こちらは1888年(明治21年)に創業された和菓子屋さんです。
「生菓子司」を謳っており、京都の夏を代表する和菓子、「錦玉」で有名なお店です。
「錦玉」は糸寒天を煮溶かして砂糖を加えて固めた御菓子。
瑞々しさや光を帯びる煌めきが体感温度を下げてくれます。
とりわけ松彌さんは、京都在住の和菓子好きな友達が意匠の美しさを絶賛しているため、京都に夏に行く機会があれば是非とも入手したいと思っておりました。
お店は閑静な新烏丸通にあり、お店が発する雰囲気も落ち着いております。
知らなければ入らないであろう、通りに馴染んだ雰囲気。
お店の中もざっくばらんな雰囲気で、日常使いの和菓子屋さんと言った印象です。
お目当ての錦玉は、訪問当日は【金魚】のみ。
【花火】や川に泳ぐ鮎を表現した【貴船川】も気になっていたので残念でしたが、代わりに季節ものの紫陽花(金団)を頂きました。
なお、【金魚】はほぼ錦玉のみで作られておりますが、他の2品は錦玉と羊羹を組み合わせておられるそうなので、味わいや食感は結構異なるのではないでしょうか。
チャンスを見つけて再訪したいと思います。
紫陽花
こちらの紫陽花の金団はモダンな色合い。
薄い青や紫、薄紅色で表現される事が多いように感じるので、明るく鮮烈な印象を与えます。
餡の口溶けは良く、甘さも強くなくさっぱりです。
金魚
こちらの名物である錦玉の御菓子。
立体的なドーム状の形状と乱反射する光が、実際よりも広く大きく感じさせ、金魚が自由に泳いでいるような印象を与えます。
実に清々しい。
金魚はリュウキンとデメキンで、姿形が異なる点が芸細です。
梅酒を少々使っているそうで、軽やかな風味があります。
寒天は食感が強く甘みもそれなりに。
金魚部分は羊羹製らしいですが、風味や食感は殆ど感じず、ひたすらに寒天部分の瑞々しい食感が清涼感に繋がります。
見た目も素晴らしいですが、味わい的にも個性があり、京都の和菓子の面白さを感じさせてくれるお店です。
店名:松彌(まつや)
予算の目安:1個300円前後
最寄駅:京都市役所前駅から340m
TEL:075-231-2743
住所:京都府京都市中京区新烏丸通二条上ル橘柳町161-2
営業時間:10:00~18:00
定休日:月曜、第3火曜、年末年始、お盆
本記事のリンクには広告がふくまれています。