こちらは東京・築地にも支店を構える、福岡が誇る水炊きの老舗です。
創業は1910年(明治43年)と、福岡市内のお店でも長い歴史を誇ります。
水炊きの起源は明治中期に九州縦断鉄道が開通し、鹿児島や宮崎の薩摩鶏、プリモース系の地鶏が博多に届くようになった頃、とされておりますので、かなり早い段階にオープンされたお店だと言えるでしょう。
水炊きは鍋料理ゆえに店舗ごとのブレは少ない料理ですが、ここはやはり福岡の本店で頂きたいと思っておりました。
お店の内外装は予想に反して新しかったものの、ランチの簡易的なコースであっても仲居さんが作ってくださるのは流石。
鶏肉はもちろん最初から煮込んでいるものですが、野菜の火入れなどにプロの技を見ました。
今回は3,400円の一番簡易的なコースを予約。
その上で、足りないものがあれば追加しようと言う魂胆でした。
結果的につくねを追加して、最後まで濃密な鍋を堪能しました。
内容的に満足度は非常に高く、コストパフォーマンスに優れております。
若いグループで賑わっているところもお昼の特徴だと感じました。
こちらのスープは非常に強い旨味を有しており、舌にバシバシと旨味が響きます。
それでいてクドく無く、自然な旨味。
水炊きにありがちな鶏の臭みも皆無で、いくらでも飲めてしまうスープです。
このスープを頂けば、如何に上質な鶏を用いているかが分かります。
「土を踏んで育った鶏以外使わない」「雌鶏は脂が多く、肉の骨離れも悪いので使わない」「雄鶏でも、3ヶ月から6ヶ月ぐらいで体重1kgを切るものを使用」と言った素材に対する独自の哲学が奏功しております。
先付
茹でた胸肉を梅肉醤油で頂きます。
胸肉ですが旨味が強く、鍋への期待が高まりました。
鶏スープ
水炊きと言えば、名刺代わりの鶏スープ。
前述の通りの素晴らしい味わいで、訪問した事を嬉しく思う。
ちなみに、スープは何回も注ぎ足して頂けます。
薬味は九州名物のコウトウネギ。
鶏肉
ホロホロと柔らかく煮込みつつ、繊維質も残しているため食感が良好です。
皮はトロトロで、気になりません。
基本的に骨周りの肉なので、旨味がしっかりと残っております。
自家製ポン酢
大分産のカボスを用いた、完成度の高いポン酢。
出汁が旨く、酸味も強すぎず、鶏肉とスープを邪魔しません。
〆のスープご飯に使っても上手いこと調和が取れるのは秀逸でした。
ちなみに、塩は吐噶喇(トカラ)列島にある小宝島で作られている、温泉塩を使用。
調味料も選び抜いたものを使用されているのは素晴らしいです。
つくね
これは追加して正解でした。
ぷりぷりとした食感が良く、香りと旨味がストレートに伝わるつくねです。
野菜
前述の通り、中居さんの調理が良く、鶏スープを吸い込んだ野菜は贅沢な料理。
野菜ごとに投入のタイミングをずらす事で、各野菜によってベストの食感を楽しめます。
スープご飯
雑炊ではなくスープを掛けた茶漬式のご飯と言うところが斬新。
スープに米が溶け込まないため、鶏スープならではの風味を、サラッと頂ける点が魅力です。
お替り必至な上質な〆でした。
水菓子
抹茶、珈琲、ほうじ茶味から選べるプリン。
僕が選んだのはほうじ茶。
プリン部分は牛乳の風味が濃く、モダンな味わい。
食感は軽やかなので、さっぱりと頂けます。
ほうじ茶の風味も強すぎず良好。
水炊きに良い思い出が無い方は是非とも訪問して欲しい名店です!
店名:新三浦 博多本店(しんみうら はかたほんてん)
食べるべき逸品:上質な水炊きと自家製ポン酢。
予算の目安:お昼3,400円〜、夜6,000円〜
最寄駅:千代県庁口駅から850m
TEL:092-291-0821
住所:福岡県福岡市博多区石城町21-12
営業時間:12:00~15:00、18:00~22:00
定休日:日曜
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