喜びがある。

個人的に好きな食感。

調味料を用いておらず、濃密な旨味がある。

 

鰆のタタキ

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きっちり藁で燻したと思われる香り。

強い旨味があるので、燻香が良いアクセント。

 

アスパラ菜の漬け物

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館林産。海なし県なので野菜は地物を採り入れておられる。

 

海胆パフェ

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シャリに海胆を混ぜているので、ひたすら濃密。

シャリの酸味が活きている。

 

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鴨居(三浦半島)の3.5キロの蛸!

力強い食感に仕上げている点が個人的に好み。

噛みしめると旨味に加えて、濃厚な香りが広がる。

 

牡蠣

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産地は定評ある仙鳳趾。

100℃でしっかりと火入れされているため、みっちりとした身質に仕上がっているが、決して硬くはなく、むしろ凝縮されたペーストのような食感。

意外性のある美味しさで、仙鳳趾牡蠣の魅力を引き出す仕事。

柚子胡椒を混ぜた生海苔も小粋な付け合せ。

 

蝦蛄

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八幡浜。当地の蝦蛄を扱う仲卸は、豊洲で1軒のみとの事。

甲殻類の香りが強く、爪は甘みで満ちている。

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爪で舌鼓を打っていたところ、登場したのが脚肉!

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蝦蛄をさばいた事がある人ならば分かると思うが、大変手間が掛かる部位。

女将さんがさばかれたとの事で、甘みがひとしおであった。

 

鮑肝

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これも火入れはしっかりで、香りが強い。

 

茶碗蒸し

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このわたがたっぷり入った茶碗蒸し。

 

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巨大でビックリ(笑)

鮪の大トロに当たる部位との事で、バッチリ脂が乗っている。

しかし、ブヨブヨしておらず、後味が良い。

塩は当てておらず、皮のパリパリ感も魅力。

付け合わせの野菜は、板倉町のアイスプラント。

 

この後、握りに移行します。

 

ガリ

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酸味が強めで、ストレートに酸っぱい。

辛味もあり、甘みは極めて低い。

 

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淡路、800グラム。

香りの強さに加えて、余韻の強さが圧巻であった。

 

シラカワ

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標準和名・白甘鯛。八幡浜産、昆布〆。

初手は昆布が強めかと思いきや、シラカワの甘みが高まり、良き味覚的着地を見せる。

 

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佐渡。生姜を少量噛ませている。

脂が乗っているので薬味と調和する。

6日熟成。

 

次が鮨好きとしては最高に面白かった、小鰭の3貫連続食べ比べ。

全て同じ〆方で、寝かせる時間が異なっている。

 

小鰭

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当日の朝9時半〆(約11時間)。

身はしっとりしており、旨味ならびに香りも上品。

 

小鰭

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前日の朝9時半〆(約35時間)。

当日のものよりも身が締まり、香りが少し高まっている。

 

小鰭

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5日前の〆(約107時間)。

やはり最も美味しいのは寝かせたもの。

香りが深まっており、実に良い。

そして、何よりも余韻が高まっている点、シャリとの相性が向上している点が寝かせの効力。

寝かせて脂がこなれる事で、シャリの酸と乳化し易い。

 

更に、畳み掛けるかのような鮪4連発が炸裂!

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鮪赤身

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旨味がしっかりしており、酸味が脇を固める。

身質はしっとり。

旨味が強いので寝かせているのかと思いきや、競りは前日の朝との事。

これは意外にも旨く、勉強になった。

 

鮪トロ、血合いギシ

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これも旨味が強く、鉄の香りが上品に漂う。

 

鮪トロ、分かれ身

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鮪、分かれ身

脂が非常に強く、握りを掴む際、危うくスリップしそうになる(笑)

旨味は濃厚ながら、香りは上品。

実に印象深い。

以上の鮪の産地は竜飛で、漁法は延縄。

 

鮪大トロ

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大間一本釣りの腹カミ一番。

これは11日熟成。

魚体はそこまで大きくなかったが、脂の乗りは十分。

 

墨烏賊

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肉厚で隠し包丁も幅が広めなので、非常にバツバツ。

しかし、最後にとろり。

 

針魚

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プルプルな食感に脱水。

塩気は割と浸透していたが、〆時間は3~4分との事。

 

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漬け。これは素晴らしい仕事。

ねっちりとした身は舌に旨味を滲ませた後、瞬時に乳化する。

ひたすら強い旨味。

しかし、香ばしさが印象を引き締め、実に魅力的。

 

小柱軍艦

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大星(大きな小柱)。

甘みだけでなくジャクジャクした強い食感も楽しめる。

 

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鴨川産。火入れはしっとりで、調味は軽い甘みを付けている。

 

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肉厚でとろろん!

