こちらは川崎市高津区・梶が谷にある鮨店です。
コストパフォーマンスが高いランチ鮨を頂けると聞いて、長らくお伺いしたかったのですが、自身の活動範囲から大きく逸れている為、中々伺えずにおりました。
店内は住宅街の鮨店としては片肘張らずに寛げる雰囲気。
カウンターは9席で、小上がり的な個室が1室あります。
店内にはシャリ切りした後の心地良い香りが立ちこめておりました。
この度頂いたのは【上握り】3,240円。
「上握り」とは、あたかも街場寿司のような呼称ですが、内容としては握り10貫に巻物1本。
頂いてみて、タネのクオリティ、味わい共に優れた満足度だと感じました。
この価格で見事!と感じさせるタネを使用されております。
街場寿司ではなく、真っ当な江戸前鮨店の味わいです。
【握り】2,160円、握り7貫、巻物1本もあり、お昼から予約で満席になっている理由に納得致しました。
こちらのシャリは赤酢と米酢3種類をブレンドされており、酢は強め。
当初は温度が高めで、表面の粘度が少し高いかな?と感じましたが、馴染んでくると美味しいシャリでした。
(シャリ切りからもう少し時間を置けば容易に改善されるかと思います)
硬めに炊きつつ、もっちりした食感がある粒で、米自体の甘みも感じるシャリです。
どうやら、魚沼産のコシヒカリを使用されている模様です。
握りは8手以内で握られており、粒のほどけ加減はパラッと良い塩梅。
切り付けは少々野暮ですが、握りのテクニックは中々のものです。
ただし、唯一にして最大の懸念事項が、山葵のクオリティ。
「混ぜ」であるのは残念なところ。
気にされないお客さんが大半なのかもしれませんが、是非とも改善に着手された方がベター。
街場寿司のそれに比べるとクオリティはまだ上ですが、折角の仕事とシャリが勿体無いです。
頂いた握りは下記の通りです。
ガリ
割と強めに甘みを付加しつつ、辛味もあり、シャキシャキ。
1枚当たりが大ぶりなので、包丁を入れられた方が良い。
また、こちらは旨味が強いタネが多いので、ガリの甘みを落とした方が、味覚的に食の連続性が向上するかと感じる。
鮃
青森産。寝かしており、旨味がしっかり。
円やかな旨味を愛でていると、香りが高まり好印象。
甘鯛
八幡浜産、1週間熟成。
熟成により旨味を強めつつ、食感も残しており良い塩梅。
余韻しっかり。
縞鯵
鹿児島産。これも旨味しっかり。
白身魚で旨味が強いものを3連チャンとは、良い流れ。
鰤
余市の天上鰤。2000年頃から流通し始めたブランド鰤である。
ねっちりした身に脂が滲みつつ、香りと軽い酸味や鉄の風味がある。
これは旬真っ盛りの氷見の鰤とは異なる妙がある。
味噌汁
複数の魚のアラで出汁を取っているようで、旨味しっかり。
鮪赤身
大間産。酸味と香りがしっかり乗っている。
身が少々いかっているので熟成が浅いかと思いきや、13日目との事。
食感を残す熟成仕事か?
熟成に於いては食感を残す事が大切なファクターだと思うが、鮪に関しては身を柔らかくした方がベター。
鮪大トロ
こちらは熟成仕事が活きており、かなりねっちりした食感に脂が回っている。美味。
鯖
八戸産。強めに〆て、2晩ほど寝かせている。
流石八戸の鯖で脂が強く、とろけるような身質に仕上げた〆も良い仕事。
聞けば、最初は砂糖で〆て、塩を110分当てているそう。
鰆
三陸産。燻香は藁で付されており、少し強め。
旨味と余韻が強いので伺ったところ、熟成10日との事。
北寄貝
苫小牧産。包丁が少なく、シャクシャク感が強い。
甘みも十分。
海胆
北方領土産のエゾバフン海胆。
甘みが少々弱い(或いはシャリが勝っている)が、口どけは良い。
シャリとのバランスは悪く、あたかもおにぎりの様相。
鉄火巻き
たっぷり使用され、旨味がしっかり。
海苔の香りも良く、好印象で締めくくる。
水もの
青紫蘇のシャーベット。
紫蘇の香りが楽しめて爽やか。
近くの方は重宝する優良店だと思います。
ご訪問の際には予約をされた方がベターです!
店名:鮨 福原(すし ふくはら)
シャリの特徴:赤酢と米酢を効果的にブレンドし、多くのタネとの相性が良いシャリ。
予算の目安:ランチ握り2,160円、上握り3,240円
最寄駅:梶が谷駅から350m
TEL:044-863-7738
住所:神奈川県川崎市高津区末長1-51-13
営業時間:お昼:1回転目11:30~、2回転目13:00~、平日夜:18:00~22:00、土日祝:1回転目17:00~19:30、2回転目19:30~22:00
定休日:月曜
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