鮨が10倍楽しくなる旬魚の世界 No. 3~春~キンメダイ(金目鯛)

金目鯛

こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。

本記事は「旬の魚」をご紹介する「旬魚の世界シリーズ」です。

当シリーズでは、旬の魚の魅力を鮨ブロガーならではな目線で解説していきます。

今回は「キンメダイ(金目鯛)」についてご紹介します。

すしログ

魚の旬についての記事はたくさんありますが、鮨マニアが解説している記事は唯一無二かと!

楽しんで頂ければ幸いです。

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▼シリーズのまとめ記事はこちらです

キンメダイ(金目鯛)の基本情報と旬は?

金目鯛

標準和名:キンメダイ(金目鯛)

通称・別称:キンメ

英語名:Kinmedai, Splendid alfonsino

旬:マダイと同じく春と冬

キンメダイ(金目鯛)についてのすしログ的コメント

脂が乗った「冬のキンメダイ」を好む人の方が多いかもしれませんが、マダイを書いた後に丁度良いので、敢えて「春」でアップさせて頂きます。

金目鯛

さて、読者の皆様は、キンメダイが鮨種としては「新参者」であることをご存知でしょうか?

今や定番となっているので、あちこちで見かけると思いますが、実は、伝統的な江戸前鮨店よりも若手職人さんのお店で使われるのが一般的な魚です。

 

その理由としては、キンメダイが深海に棲んでいるため。

マダイが水深200m位に棲息しているところ、キンメダイは200m~800mに棲息しているので、昔の手漕ぎ船や設備では獲ることが出来ませんでした。

 

さらに、金目鯛は身がゆるく脂が多い魚なので、実は、昔は鮨職人から嫌われていたそうです。

鮨店で使われ始めたのは、かなり最近となります。

 

急激に人気が高まった理由は、現代人が肉でなく魚であっても脂を好むようになった為でしょう。

白身魚としては抜群の脂を誇っている事が、昔とは逆に人気を高める理由になったのは間違いありません。

 

そして、強い脂を持った魚は、シャリの酸味とが合わさることで、いわゆる「乳化」に近い状態となり、体感の美味しさが劇的に上がります。

これは鮪で赤身よりもトロの方が重宝されたり、アカムツ(ノドグロ)の人気が高まったりしている理由と同様でしょう。

 

また、従来の既成概念を破った職人さんの功績も大きいはず。

脂の乗った魚を、甘みが利いて酸味の低い昔のシャリと食べると、現代人であっても好みには合わず見向きもされません。

甘みが低く、酸味が強めで、温度帯が高いシャリを作り、金目鯛と合わせて成功した職人さんは抜群のセンスがあると思います。

 

さらに、シャリに加えて〆の仕事も必要です。

塩にせよ昆布にせよ、職人さんがどう〆るかで旨味と食感が大きく変わります。

なので、干物も煮付けも美味しい魚ですが、最近は敢えて鮨で頂く楽しみがあると感じます。

意外に、職人さんの個性も表れるタネなので!

キンメダイ(金目鯛)鮨における仕事(調理法)

金目鯛

キンメダイ(金目鯛)鮨における仕事(調理法)は以下の通りです。

  • 塩や昆布で適度に脱水もしくは〆る
  • 炙り
  • 湯霜

前述の通り身がゆるい魚なので、〆が必要です。

金目鯛の干物が美味しい理由は、水分が飛び凝縮していることも理由。

鮨であっても水分量を減らした方が美味しい。

 

また、皮目を炙ると香ばしさが付加され、脂も活性化されます。

炙りを用いず皮目を湯霜にして、皮を柔らかくする方法もあります。

食べる時はここに注目!

金目鯛

鮨で金目鯛を食べる時に注目するポイントはこちら!

  • 時期による脂の量
  • 食感

どんな魚でも同様ではありますが、特に脂が多い魚の場合、香りや旨味、その他の味覚よりも、純粋に脂を楽しむものだと思います。

特に金目鯛は白身魚としては香りが強くないので。

しかし、〆による脱水が不十分だと、食感がダレて、脂を嫌味に感じてしまいます。

ぷりっとした食感があるかどうかもポイントだと思います。

 

【プライドフィッシュ登録県】(カッコ内は旬)

千葉県(3~5月)、高知県(7~9月)、静岡県(12~2月)

 

※なお、伊豆半島で水揚げされる金目鯛には3種に分類され、面白いです

地金目鯛(ジキンメ、稲取キンメ)、島金目(シマキンメ)、沖金目(オキキンメ)

  1. 地金目:新島周辺、大島周辺など神津島より手前の特定海域で一本釣り
  2. 島金目:神津島周辺から八丈島周辺の特定海域で小型漁船が日帰りで獲る
  3. 沖金目:八丈島から青ヶ島あたりで、50トン級の大型漁船が数日間かけて獲る

掲載した写真のお店

鮨處やまだ(東京都)

喜邑(東京都)

久いち(東京都)

鮨菜和喜智(北海道)

鮨さかい(福岡県)

 

▼シリーズのまとめ記事はこちらです

 

鮨と魚をこよなく愛する、鮨ブロガーのすしログ(@sushilog01)でした。

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