すしログ日本料理編 No. 88 田舎庵@小倉(福岡県)

こちらは小倉を代表する、1926年創業の老舗鰻店です。

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わざわざ「昭和元年創業」と謳っているので、創業日は1926年の12月25日から31日の間、師走の年の瀬に開店された事が推測されます。

(12月25日に大正天皇が崩御したため、元年は1週間のみ)

 

5~11月の鰻の漁期には有明海や豊前海の天然物を頂けるチャンスがあるとの事ですが、養殖物であっても天然に近い状態で育てたものを仕入れているそう。

お店が掲げる良い養殖鰻の条件については、勉強になるのでご紹介。

1.ニホンウナギであること(日本で昔から食べられていた種であること)

2.薄飼いをすること(過密養殖をしない)

3.水温を上げないこと(夏は暑く、冬は寒く自然の状態に)

4.餌を追わないこと(人間と同じで腹八分、無理やり太らせない)

5.長期飼育すること(1年半以上ゆっくり育てる)

 

そして、こちらは焼き方に特徴があり、「鰻に火をたくさん食べさせる」と表現されております。

肉厚の鰻を「高温」で「長時間」焼く事により、独特の火入れを実現されているそうです。

 

この度頂いた料理は【うざく】500円、【肝焼】500円に、【せいろ蒸し(梅)】2,500円。

火入れを体感すべく【鰻重】にしようか悩みましたが、一番のオススメを伺ったところ【せいろ蒸し】との事でしたので、そちらにしました。

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【うざく】と【肝焼】をアテに、ビールを飲みながら待ちます。

鰻屋は矢張り、生ビールではなく瓶ビールでやるのが一興ですね。

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うざく

鰻は僅かに一切れだが、炭の香りを効果的に纏わせ、カリッ、とろっとした食感を実現。

焼きの技術を感じさせ、期待が高まる一品。

酢は強めで、甘み控えめ、出汁の利かせ方も上品。

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肝焼

様々な部位を使っているのが特徴で、これも火入れが良い。

ぷりぷりで、とろっととろける。

紐はコリコリ。

鮮度のみならずボリュームも良く満足度の高い一品。

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せいろ蒸し(梅)

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福岡県では様々なエリアで食されるせいろ蒸し。

こちらのせいろ蒸しの特徴は、香ばしさとトロトロな蒸し加減。

炭火の香りが非常に強く付けられており、

ふんわり、トロトロした優しい食感と好コントラストを生み出している。

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タレを混ぜたご飯は甘みが利いているが、強すぎないため飽きが来ない。

また、蒸籠の香りもしっかりしており、実に食欲をそそる。

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肝吸いは出汁が良く、やや強めの昆布の塩梅。

肝を焼いてから使用している点も個性的だ。

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香の物も美味しく、卓上の山椒は香りも痺れも申し分ないクオリティで、お茶は【献上加賀棒茶】を使用しているなど、細部への配慮も完璧。

ただ、特徴的な火入れを体感するため、今度は【鰻重】を食べてみたいと感じました。

 

店名:田舎庵(いなかあん)

予算の目安:せいろ蒸し・松1,650円〜二段3,500円、蒲焼定食(or 鰻重)・松2,500円〜梅3,800円

最寄駅:小倉駅から450m

TEL:093-551-0851

住所:福岡県北九州市小倉北区鍛冶町1-1-13

営業時間:11:00~21:30(21:00LO)

定休日:無休(年末年始除く)

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