鮨好きシェフが繰り出す!魚介が美味しいイタリアン・新宿「IL Lato(イルラート)」

イルラート看板

こんにちは、魚介料理に目がない、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)です。

今回ご紹介するのは、魚介料理が抜群に美味しいイタリアンです。

お店の名前は、新宿三丁目の”IL Lato(イル・ラート)”。

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当ブログは基本的に鮨、日本料理、和菓子を扱っていますが、日本料理超えの魚介を使うお店に出逢えば、ジャンルレスでお届けします。

オーナーシェフである古井繁規さんは、鮨職人と同じ時間帯(=超早朝)に豊洲に行くほど、魚を愛している方です。

その結果、当然と言えば当然かもしれませんが、鮨職人のファンも多いそうです。

今回お伺いして、僕が通っている鮨店の職人さん数名も常連と知り、なるほど!と腑に落ちました。

その方々は魚の扱いが抜群に巧いので。

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つまり、”IL Lato(イル・ラート)”は、鮨好きにも訪問して欲しい、リストランテです。

ちなみに、古井シェフは僕の公式LINEにも登録頂いており、気が抜けません(笑)

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新宿三丁目 ”IL Lato(イル・ラート)”の魅力とは?

新宿三丁目にある”IL Lato(イル・ラート)”は、2021年2月22日にオープンしました。

そして、グルメの間では、オープン早々に話題になりました。

なにせ、古井繁規シェフは超有名な方。

北イタリア・ピエモンテ州での修行後、新宿三丁目の”OSTERIA ORIERA(オステリア・オリエーラ)”を予約困難店に育てたシェフです。

 

なので、独立されたと聞いたときには、人気が高まる前に訪問しよう!と、即座に思いました。

結果的にはコロナの影響もあり開店後、1周年を迎えそうなタイミングでの訪問となってしまいましたが、お伺いして本当に良かった。

 

今回頂いた古井シェフのコースは、御料理の60%が魚介類でした。

サラダとスープを除けば、なんと75%が魚介類!

イタリア料理としては類を見ないほどの魚介類のボリュームで、しかもクオリティが突出しています。

さらに、イタリアでは使わない、日本の高級魚も駆使します。

 

正直なところ、イタリア料理、フランス料理のお店では、魚の臭いが気になるお店に出くわすこともあります。

地方のご当地イタリアンやフレンチではリスクが低いものの、なぜか都会のお店では臭いが気になることがしばしば…

しかし、古井シェフは申し分ない処置を施されます。

鮨を愛されているだけあり、魚の臭み(トリメチルアミン)はもちろん、血液に伴う雑味も排除されています。

 

その上で、魚の味覚だけでなく魚の香りも活かすところが特徴だと感じました。

詳細メニューは次項でお伝えしますが、古井シェフはイタリア料理よりも日本料理や鮨で使用される魚を多用されます。

冒頭から意表を突く流れで構成され、使用する食材だけでなく、コースの組み立て方や選択する調理法も完全に独自。

イタリア料理を決定づけるオリーブオイルや塩、ハーブに加えて、乳脂肪についても、魚味を活かすために徹底的に調整されています。

 

結論として、実に日本らしいイタリアンなので、ミシュラン調査員の方が正当に評価されれば、諸外国の方も心を動かされるイタリア料理であるのは間違いないと感じました。

”IL Lato(イル・ラート)”のコースの内容

コースはおまかせのみで、2つ用意されています。

10品9,900円、12品16,500円です。

当初は前者を予約していたのですが、シェフから「後者の方が絶対にお得です」と伺ったため、変更しました。

 

結果的に、確かに魚介好きならば後者のコースの方が満足度は高いと感じました。

最初はビールで始めて、ワインをおまかせで頂き(計6杯)、2人で58,000円弱。

ワインは希少性の高いものを頂けるので、ワイン好きならば刺激になるはず。

僕も勉強になりました。

すしログ

魚介料理が多く、油脂が控えめな構成なのに、赤ワイン主体で合わせられる点が意外でした!

