2011年に西荻窪で開店し、2015年に西荻窪の違う場所に移転したお店です。
移転前から知人から聞いて気になっておりました。
移転後のお店に訪問すると、以前よりも高級感が漂っており、少し驚きました。
しかし、お店に入ると、内装に過度にお金をかけておらず、それでいて落ち着ける雰囲気なので、ひと安心します。
こちらはお任せとなるため、まずは小瓶でビールを一杯。
全体の流れとしては、酒肴と握りが交互と言う訳ではありませんが、織り交ぜて繰り出されるようです。
移転前は握りのコースが有ったので、移転して流行りのスタイルに変更されたようです。
まずはお造りから出てきます。
メイチダイ
西日本ではお目にかかる魚。5日熟成。
ホウセキハタ
こちらは10日熟成。旨味と食感のバランスが良く、ご主人の熟成の勘所を信頼出来た。
塩で軽く〆ていることが奏功している。
アカムツ
軽く炙っており、香りが良い。
ガリが出てきたので、握りに入るサイン。
甘みが薄く、好印象。
鰤
甘みが強く、ねっとりとした食感。
時期を考慮すると、熟成によって巧いこと旨味を補強している印象。
なお、シャリは赤酢を結構利かせており、
中央線の鮨店としては相当エッジが立っております。
硬めで酢を立たせた個性的な味わい。
ネックとしては赤酢が強すぎる点と、硬さが不均一な点です。
交換の度にシャリが変わるのは改良されたほうが良いかと思います。
春子の蒸し寿司
面白い変化球!嫌味なくリズムを変えてくれて楽しめます。
餡は鰹を利かせており、酢橘との相性が良く、春子の軽い炙りが香りを与えております。
鰆
炙りが奏功しており、柚子胡椒を噛ます。
味わい的に反則一歩手前ですが、香ばしさと辛味が面白い。
ただ、一連の鮨を頂き早くも感じたのが、塩分の強さ。
結構パンチの有る塩気なので、お酒を飲む人には最適ですが、
お茶派や下戸の方にはしょっぱいかと思われます。
僕は鮨店では余り飲みませんが、こちらではビールに加えて三合頂くことに。
鯵
淡路。2日熟成。旨味と香りを上手に引き出されております。
目光の焼き物
非常にジューシーに焼いており美味しいです。
しかし、魚のチョイスが酒飲み向けですね〜
秋刀魚
強めに〆つつ、ねっちりした食感。
旨味を肝醤油で補強しております。
鰹
塩〆。酢橘と玉ねぎチップで。
鰯
5日熟成。非常に細かい包丁。
塩の使い方が良く、脂も乗っていて旨い。
白烏賊
2日寝かせた白烏賊に山ワサビ、芽ネギ、鰹節を和えたもの。
山ワサビの香りが立ち、心地良い。
エボ鯛
3日熟成。炙り。
ツブ貝
1.3kgという、非常に大きなツブ貝。
甘みと香りが強く、クセは無い。
鮟肝の手巻き
山口産。赤酢のシャリが勝つ印象。
鮟肝は甘みを強め、生姜を利かせて調整されているようでしたが、それでも…
帆立茶碗蒸し
毛蟹の手巻き
海苔の風味とシャリのバランスが良好。
海胆とイクラ
海胆のミョウバンが強すぎて失速 …
鮪大トロ
カナダ産。脂が強く、大衆ウケする味わいの鮪。
恐らく意図的に出されているのでしょうが、赤身が無くて大トロのみとは意図が分かり易すぎる…
穴子
宮城産。西日本の調理法を思わせる、パリッとした焼き加減。
これは結構好みでした。
椀
あおさの味噌汁
出汁巻き玉子
上記に加えてビール小瓶、お酒3合で14,150円と言うのは割とリーズナブルかと思います。
熟成鮨という仕事、提供スタイル、お店の雰囲気を考慮すると、中央線の鮨店としては非常に貴重でしょう。
そして、熟成種を連発されないところは好印象です。
熟成種が続くと、舌が疲れてしまうので。
ただ、鮨マニア的な観点だと、握りが少々弱いように感じられました。
特に上質なタネが少ない点、江戸前のタネが少ない点と、ここでしか頂けない仕事(スペシャリテの一貫)が無い点はネックです。
何も全て江戸前を求めているわけでは決してありませんが、季節の変遷を感じさせる江戸前の象徴的なタネを混ぜられた方が面白いように感じます。
時を経て再訪してみたいと思います。
店名:まるふく
シャリの特長:赤酢を非常に強く利かせ、硬めの中央線では珍しいシャリ。
予算の目安:12,000〜16,000円
最寄り駅:西荻窪駅から250m
TEL: 03-3334-6029
住所: 東京都杉並区西荻南3-17-4 第五PRビル1F
営業時間:18:00~21:30最終入店
定休日:日曜
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