こんにちは、郷土料理や山菜・キノコが大好きな、すしログ(@sushilog01)です。
僕が「郷土料理ともん」さんに初めて訪問したのは2018年。
ゆうに5年ぶりの訪問となりましたが、最高でした。
とある生産者さんとお伺いしたのですが、こちらは素晴らしいお店だなあ…と、しみじみ思います。
ご主人、息子さんが採集された山菜やキノコ、淡水魚でおもてなし頂けるなんて、本当に幸せな事です。
山菜、キノコ、ジビエを扱う郷土料理系のお店だと、都心から行けるお店の中では最高峰だと思います!
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僕が「郷土料理ともん」さんを知ったきっかけは、首都圏でキノコや山菜を楽しめるお店は無いかとリサーチしたことです。
2015年頃に「発見」したものの、立地が立地なので訪問の機会を作れず3年の月日が経過しました。
そして、満を持して2018年11月に訪問したところ、キノコもいよいよ終わりか…と思っていたのに種々多様。
さらりと10数種出てくる点に感銘を覚えました。
そして、2023年に再訪した時も圧倒的な満足度で、食材力に感銘を覚えました。
そして、調理についても非常に魅力的です。
「郷土料理」を謳うだけあり「洗練」されてはいないものの、塩の振り方や揚げ方などは「郷土料理離れ」しています。
地方の郷土料理のお店や旅館などに行くと、砂糖による甘味が強すぎたり、安い穀物酢由来の酸味が強すぎたりするケースが多々ありますが、こちらは心配する必要がありません。
食材愛を感じる、好感を持てる調理と調味です。
よって、郷土料理や山菜、キノコ類が好きな方であれば、敢えて都心から伺う価値があるのは間違いありません!
単独訪問で一回、同好の士と共に一回お伺いした結論としては、可能であれば仲間と訪問する事を強くオススメします。
やはりワイワイ頂いた方が楽しくなる御料理です。
感動が大きい食材ばかりが使われるので、それを分かち合える人とお伺いすれば、いかなり居住地から伺っても「来て良かった…」と思うはずです。
ちなみに、少し変わった響きの店名は、ご主人のお名前「戸門」さんにちなみます。
…読み方は「とかど」さんですが。
ご主人の戸門 秀雄さんはアウトドア界では名の知れた方で、著書を多数上梓されています。
現在は2代目の戸門 剛さん、奥様と共に、ご家族でお店を切り盛りされています!
それでは、「郷土料理ともん」さんの御料理をご紹介します。
2023年12月に頂いた御料理は、下記のとおりです。
- 先付:舞茸、ナラタケ、アカモミタケ、ブナハリタケなど、蕨、フキ
- 盛り合わせ:蕗の薹の煮付け、蕗の薹味噌、山ウド、山葵の三杯酢漬け、野蒜の醤油漬け、野蒜の酢味噌一文字、ブナハリタケ、ムキタケ・ニカワハリタケ・クリタケ・アミタケ
- 天麩羅:天然キクラゲ、自然薯大葉挟み、オイカワ、むかごと銀杏、野蒜、芹
- カジカの唐揚げ
- カミナリイカの天麩羅
- キノコ鍋:なめこ、クリタケ、ウスヒラタケ、チャナメツムタケ、チチタケ、アカモミタケ、クレソン
- 焼きものと珍味:笹の上オイカワ、川エビ、アカシアの花、白鮭の肝の塩漬けとイクラ、イナゴ、蜂の子、ザザムシ、落ち鮎の幽庵焼き
- 鮎の一夜干しうるか醤油焼き
- 岩魚と蒟蒻の刺身
- 燻製:鹿の背ロース、ヤマメ、鮎
- キノコ鍋その2
- お食事:香茸、舞茸などの炊き込みご飯
- 玉子焼き、国産黒トリュフ
- 水菓子:柿の塩アイス
お酒については新潟県南部の酒蔵さんのものを多数そろえておられます。
キノコは舞茸、ナラタケ、アカモミタケ、ブナハリタケなどで、蕨、フキ、揚げ。
甘味を付けた家庭的な味わいでホッと安らぎ、食材の多様性が名刺代わりとなりテンションが上がる!
蕗の薹の煮付け、蕗の薹味噌、山ウド、山葵の三杯酢漬け、野蒜の醤油漬け、野蒜の酢味噌一文字、ブナハリタケ、ムキタケ・ニカワハリタケ・クリタケ・アミタケ。
いやあ、素晴らしい!
この方向性の料理が好きな人なら最高に楽しくなるだろう!
天然キクラゲ、自然薯大葉挟み、オイカワ、むかごと銀杏、野蒜、芹。
サクッと軽やかに揚げられていて、大人数相手いてながらに決して野暮ッたくない点に矜持を感じる。
生の天然キクラゲの天麩羅とは贅沢だ。
独特の食感に魅了される。
そして、オイカワは香りが良い!
そして、甘い!
