京都には夏らしい和菓子が色々ありますが、こちらの【夏柑糖】もその一つ。
戦後に主流となった甘夏ではなく、日本原産種の夏蜜柑を契約農家に作ってもらっているそう。
4月から8月が販売期間ですが、その年の出来高によって変化。
僕は8月下旬に伺いましたが、敢え無く終了しておりました。
しかし、夏柑糖が終了すると代わりに【晩柑】が登場するので、今回はそちらを頂く事が出来ました。
そして、もう一つの名物である【本わらび餅】も忘れてはなりません。
「わらび粉」はわらびの根っこから作られるでんぷん質の粉ですが、10kgのわらび根から僅か70gほどしか取れないと言われます(0.7%!)。
よって、巷の「わらび餅」はサツマイモなどのデンプン質を使用したものとなり、こちらのように100%わらび粉を使用したものは貴重な品となります。
晩柑
グレープフルーツを使用し、【夏柑糖】と同様に中味をくり抜き、果汁と寒天を合わせ、皮の器に注いで固めた水菓子。
グレープフルーツの軽い苦味が活きている。
そして、果実そのものを想起させる自然な味わいに加えて、粒を想起させるような口溶けが魅力。
一般的なゼリー程には硬くなく、絶妙な食感となっております。
本わらび餅
頂いてみると、極めてトロトロで驚く。
そして、わらび粉の独特な香りも感じる!
提供時、中心部は温かく、オーダー後の作りたてである事が分かる。
そして、しばらくすると氷水によって食感が変化。
とろけるような食感にもっちり感が付加される。
なので、2つの食感を楽しむために、急がぬよう!
秀逸な食感のわらび餅だが、脇を固める連中も良い。
黒蜜はベタッとしておらずサラッとしており、苦味が良い。
黄粉も大豆の香りがふわっと漂う。
どちらも自家製されており、黒蜜は通常糖度が80度程のところ、時間をかけて50度前後に仕上げているそう。
黄粉も国産の大豆をお店のわらび餅仕様に煎っているそう。
橙糖珠(だいとうじゅ)
嵐山店限定の品との事で、持ち帰りで頂きました。
橙を結晶化させたような美しい見た目。
頂いてみると、橙の香りが広がり、甘みだけでなく、苦味と酸味もほのかに漂う。
味覚の抑制に優れた和菓子です。
そして、砂糖のガリッとした食感は、何だか特別な感じで嬉しくなります。
店名:老松 嵐山店(おいまつ あらしやまてん)
予算の目安:晩柑648円、本わらび餅1,296円、橙糖珠3個入り756円
最寄駅:京福電鉄嵐山駅から260m
TEL:075-881-9033
住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町20
営業時間:店舗9:00~17:00、茶寮9:30~16:30
定休日:無休
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