こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
近年、再び鮨店が増えている印象の赤坂エリア。
今回ご紹介する「鮨こまり」さんは、2022年6月にひっそりとオープンした新店です。
すしログ
どのような経歴か伺いませんでしたが、確かな修行を実感する鮨を頂けます。
コストパフォーマンスが話題になりがちですが、それ以上にスキルが確かなお店です。
とはいえ、期間限定で【夜のにぎりコース(18品)】12,000円や【お昼のにぎりコース(13品)】5,000円を食べログ予約で提供されているので、気になる方はお早めの訪問が良いかと感じます!
すしログの情報リンク【すしログライブラリー】
赤坂「鮨こまり」の魅力とは?
「鮨こまり」は赤坂駅から少し離れた場所にあり、かなり落ち着いた一角です。
内装はカジュアルですが、決して安っぽくはなく、寛ぎを覚える良き空間です。
こぢんまりとした店内に置かれた一つの「小毬」。
親方の福嶋敏さんにお伺いすれば、店名にちなんで、工務店の方が餞別としてお贈りされたそうです。
粋なエピソードです。
福嶋親方は埼玉で修行の後にお店を開業された後、腕を上げるために都内の有名店を渡り歩いたそうです。
「どこどこ出身、という枠組みが当てはまらないんですよ、自分」との談です。
お話を伺うと、都内の鮨事情にも詳しい方だと感じました。
ひっそりとした場所にお店を出した理由については、「それを話し始めると1時間じゃとても終わらないんですよ」とのことで、気になりました(笑)
ちなみに、奥様は別のお店で女将をされているそうです。
鮨を頂いてみると、実直な修行と確かな魚の目利きや仕立てのスキルが分かります。
特に、寝かせの仕事の精度で実感しました。
福嶋親方はクラシックなタネの仕事の精度が高く、同時に、当世流行りのタネも併用されます。
比較的脂が強い魚種を使いつつ、ヘヴィすぎないため、メリハリが効いていると感じました。
幅広い層に訴求するタネの選択と構成です。
(個人的に、煮ものが無い点と巻物が干瓢ではない点が少し寂しく感じました)
リーズナブルなランチのお決まりであっても、使用する山葵は本山葵。
シャリは赤酢主体で米酢をブレンドしており、酸味が立ち、塩気も効かせています。
お米は粒が立ち、ぱらりとほどけ、赤酢由来の旨味が強いです。
炊き加減はやや柔らかめですが、もちっとした反発と、ぱらっとほどける爽快感がありまる。
お米はササニシキとの事でした。
「鮨こまり」のコースの詳細
この度頂いたのは【お昼のにぎりコース(13品)】5,000円です。
日本酒はお任せで頂くスタイルで、半合からのオーダーが可能です。
この度頂いた日本酒
- 赤武 AKABU 純米吟醸(吟ぎんが、50%)
- 一歩己 純米吟醸(夢の香、55%)
- 農口尚彦研究所 純米 無濾過生原酒 五百万石2020(60%)
綺麗な酸が一杯目に良い。
赤酢のシャリと合わせると甘味と旨味のボディが引き立つ。
その後の日本酒も魅力的。
【一歩己 純米吟醸】は、メロン香がありながら、酸味と苦味が食中酒として活きる純米吟醸酒。
【農口 五百万石2020】は、熟成の頼れる香り。
熟したバナナにクローブなどのスパイスを掛けて焼いてから冷やして落ち着かせたような香りだ。
力強い苦味が余韻となり、長く続く。
無濾過生原酒の2年熟成モノの力を実感する。
ガリ
酸味、甘味、辛味の全てが穏やかで、優しいタイプ。
ただ、食感はシャキシャキで、旨味もあり、モダンな方向性だ。
鮃
岩手県産。
みっちりした身は、ぱつりと弾けつつとろりととろけ、巧く寝かせている。
旨味が主体の鮃の仕事。
墨烏賊
パツパツした、出水産(恐らく)らしい食感だ。
斜めにほどける包丁の入れ方が個性的で面白い。
小鰭
佐賀県産で〆てから3日。
皮はしっとりと柔らかく、旨味が強い。
良い〆加減で、香りも良い。
さらに、余韻がある小鰭で、仕事の妙を感じる。
帆立
肉厚なものを、割かずにぷるんとした食感で提供する。
咀嚼して甘味と香りが強まる。
塩と酢橘を使用。
宮城県産。
鰹
こちらも宮城県産。
今日はたまたま宮城が多いなとの談である。
玉ねぎ酢醤油を使用。
さらに、鰹節を噛ませている。
鰹の酸味と香りが調味料と合う。
カマス
肉厚で、みっちり、とろり。
炙ってもカマスの香りがあるので楽しめる。
黒ムツ
銚子産。
脂がノリノリで、提供温度が良い。
温かめではなく、ぬるめ。
よって、黒ムツらしい脂と香りを楽しめる。
足し算ではなく温度で味をコントロール出来る点で技術を感じさせる。
鰤
大根に酢橘を使用した、要は鰤しゃぶの表現だ。
強い脂の鰤なので大根おろしが合う。
鯵
鯵に長ネギとは珍しい。
ネギの香りとシャキシャキした食感が強く、その後に鯵の脂と香りが広がる。
蝦蛄
岡山県産とは嬉しい!
甘やかな香りが強く、実に香ばしい。
頂いてみると、実際に甘味が強い。
漬けの仕事も活きている。
鮪赤身
八戸産の194キロで、部位は血合いギシ。
旨味が強く、口当たりと食感は滑らかで、鉄の香りと酸味も楽しめる赤身。
正しく血合いギシの赤身らしい味わいだ。
ちなみに、仕入れは樋長さんとのこと。
カッパ巻き
山葵を効かせて、鰹節を加える。
極細切りキュウリの香りと食感が爽快。
「鮨こまり」のお店情報と予約方法
WEB予約については、食べログ経由で可能です。
店名:鮨こまり(すしこまり)
シャリの特徴:赤酢と米酢をブレンドし、酸味と塩気をともに効かせたシャリ。
予算の目安:ランチおまかせコース5,500円、日本酒ペアリングコース14,300円
TEL:03-5544-8355
住所:東京都港区赤坂2-12-25
最寄駅:溜池山王駅から250m、赤坂見附駅から650m
営業時間:12:00〜14:30、17:00〜22:30
定休日:日曜
関連する記事
ご近所の鮨店、すし晴さん
鮨バブル沈静化を期待する、すしログ(@sushilog01)でした。
本記事のリンクには広告がふくまれています。