コースの内容

  • メジマグロ(カルパッチョ)
  • フォカッチャ、タコパン
  • ハーブのサラダ
  • マスノスケ
  • ミネストローネ
  • 甘鯛(ヴァポーレ)
  • 虎河豚の白子(ポワレ)
  • 真魚鰹(サルタート)
  • 鰯のヴァベッティーニ
  • 鹿肉ラグーのタヤリン
  • 但馬玄のランプ(ブラーチェ)
  • ミルクのジェラート、イチゴ
  • シュークリーム、プリン
  • カッフェ
  • フィナンシェ、ムラング、クッキー

 

メジマグロ(カルパッチョ)

イルラートメジマグロ(カルパッチョ)

一品目が鮨店御用達のメジマグロとは、いきなり意表を突かれる。

産地は佐渡。

トマト、赤タマネギ、エシャロット、ハーブ、焼き茄子のパウダーとともに。

切りつけは厚みがあり、ポーションが大きいが、包丁を細かく入れているため一体感が高い。

メジマグロの脂とオイル、そしてビネガーが口の中で乳化する。

酸の爽やかさの中に脂と香りが広がり、爽やかながら確かな力強さがある。

 

フォカッチャ、タコパン

イルラートフォカッチャタコパン

オリエーラ時代からの名物となっているアイコンのようなパンだ。

 

ハーブのサラダ

イルラートハーブのサラダ

種々多様なマイクロハーブが使用されていて、爽やかな香りが交互に魅せる。

一口一口で香りが異なる点が面白い。

 

イルラートワイン01

 

マスノスケ

イルラートマスノスケ

メジマグロに続いて、国産キングサーモンであるマスノスケに出会うとはビックリ!

トマトのジュレ、金柑のコンポートとともに。

マスノスケは脂に加えて香りも良い。

身はむっちりした弾力がある。

油と旨味が活性化しているので低温調理を施しているのかと思いきや、軽い炙りのみとのことであった。

皮ごと提供される点が個人的に素晴らしいと感じた。

皮目の香り、脂、旨味を楽しめるためだ。

さらに特筆すべきはトマトのジュレ。

香りの清々しさに加えて、旨味が強く、マスノスケを引き立てる。

旨いものの単調になるリスクのあるマスノスケを野菜の味覚で補足するアプローチは粋と言える。

 

ミネストローネ

イルラートリボリータ

20種類以上の野菜を使用しているミネストローネ。

野菜の香りや甘み、旨味だけでなく、食感も活かしているところがポップだ。

トロトロなだけでなく、蓮根のシャクシャク食感や、柔らかすぎない豆の食感など、複数のリズムを奏でる。

個人的に、豆の食感の残し方については好感を覚える。

現地式の調理だと柔らかく煮込むことがセオリーかもしれないが、日本の茶豆と同じく食感を残す調理を選択されている点に、シェフの明確な意志と哲学を感じた次第だ。

 

イルラートワイン02

 

甘鯛(ヴァポーレ)

イルラート甘鯛(ヴァポーレ)

甘鯛の骨のブロードを使用した蒸し焼き(蒸し煮に近い)。

甘鯛特有の濃密な旨味とゼラチン質を、どストレートに楽しませる一皿。

甘鯛を選択している点や、塩気などはあたかも和食のようだが、しっかりとワインに合う。

しかも、この方向性の御料理で赤ワインにも合わせられるとは、目から鱗だった。

 

イルラートワイン03

 

虎河豚の白子(ポワレ)

イルラート虎河豚の白子(ポワレ)

メジマグロ、マスノスケ、甘鯛と来て、今度は虎河豚の白子!

料理写真と料理名を伏せられ、食材名だけ聞けば、確実に日本料理店か鮨店だと思うだろう。

しかし、イタリア北部では常用されると言う、菊芋のピュレを合わせる。

調理法はフレンチで言うポワレだと思われ、白子の皮はもっちり、ねっちりで、中はトロットロに仕上げられている。

これは和食の焼き白子のようなコントラストだ。

そこに、菊芋の野趣やアチェートバルサミコと思われる穏やかな酸味と甘みが加わり、調和している。

大変印象深い虎河豚の白子料理である。

 

真魚鰹(サルタート)