自然薯の大葉挟みは正にアイデア賞だ。
高級店の海胆大葉挟みへのアンチテーゼとなる美味しさを山の食材で表現されている。
江戸前天麩羅とは元来、精進揚げを趣とするが、今や様々な肉類を揚げる。
それはそれで良いのだが、山菜の天麩羅は和牛や海胆などと遜色がない美味しさがある。
極めつけは野蒜で、とろっとろで香り抜群、実に甘い。
味が強い!
カジカを頂けるとは嬉しい限りである。
これはお誘い頂いたとある生産者さんが持ち込んでくださった。
山菜や淡水魚の合間に頂くと、殊の外斬新な感覚を覚える。
食感はもぎゅもぎゅしていて、甘味が強く、噛み締めると香りが込み上げてくるイカだ。
なめこ、クリタケ、ウスヒラタケ、チャナメツムタケ、チチタケ、アカモミタケ、クレソン、そして猪、鮎。
強烈な旨味と香りに我を失う。
それがキノコ鍋の蠱惑的な魅力。
笹の上に乗っているのがオイカワ、川エビ、アカシアの花、白鮭の肝の塩漬けとイクラ。
左がイナゴ、蜂の子、ザザムシ。
実に嬉しいラインナップだ!
全て美味。
巨大!!!
郡上の杉ケ瀬ヤナで頂ける落ち鮎も大きいが、さらに上を行くサイズ感で、正に驚嘆。
柚子の風味を効かせた幽庵焼きも味わいが強い鮎を活かしている。
この「メインディッシュ」は牛肉で言うと上等な黒毛和牛のシャトーブリアンに匹敵するが、稀少性で比べると格が異なる。
これでもか!と酒が進む酒肴が登場するのが困ったものだ…。
同じテーブルに同席頂いた方々が酒豪のため、期せずして数々の銘柄を堪能させて頂いた。
意外なタイミングで刺身が登場。岩魚はいささか水っぽいものの、蒟蒻の刺身は格別であった。
またしても酒肴が登場する。山の食材と燻製の相性は抜群だ。
まさか、もう一つキノコ鍋を頂けるとは!!
圧巻、と言う言葉しか浮かばない(笑)
2023年は香茸が不作であったので、嬉しい出会い。
某生産者さんの持ち込みが再び炸裂!
超レアな国産黒トリュフをたっぷり満喫させて頂き感慨無量…
デザートも自家製である点に矜持を感じる。
そして、美味しい。
ランチメニューは、【ともん定食】、【天ぷら定食】、【山女魚姿焼き定食】などがあります。
今回は最も品数の多い【ともん定食】を頼みました。
こちらは、山菜・きのこ盛り合わせ(10種)、山菜精進揚げ、山女魚甘露煮、ご飯、けんちん汁、漬け物で構成されているそうです。
実際に届いた料理は言葉で見るよりも遥かに充実しており、品数豊富で嬉しい悲鳴を上げました(笑)
山菜・きのこ盛り合わせ
3段の重箱で登場し、意表をついてくる!
甘露煮はヤマメではなくウグイ。嬉しい。
他、キノコの酢の物、山葵菜の醤油漬け、伽羅蕗、蕗の薹味噌、イワタケの酢の物など。
ウグイはホロホロした身から苦味を滲ませ、香りも楽しませてくれる。
酢の物はイワタケを含めて酢がしっかり。
酢の使い方については、全体で唯一気になり、個人的にもう少し抑えても良いように感じた。
山菜類は一つ一つの完成度が高く、蕗の薹味噌はペースト状で少量でも味わい深い。
伽羅蕗は醤油と砂糖がガッツリ利いている事が多いが、こちらはさっぱり味。
山菜精進揚げ、けんちん汁、香の物
上記の重箱とほぼ同時に出てくるので、ボリュームに驚嘆!
山菜精進揚げは実に多様なキノコと山菜の天麩羅の盛り合わせ。
コウタケ(香茸)、ハタケシメジ、クリタケ、ウラベニホテイシメジ、カノタケ、アカモミタケ、チャマメツムタケ、マツタケモドキ、芹、穂紫蘇、獅子唐。
押しなべてサクッと軽やかに揚げられており、香りや食感を楽しめる。
天ツユが上品な味わいである点も好印象。
けんちん汁には野菜に加えてナメコ、クリタケを使用。
香の物に「黄色い沢庵」などが無い点は嬉しい。
季節を変えて伺いたくなるお店です。
「郷土料理ともん」さんについて、お電話で予約が可能です。
店名:郷土料理ともん
予算の目安:【ともん定食】1,720円など、夜のコースは要相談のこと
TEL:04-2962-2507
住所:埼玉県入間市春日町1-3-2
最寄駅:入間市駅から1,300m
営業時間:11:00~14:00(L.O.13:00)、17:00~22:00(L.O.21:00)
定休日:火曜、水曜 ※祝日は営業
戸門ファミリーと山の恵みに感謝する、すしログ(@sushilog01)でした。
日本料理編 No. 155に最新情報を追記して更新しました。
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