産地は青森との事であったが、八戸(八戸前沖さば)ではなかった。

脂はまろやか。

生姜を噛ませている点が個性的。

 

カイワレ

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昆布〆なので旨味に加えてトロミが付いている。

カイワレの香りが強く、昆布〆が巧みなので、野菜鮨でも嫌味無し。

ご当地のカイワレで、生だと辛いそう。

 

いくら軍艦

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秋のスペシャリテで、料理人も唸るとの事。

頂いてみて納得。

超濃密にねっとりと舌に絡み、皮は今時期でも柔らかい。

醤油漬けだが味噌漬けのように濃密、濃厚。

シャリに良い意味で勝つくらいの存在感!

 

ミル貝

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肉厚でジャグジャグした食感がワイルドで、甘みが強い。

噛みしめる程に香りが高まる。

そして、軽い苦味が引き締める。

 

エビ丼

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肉厚な天然車海老に10年継ぎ足しの海老出汁を用いたタレを使用。

丼形式はこれだけ見ると首を傾げる人がいるかもしれないし、8~10貫の構成の中であれば確かに不自然に映るだろうが、今回の構成の中だと精彩を帯びていた。

 

海胆

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口溶けの良い海胆で、甘く、明礬の収斂味は非常に弱い。

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北海道吉岡産、東沢の海胆で、2017年に1箱10万円を超えた超高級品だ。

 

穴子

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こんがりと仕上げているが、食感は柔らか。

煮ツメは濃厚。

穴子にも味が染みており、香ばしい。

 

玉子

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海老はそこまで香らず、甘みも弱めで、粘度は低い。

あまりかき混ぜず、意図的に「スフレ状の玉子」とは異なるものに仕上げている。

 

水菓子

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女将さん謹製のアイスクリーム!

砂糖を使用していないそうだが、大変美味しい!

 

以上、トータルで29,000円(お酒無し)とお会計は額だけ見ると高額。

しかし、内容を考慮すると心からの満足に値する額でした。

こちらは12,000円のコースもあるお店なので、親方としても最高のプレーヤーを揃えて臨まれた事は明白です。

再訪するとしても覚悟の要る立地ですが、それでも再訪したいと思わされる力強いお店でした。

幹事の友人に感謝いたします!

鮨おばなの立地と雰囲気

鮨おばな外観02

お店は館林駅から徒歩15分ほどの、旧館林城跡の近くにあります。

急ぎでなければタクシーではなく徒歩でも別に遠くありません。

 

お店はカウンター席9席に加えて、個室テーブル席1室、個室座敷1室です。

ただ、見た感じ、フルでは入れておられず、親方がきめ細かく作られています。

鮨おばな内観

接客は申し分無く、親方も女将さんも素敵な接客です。

味だけでなく、雰囲気も良い、和やかなお店です。

鮨おばなのお店情報と予約方法

お店の予約は電話のみとなります。

予約の難易度が上がっているため、3ヶ月前の予約が望ましいようです!

 

鮨おばな(食べログのリンク)

店名:鮨おばな

シャリの特徴:お米2種をブレンドし、赤酢主体で、硬めに炊きつつ弾力感のあるシャリ。

予算の目安:おまかせ16,500円~33,000円

TEL:0276-72-1604

住所:群馬県館林市大手町5-1

最寄駅:館林駅から1,000m

営業時間:火〜土17:30~21:30(最終入店20:00)、日・祝12:00~、15:00~

定休日:月曜、ほか臨時休業

 

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本記事はすしログ No. 259をもとに最新情報を記載しました。

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