イルラート真魚鰹(サルタート)01

付け合せは聖護院大根、ソースはシェリービネガーベース。

真魚鰹はぷりぷりと気持ちの良い食感で、旨味とゼラチン質をたっぷりと楽しませてくれる。

イルラート真魚鰹(サルタート)02

聖護院大根と真魚鰹の一体感が気になる組み合わせだが、トロっとし仕上げられているため聖護院大根の香りと甘みが見事に一体化する。

そして、シェリービネガーの甘みと極軽い酸味が加わり、気品のあるフィニッシュ。

 

イルラートワイン04

イルラートワイン05

 

鰯のヴァベッティーニ

イルラート鰯のヴァベッティーニ

卵白のみで打ったヴァベッティーニ。

鰯は濃密な香りだ。

血合いの香りも用いており、それでいて臭みは無く、濃密な香りとして楽しませる。

パスタのプチプチ食感や、強めのピリ辛味もメリハリに満ちていて魅力的だ。

 

イルラートワイン06

 

鹿肉ラグーのタヤリン

イルラート鹿肉ラグーのタヤリン

ピエモンテを代表するパスタ、タヤリン(タリオリーニ)。

トマトの酸味が利いているラグーで、ローズマリーの香りがスッキリ。

油脂が少なめなので、軽やかに頂けるパスタ。

 

但馬玄のランプ(ブラーチェ)

但馬玄のランプ(ブラーチェ)01

希少性の高い但馬牛ブランドの「但馬玄たじまぐろ」のランプを、ブラーチェ(炭火焼き)で焼き上げる。

野菜は新玉葱、菜の花、グリーンピース、聖護院大根と非常にスタイリッシュなチョイス。

但馬玄のランプ(ブラーチェ)02

これは実に旨い赤身!

燻香も魅力的だ。

炭火で焼いては休ませることを長時間繰り返し、じっくりと火を入れている。

ちなみに、ナイフはペルスヴァルの9.47を使用。

 

ミルクのジェラート、イチゴ

イルラートミルクのジェラート

バジルを使用している点や、イチゴのソースが非常にスッキリした味わいである点が嬉しい。

ミルクのジェラート、イチゴ、ピスタチオと王道の組み合わせで、バッチリ美味しいドルチェ。

 

シュークリーム、プリン

イルラートシュークリームとプリン

プリンとシュークリームとは、日本人なら誰もが子供の頃から慣れ親しんだスイーツ。

それをドラえもんのプレートで出す遊び心が素敵。

味も美味しく、プリンは濃密で、シュークリームは多層的な皮が魅力的なモカクリームシュー。

 

カッフェ

イルラートカッフェ

 

フィナンシェ、ムラング、クッキー

イルラートミニャルディーズ

フィナンシェはカリッ、ねっちり、香ばしい…を楽しめる。

どれも魅力的だ。

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”IL Lato(イル・ラート)”の立地と雰囲気

イルラート外観

お店は新宿三丁目駅から徒歩1分程度の場所にあります。

ビルは新宿三丁目の中でも非常に綺麗なビルなので、新宿に猥雑なイメージを持つ方もご安心ください。

エレベーターで4階に上がると、控えめなドアがあります。

そして、店内に入ると、しっとりした雰囲気です。

 

席の間隔は広く、非常に寛げます。

カウンターはシェフのお話を聞きながら頂けるので、あたかも鮨店やカウンター割烹のような妙があります。

ただ食べるのではなく、コミュニケーションしながら御料理と食材の話を聞きたい方ならば、必ずヒットするでしょう!

すしログ

…もっとも、古井シェフは腕じゃなくて食材が良いだけです、みたいなコメントを連発されますが(笑)

”IL Lato(イル・ラート)”のお店情報と予約方法

予約については、お電話に加えて、テーブルチェックより可能です。

イル・ラート(テーブルチェックのリンク)

 

イル・ラート(食べログのリンク)

店名:IL Lato(イル・ラート)

予算の目安:10品9,900円、12品16,500円

TEL:03-6709-9987

住所:東京都新宿区新宿3-6-2 栄ビル4F

最寄駅:新宿三丁目駅から120m、新宿駅から450m

営業時間:平日18:00~23:00、日・祝12:00〜15:00(前日までの予約)、18:00〜22:00

定休日:水曜、他不定休

 

あらゆるジャンルの魚介料理を食べ尽くしたい、すしログ(f:id:edomae-sushi:20201002142555p:plain@sushilog01)でした。

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