こんにちは、鮨ブロガーの、すしログ(@sushilog01)です。
こちらは予約困難な居酒屋として知られますが、「居酒屋」と言うよりは「くずし割烹」のようなお店です。
なにせ使用している食材のクオリティが高く、旬を強く意識した和食なので。
そこにセンスあふれる創作性が加わり、個性的なお酒と見事に合わせてくれます。
空気感も洗練されていて、いかにも東京らしい酒場。
スタッフの方もフレンドリーなので、活気と楽しそうな雰囲気で食とお酒が進みます!
渋谷「酒井商会」の魅力とは?
渋谷の「酒井商会」さんは酒井英彰さんが率いるお店です。
酒井さんは福岡県出身とのことで、お店では福岡を始め九州の食材を多用されています。
しかも、一般の市場を通すよりも生産者さんから直接入れるものの方が多いそうで、感銘を覚えました。
意識が高い生産者さんの食材が都会の人気店に流れれば、良い循環が生まれます。
生産者、料理人、消費者の全ての満足度が高まる仕組みづくりこそ、今後の飲食業界で活発化して欲しい取り組みです。
都市部で人気を誇るお店が率先して推進されていると、応援したくなります。
そして、実際に野菜にしても魚にしてもクオリティが高いので、消費者としても恩恵をあずかることが出来ます。
ちなみに、店主の酒井さんはnoteに記事を書かれています。
大変面白いので、飲食業界に関心のある方はぜひご一読ください!
御料理を頂いて感じた魅力は、アレンジのセンスの良さとお店の自由度の高さです。
「酒井商会」さんのメニューを見ると、あれもこれも食べたくなります。
和食というジャンルの中で行きすぎないアレンジを行われていて、遊び心があり、誰もの心をつかむものばかり。
お店の楽しみ方の幅が広いところも魅力です。
「酒井商会」さんはアラカルトで頂くことも可能ですが、初訪問ならば「おまかせ」が楽しい。
その程度のボリュームの「おまかせ」か指定出来るし、幾つか単品で頂きつつお願いすることも可能なようなので、その日の気分や用途で楽しみ方を変えられます。
そして、お酒もペアリングで頂けますので、お好みのお酒を伝えておまかせするのが良いかと思います。
意外な発見があるはずなので、お酒の「おまかせ」は大いにアリです。
ちなみに、僕は初めてのお店に行くときは「思考停止」も必要だと思います。
我を出さず、特にお酒については、お店の方のおまかせを頂き価値を受け入れることで、体験価値を大幅に高められることもありますので。
渋谷「酒井商会」の御料理の詳細
それでは、訪問時に頂いた御料理をご紹介します。
この度おまかせで頂いた内容
- お通し:呉豆腐
- 蛸とルッコラの塩昆布サラダ
- 猪肉のクリーム春巻き
- お造り:太刀魚、真鯛
- 蛤とスナップえんどうの茶碗蒸し
- 黒豚と海老のしゅうまい
- 牡蠣の塩山椒煮
- 雲仙ハムカツ
- 桜海老の大根餅、蕗味噌添え
- 酒肴の盛り合わせ
- ホタルイカとそら豆の土鍋炊きご飯
こちらにドリンクを生ビール+ペアリング(9種類)で頂き、13,500円でした。
最初は生ビール(サッポロ黒ラベル)を頂きました。
お通し
呉豆腐!
お通しが郷土料理とは、実にセンスが良い。
しかも美味しい。
ねっちり、もっちりした食感で、香りも良い!
山葵は紛れも無い本山葵を使用。
山葵のクオリティは居酒屋のクオリティを明確に表す。
付け合わせが春菊な点にもセンスを感じる。
蛸とルッコラの塩昆布サラダ
タコと無農薬ルッコラ、トマト、塩昆布のサラダ。
トマトが非常に甘い。
タコも下ごしらえが丁寧で、しっとりさっくりと切れて旨い。
猪肉のクリーム春巻き
白菜はとろっとしていて、マーガオの爽やかな香りが心地良い。
個人的には猪らしさ(テクスチャー、香り、脂)が前面に出ると更に良い気がするが、一般受けを考えて調整されているのだろう。
オーストラリアのヴィオニエを合わせて頂き、一気にテンションが上がる。
お造り:太刀魚、真鯛
真鯛は唐津産で、煎り酒で頂く。
味わいが力強く、鮨で頂くものと大きく異なるので、伺ったところ4キロアップの大型であった。
太刀魚は天草産で、紫蘇醤油に紫蘇の新芽を乗せて提供。
鯛ともども脂が十分に乗っていて旨い。
白隠正宗
中伊豆産の山田錦を使用する白隠正宗。
その心は、刺身の山葵が中伊豆産だからとのことで、ユーモア抜群!
