こちらは創業天保年間(1831年〜1845年)の京寿司の老舗です。
かなり前に冬の【むしずし】を頂くべく訪問した事があります。
【むしずし】は非常に優しい味わいで、「強い印象」は無くとも寒い京都の冬に和む、じんわりとお腹と心に染み入る一品でした。
過去の写真は携帯撮影な上に、オリジナルファイルが無いため、一度一眼レフを携えて冬に訪問したのですが、敢え無く臨時休業。
いつか改めて頂きたいものです。
この度は【むしずし】が始まる前の10月の訪問でしたので、もう一つの名物【さばずし】を目当てに訪問しました。
店内は街に馴染んだ風情があり、什器はざっくばらんですが、逆にそれが良いです。
過去に訪問した時と同様に、寛ぎを覚えました。
こちらの【さばずし】は1本4,000円で、【6切れ】が2,000円。
【6切れ】を頼み、【お吸物】450円も付けました。
さばずし
非常に端正な見た目で、佇まいが凛々しい鯖棒寿司。
頂いてみると鯖の脂はノリノリ。
しっかりと〆つつ、身はぷるぷるで、しっとりした食感。
脂が横溢し、香りも楽しめる良い鯖。
酢飯は甘みがありつつ酸味も比較的強め。
みっちりと詰めているが、お米の粘度は低く、はらりとほどける。
白板昆布は食感的に全く障らず、ひとえに花を添える。
鯖の塩気と白板昆布の甘み、酢飯の甘みと酸味が一体化する、秀逸な味わいの鯖棒寿司だと実感した次第。
お吸物
椀種は鯛、椀妻は麸とエノキ、吸い口は三ツ葉、スダチと賑々しい。
そして、出汁も塩気もしっかり目。
鯛には一汐されている模様。
個人的に吸い物はシンプルなものを好むが、こちらではこれはアリではないかと感じた。
鯖寿司がシンプル且つ端正で、鯖の脂も乗っているので、吸い物が強い味わいでも煩くはなかった。
冒頭の【むしずし】は11月~3月の提供で、1,600円。
冬以外も提供するお店がある中、冬期限定と言うのは潔い。
他に【穴子箱寿司】1,200円、【京風箱寿司】1,350円と、歴史あるお店でありながら価格はリーズナブル。
それだけに看板メニューの価格設定には矜持を感じさせる。
個人的に【むしずし】との再会に加えて、【箱寿司】も試してみねばと強く感じてお店を後にしました。
店名:京のすし処 末廣(きょうのすじどころ すえひろ)
予算の目安:さばずし1本4,000円、さばずし6切れ2,000円など
最寄駅:京都市役所前駅から600m
TEL:075-231-1363
住所:京都府京都市中京区寺町二条上ル要法寺前町711
営業時間:11:00~19:00
定休日:月曜
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