ふじたや
こちらは宮島で圧倒的な人気を誇る穴子飯の専門店です。
筆者が出会ったのは中学生の頃。
10代前半の舌であっても、一口で魅了された至高の穴子飯となります。
以来、何回も訪問しておりますが、近年ミシュランの一つ星を獲得したためか更に人気が高まっている模様です。
もともとは1901年(明治34年)の創業なので、宮島口のうえのさんとほぼ同時期の誕生となります。
それでいて、味が全く違うところが面白い。
個人的に広島の穴子飯を代表する二大巨頭だと思いますので、是非とも食べ比べされてみてください。
もう一つの人気店・うえのさんとの比較
明らかな特徴の違いのみ挙げると、
うえの:冷めても美味しい、みっちり、炭が香ばしい
ふじたや:丼まで熱々、しっとり、穏やかな炭の香り
となります。
休日はオープン時間(11時)の訪問だと待ち時間が厳しいので、開店前の10時頃に訪問して、ボードに名前を書くのがベターです。
食好きな方は、厳島神社参詣の前にふじたやに駆けつけるのが必須です(笑)
ちなみに、9時半頃ではボードが置いてないので、ご注意を。
並ぶ際も同様ですが、くれぐれも近所の方のご迷惑とならぬよう…
ふじたやさん内観
店内は昔ながらの風情があり、古めかしくとも清潔です。
奥の中庭から差し込む光が気持ち良い。
店内のBGMはAMラジオで、これもまた変わらぬ魅力です。
ふじたやさんの料理
メニューは基本的に【あなごめし】2,500円のみ!
他店に比べて少しお高めですが、こちらは宮島産の穴子のみを使用されております。
うえのさんの記事でも言及しましたが、今や近隣の穴子は大変貴重。
しかも、昔から2,000円強でしたので、あまり値上げをされておらず、良心的に感じました。
こちらは筒漁で獲られた宮島産の天然モノである「金穴子」を使用。
そして、1匹100~120gの魚体のものを選ばれております。
【あなごめし】以外には、あなごの肝、穴子南蛮、鯛酒盗が各々800円であります。
焼き上がりを待つ間、【あなごの肝】を頂くことにしました。
メニューに記載されている句
・汐満ちて鳥居の霞む入り江哉
・薫風やともしたてかねつ厳島
・廻廊の柱の影や海の月
・宮島は只神さびて鹿の声
【あなごの肝】
しっとりと炊いており、穴子の香りが良い。
甘みも過剰すぎず、美味しい肝。
【あなごめし】
熱々の丼と熱々のご飯!
提供前にセイロで蒸す過程があるので、ご飯は熱々かつもちもちに。
そして、穴子はふんわり、しっとり。
それでいて江戸前の鰻の仕事のように蒸しているわけではないので、柔らかくとも穴子らしい食感も楽しませてくれる。
焦げ目が少ない上品な焼き上げであり、穴子が纏う炭の香りも非常に上品だ。
創業以来受け継がれているタレは程良い甘みに醤油を利かせ、少量を掛けている。
地方の穴子や鰻はこれでもかとタレを掛けている事が少なくないので、この点に老舗の上品な仕事を見る。
穴子自体の特徴として着目すべきは、矢張り香り。
こちらが何故地物の穴子にこだわられているかは、穴子の野趣ある香りゆえなのではないかと感じる次第。
吸い物の椀種は何故かホタテだが、吸い地は上品だ。
香の物は広島菜と安芸紫。
実は代替わりされた際にお伺いして、正直なところ味が落ちていた時期がありました。
昔から伺っているのでショッキングでしたが、今回お伺いしたところ、先代の味を取り戻されており、心より美味しく頂きました。
【2019年1月に再訪したので写真のみアップします】
冬ゆえの牡蠣のお吸い物に癒やされました。
ふじたやさんのお店情報
ふじたや(食べログのリンク)店名:ふじたや予算の目安:あなごめし2,500円
最寄駅:フェリー乗降口から1,200m
TEL:0829-44-0151
住所:広島県廿日市市宮島町125-2
営業時間:11:00~17:00
定休日:不定休
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