蛤とスナップえんどうの茶碗蒸し
蛤の旨味が強烈で、奥歯の方まで瞬時に届く。
スナップえんどうの香りと甘みが爽やか。
にぎにぎしい見た目の茶碗蒸しは、鮨店とは異なる妙味があり、良い。
まろやかで甘みと渋みがあるワインとの相性も良い。
黒豚と海老のしゅうまい
むちむちした黒豚の食感と、ぷりっと弾ける海老の食感が魅力。
海老の香りも良く、そこに黒豚の脂の甘みがにじみ、腑に染み渡るかのような美味しさだ。
黒糖焼酎との相性がケタ外れで驚く!
牡蠣の塩山椒煮
広島県で、日本唯一の「杭打ち式」で育てられる牡蠣。
牡蠣はみっちりしていて旨い。
滋味がどんどん広がり、香りも良い牡蠣だ。
味付けも魅力的で、軽い甘みの中に山椒が香り良く、ピリリとしっかりしたシビレを楽しませてくれる。
先ほど日本酒で頂いた白隠正宗の米焼酎「第壱峰」とともに。
雲仙ハムカツ
あたかもメンチカツのようなジューシィなハムカツだ。
脂がたっぷりで、衣が香ばしくてサクサクと軽妙。
ワインのフルーティー感、渋み、香りが絶妙に合う。
桜海老の大根餅、蕗味噌添え
頂く前から香りが良い。
桜海老の風味に包まれながら、とろっとろにとろけ、きめ細かくほどけゆく大根餅。
実に良い。
大根餅と香りを高め合う日本酒。
酒肴の盛り合わせ
奥から時計回りに、鰯のぬか炊き、自家製和牛のコンビーフ、干瓢の佃煮。
合わせるお酒は隆のにごりで、コースの流れを実に理解されている提案だと実感。
香りが良い和牛のコンビーフ、柔らかく酒肴に仕上げた干瓢の佃煮も魅力的だが、個人的に最も印象深かったのが、鰯のぬか炊き。
北九州の郷土料理であるが、一般的なものとはレベルが違う美味しさであった。
最後に一杯頂いお酒は、希少な新政。
純米酒 別誂 ミズナラ樽貯蔵 秋櫻(コスモス)の「ウクライナ人道支援」酒だ。
これはユニセフに寄付されるチャリティ酒である。
ホタルイカとそら豆の土鍋炊きご飯
ご飯、ホタルイカ、そら豆それぞれに別の調理を施している点が素晴らしい。
肝がとろりととろけるホタルイカは蒸らしの状態で入れている。
しかも、ホタルイカはボイルでもスチームでもなく、恐らく生ホタルイカを使用!
空豆は焼いた後に入れているため、コリッとした食感とともに香ばしい香りを楽しめる。
米もパラッと炊き上げつつ、甘みを感じられ、美味しい炊き加減だ。
味噌汁はお店自家製の「手前味噌」を使用してるそうで、なんて志の高さ。
出汁も強烈に利いていて、赤出汁のように力強い味噌汁だ。
呑んだ後に癒やされる。
渋谷「酒井商会」の立地と雰囲気
お店は渋谷駅から少し歩いた場所にあり、看板が出ていません。
「荻津ビル」の2階に入っているのですが、初訪問の際には確実に通り過ぎるはず。
不安になるような外観ですが、店内はスタイリッシュで寛げます。
温かみのある空間で、活気があるため、いるだけで楽しくなる雰囲気です。
渋谷「酒井商会」のお店情報と予約方法
「酒井商会」さんの予約はハードルが高く、予約を取りにくい状況にあります。
しかし、2店舗目の「創和堂」さんは席数が多いため、本店よりも入りやすい模様です。
僕も次回は「創和堂」さんにも伺ってみたいと感じました。
店名:酒井商会(さかいしょうかい)
予算の目安:お酒を楽しんで10,000円くらい
TEL:070-4470-7621 ※予約のお電話については、11:00〜17:00の間という指定あり
住所:東京都渋谷区渋谷3-6-18 荻津ビル2階
最寄駅:表参道駅から450m
営業時間:月〜金17:00〜23:00、土15:00〜21:00
定休日:日曜、不定休
心地よい雰囲気の酒場に癒やされる、すしログ(@sushilog01)でした。
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