すしログ日本料理編 No. 132 魚清楼@大津市(滋賀県)

こちらは創業から300年近い歴史を誇る滋賀の老舗です。

魚清楼

現在の建物でも150年ほど経っているそうで、設えと琵琶湖に面したロケーションは圧巻の一言!。

魚清楼

すぐそばには【堅田落雁】で知られる浮御堂がたたずみ、湖の対岸には「近江富士」と呼ばれる三上山がそびえる。

浮御堂

近江富士

何と優雅な借景でしょうか。

極上の空間で頂く名物料理は【ホンモロコの炭火焼】と【鴨鍋】となります。

尚、ホンモロコは琵琶湖の固有種ですが、近年漁獲量が減っており、1994年頃までは200〜400トンで安定していたところ、2007年には僅か7トンにまで下がってしまいました。

ブラックバス、ブルーギルなどの外来種の増加が主要因。

滋賀県は稚魚の放流に取り組み、2015年に16トンまで回復させております。

(出典:近畿農林水産統計年報平成27~28年)

まだまだ最盛期には及びませんが、今回調べて少しホッとしました。

また、鴨鍋については琵琶湖を代表する郷土料理の一つ。

前に長浜の鳥新さんをご紹介しましたが、味付けや調理法が異なるため、お店ごとの魅力がように感じました。

鴨こそ、滋賀県では禁猟となっているものの、伝統的な調理法は受け継がれているので、現地で頂く喜びがあります。

都会のど真ん中で頂いても、同じ味は決して楽しめないでしょう。

郷土料理は風土と文化と合わせて頂いてこそ美味しいものです。

浮御堂

干菓子には浮御堂

鮎とホンモロコの佃煮

先付

鮎とホンモロコの佃煮。

ともに風味しっかり。

鯉のお造り

鯉のお造り

骨はほぼ当たらず、技術を感じさせる。

クセは無く、美味。

ホンモロコの炭火焼

ホンモロコの炭火焼

お皿でずらりと登場して、テンションアップ!

ホンモロコの炭火焼

1匹1匹、女将さんが丁寧に焼いてくださった。

ホンモロコの炭火焼

端的に述べると、最高に美味しい。

カリッ!と弾けた後、しっとりな身はホロホロとほどけ、びっくりするほどの甘みが広がる。

骨は柔らかい。

最後に軽やかな苦味とモロコの香りがじんわりと広がる。

ホンモロコの炭火焼

予想以上に美味しく、今までに頂いたホンモロコの中で最高峰であった。

時期的に子持ちとそうでないものを両方楽しめたのも嬉しい。尚、付け合わせの調味料は甘酢と生姜醤油。

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酢は酸味が強いものなので、どちらか一方よりも両方付けた方が美味。

勿論、何も付けずにそのまま頂いても美味しい。

鮒鮓

鮒鮓

自家製のものがあるとの事で、追加オーダー。

大振りなものは1尾1万円ほど。

半身で頂いた。

今回の鮒鮓は一年モノ。

発酵の香りはしっかりしているが、酸味は上品。

鮒鮓特有のビリビリ来るような酸味は柔らかである。

特筆すべきは旨味の強さで、特に卵の旨味が強い。

飯の部分はにおい的なクセが無く良い。

鮒鮓

存在感ある力強い味わいだが、惜しむらくは化学調味料を使用されている点。

長期熟成による発酵の旨味を人工的な旨味で重ねる必要は、皆無。

非常に残念なので、是非とも止めて頂きたい。

元々の味わいは美味しいので、訪問される方は「化学調味料抜き」とお伝えされる事を推奨する。

鴨すき

鴨すき

部位は胸肉とモモ肉。山椒がまぶされている。

タタキ(つくね)で出汁を取るのは、鳥新さんと同様。

鴨すき

味付けも砂糖と醤油だが、最大の違いは砂糖の使用量。

こちらは非常に控えめで、投入は最初の一回のみ。

鴨すき

しっかり目の出汁が主体となり、キリッとした味わいの鴨鍋である。

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肉は大変旨く、野趣も十分に楽しませて頂いた。

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また、こちらも野菜が美味しい。

芹がシャキシャキで上品な香り、ネギは矢張り甘くてとろける。

こちらのつくねは粗く叩いており、骨の食感を残している点が面白い。

鮴の佃煮

鮴の佃煮

香の物

香の物

雑炊

雑炊

雑炊

雑炊

水菓子

水菓子

鮒鮓は丸々1本が1万円との事だったので、半身の半分で1人2,500円くらいでしょうか。

税サ込のトータルで14,286円でしたが、決して高額では無いかと思います。

 

店名:魚清楼(うおせいろう)

食べるべき逸品:ホンモロコの炭火焼き、鴨すき。

予算の目安:8,000円〜15,000円

最寄駅:堅田駅から1,700m

TEL:077-572-0009

住所:滋賀県大津市本堅田1-17-3

営業時間:12:00~22:00

定休日:要確認

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