こちらは創業から300年近い歴史を誇る滋賀の老舗です。
現在の建物でも150年ほど経っているそうで、設えと琵琶湖に面したロケーションは圧巻の一言!。
すぐそばには【堅田落雁】で知られる浮御堂がたたずみ、湖の対岸には「近江富士」と呼ばれる三上山がそびえる。
何と優雅な借景でしょうか。
極上の空間で頂く名物料理は【ホンモロコの炭火焼】と【鴨鍋】となります。
尚、ホンモロコは琵琶湖の固有種ですが、近年漁獲量が減っており、1994年頃までは200〜400トンで安定していたところ、2007年には僅か7トンにまで下がってしまいました。
ブラックバス、ブルーギルなどの外来種の増加が主要因。
滋賀県は稚魚の放流に取り組み、2015年に16トンまで回復させております。
(出典:近畿農林水産統計年報平成27~28年)
まだまだ最盛期には及びませんが、今回調べて少しホッとしました。
また、鴨鍋については琵琶湖を代表する郷土料理の一つ。
前に長浜の鳥新さんをご紹介しましたが、味付けや調理法が異なるため、お店ごとの魅力がように感じました。
鴨こそ、滋賀県では禁猟となっているものの、伝統的な調理法は受け継がれているので、現地で頂く喜びがあります。
都会のど真ん中で頂いても、同じ味は決して楽しめないでしょう。
郷土料理は風土と文化と合わせて頂いてこそ美味しいものです。
干菓子には浮御堂
先付
鮎とホンモロコの佃煮。
ともに風味しっかり。
鯉のお造り
骨はほぼ当たらず、技術を感じさせる。
クセは無く、美味。
ホンモロコの炭火焼
お皿でずらりと登場して、テンションアップ!
1匹1匹、女将さんが丁寧に焼いてくださった。
端的に述べると、最高に美味しい。
カリッ!と弾けた後、しっとりな身はホロホロとほどけ、びっくりするほどの甘みが広がる。
骨は柔らかい。
最後に軽やかな苦味とモロコの香りがじんわりと広がる。
予想以上に美味しく、今までに頂いたホンモロコの中で最高峰であった。
時期的に子持ちとそうでないものを両方楽しめたのも嬉しい。尚、付け合わせの調味料は甘酢と生姜醤油。
酢は酸味が強いものなので、どちらか一方よりも両方付けた方が美味。
勿論、何も付けずにそのまま頂いても美味しい。
鮒鮓
自家製のものがあるとの事で、追加オーダー。
大振りなものは1尾1万円ほど。
半身で頂いた。
今回の鮒鮓は一年モノ。
発酵の香りはしっかりしているが、酸味は上品。
鮒鮓特有のビリビリ来るような酸味は柔らかである。
特筆すべきは旨味の強さで、特に卵の旨味が強い。
飯の部分はにおい的なクセが無く良い。
存在感ある力強い味わいだが、惜しむらくは化学調味料を使用されている点。
長期熟成による発酵の旨味を人工的な旨味で重ねる必要は、皆無。
非常に残念なので、是非とも止めて頂きたい。
元々の味わいは美味しいので、訪問される方は「化学調味料抜き」とお伝えされる事を推奨する。
鴨すき
部位は胸肉とモモ肉。山椒がまぶされている。
タタキ(つくね)で出汁を取るのは、鳥新さんと同様。
味付けも砂糖と醤油だが、最大の違いは砂糖の使用量。
こちらは非常に控えめで、投入は最初の一回のみ。
しっかり目の出汁が主体となり、キリッとした味わいの鴨鍋である。
肉は大変旨く、野趣も十分に楽しませて頂いた。
また、こちらも野菜が美味しい。
芹がシャキシャキで上品な香り、ネギは矢張り甘くてとろける。
こちらのつくねは粗く叩いており、骨の食感を残している点が面白い。
鮴の佃煮
香の物
雑炊
水菓子
鮒鮓は丸々1本が1万円との事だったので、半身の半分で1人2,500円くらいでしょうか。
税サ込のトータルで14,286円でしたが、決して高額では無いかと思います。
店名:魚清楼(うおせいろう)
食べるべき逸品:ホンモロコの炭火焼き、鴨すき。
予算の目安:8,000円〜15,000円
最寄駅:堅田駅から1,700m
TEL:077-572-0009
住所:滋賀県大津市本堅田1-17-3
営業時間:12:00~22:00
定休日:要確認
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