すしログ日本料理編 No. 15 柳家@瑞浪(岐阜県)

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郷土料理のお店としては異例とも言えるほどに全国的に有名なお店ですね。

岐阜県の山奥にありつつ、確か数年間、食べログで全国1位に君臨しておりましたが、伺って女将さんからお話を聞くと、実は創業70年を誇る老舗との事で驚きました。

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夏は鮎と鰻を供し、冬はジビエ(野生の鳥獣肉)を供す。

調理法は基本的に、囲炉裏での炭火焼き。

味付けは生姜を僅かに利かせたタレのみ。

言い訳の出来ないシンプルな調理ですが、訪問してみて期待値を大きく超える味わいに心から感銘を抱きました。

日本流のジビエ料理の魅力を伝えてくれる、稀有なお店だと感じます。

 

ジビエと言う言葉は今や広く知れ渡る事となりましたが、素材の質が見極めにくく、プロの料理人でも判断するのが難しいと聞きます。

なので、ヘタなところで食べて「美味しくなかった」「臭かった」とネガティブな感想

を持たれた方も少なくないでしょう。

僕もこどもの頃に猪を頂きましたが、そこまで琴線に触れませんでした。

もっと一般的な鴨にしても同様でした。

しかし、ここ数年で、フランス料理店でジビエを頂きジビエの魅力を認識し、旨味、食感、香りが素材の質、熟成方法、調理法で大きく変わる事に気付きました。

一般的に食される牛、豚、鶏以上に変化の幅としては大きいように感じます。

そういった中で、こちらの柳家さんは極めて上質な鳥獣をベストの状態、絶妙な火入れと味付けによって心ゆくまで楽しませてくれる名店だと体感しました。

正しく日本のジビエの面白さを再認識させてくれるお店です。

 

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仲間と囲炉裏を囲み、お店の方が焼いてくださるのを待つ時間。

魅力的な香りを立てて各素材が焼き上がる時間もまた、一つの贅沢だと感じます。

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【蜂の子(スズメバチ)】

生姜をしっかり利かせ、こちらは柔らか目の仕上げです。

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【新ものの筍】

1月上旬に筍が出てきたため、思わず塩か塩水で保存していたものかと思いましたが、

なんと生の新ものとの事で嬉しくなりました。

若々しい苦味と爽やかな香りが鮮烈で、タレが甘みを補います。

食感も硬い事は無く、噛みしめると春の息吹を感じます。

(尚、こればかりは三重県産との事でした)

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【箸休め】

生の大根に多めの塩を掛けたもの。

シンプルですが、ジビエと頂くには素晴らしき相性です。

ジアスターゼを補給出来るのもありがたい。

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【真鴨の笹身】

淡白な旨味の後に爽やかな血の風味がふわっと香る。

初手から笑顔になる。 

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【真鴨の首肉】

焼いている時から、脂の焦げる匂いにネギの香りが混ざり垂涎。

笹身よりも甘く、香りがあり、頂いているそばから食欲が高まってゆく。 

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【真鴨のロース】

繊維は柔らかく、脂の旨味と血の香りのバランスが良い。 

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【月の輪熊】

小さなサイズとの事で、程よい脂。

噛みしめた時の肉の離れ方が面白く、スススッと音がする。

肉はすっきりした味わいで、熊らしいパンチが少なく、食べやすい。

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【猪】

脂に濃厚な旨味が有り、ひたすら旨い。

脂の繊維質は細かく千切れ、じゅわっと滲む。

熊本産の馬肉の脂の繊維質に似ている。 

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【小鴨】

感銘を抱いた程のクオリティ。

一見すると脂が少ないが、身自体に芳醇な旨味と香りを溜め込んでおり、噛みしめる度に魅了される。

少し形容矛盾となるが、繊細さと荒々しさを併せ持つ肉だと感じた。

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【鴨鍋】
鴨は皮を炙っており、鍋にして香ばしい。

牛蒡の香りも良く、出汁自体が上質。

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焼き物のレヴェルの高さに圧倒された後ながら、滋味溢れる鍋に魅了された。

具の芋や蕪は別に調理されており柔らか。

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【自然薯ご飯】

麦ご飯に自然薯を鰹出汁でゆるく溶いたもの。

ついついお替りを連発してしまう。

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香の物

 

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デザート

 

日本における狩猟の期間は11月15日~2月15日までとされており、特に1月〜2月は常連さんでも予約を取ることが難しいそうです。

ですので、予約を取れる友達から幸運なお誘いがあった際は、多少の無理をしてでも訪問されることをオススメします(笑)

 

店名:柳家

食べるべき逸品(冬):圧倒的な肉質を誇る珠玉のジビエ

予算の目安:13,000円~

最寄駅:なし、車がベター

TEL:0572-65-2102

住所:岐阜県瑞浪市陶町猿爪573-27

営業時間:火~土11:00~22:00、日12:00~21:00

定休日:月曜

※4人以上の完全予約制となります

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