こちらは富山で人気を博す老舗の鱒寿司店です。
正確な創業年は公式サイトに見当たりませんが、2016年に「創業より70余年」と言う情報があり、当代の店主は3代目との事ですので、昭和初期の創業となるようです。
富山市内には30店舗以上もの鱒寿司店があるため、富山の人には各々の「マイ鱒寿司店」があるそうです。
県外の人には扇一さんが圧倒的な人気を誇っていて、実際に大変美味しい逸品だと思いますが、食べ比べをしてみるとお店ごとの味があるので、「一番美味しいお店」は人それぞれだなあと実感します。
個人的に、富山市内でスシとなると、握りのお店よりも鱒寿司のお店が格段に進んでいるように感じています。
吉田屋鱒寿し本舗さんの鱒寿司の特徴
会社としてのこだわりは、5つあるそうです。
すなわち、水、米、笹、鱒、商品のバリエーション。
主役である鱒よりも真っ先に「水」を挙げるところに感銘を覚えます。
日本料理、スシにおいて水は全ての根幹ですからね。
立山の伏流水を井戸から引いて使用されているようなので、現地で食される方は立山連峰を眺めながら頂けば美味しさひとしおでしょうか。
そして、「米」についても非常に期待が持て、立山山麓の契約農家から直接仕入れ。
一般に流通していない富山産コシヒカリ「みやの穂」を使用しているそうです。
「笹」については「中国産の熊笹があふれている中」「全国各地から熊笹を取り寄せ、そこで厳選し、長野県の天然熊笹を使用」しているとの談。
二文目は文章が微妙におかしいものの、熱意は感じさせられますね。
そして、「鱒」。
神通川で獲れる大ぶりの鱒を使用し、丁寧に手切りで加工しているそうです。
構成要素が少ないシンプルな郷土寿司においては、個々の食材へのこだわり・熱量が非常に重要だと思います。
鱒の風味がせず、シナシナに〆られた鱒寿司を食べて鱒寿司のイメージが弱い方は、是非ともしっかりした鱒寿司を食べてみて欲しいものです。
なお、5番目にある「商品のバリエーション」については、驚くほど多くは無いのですが、確かに豊富にご用意されています。
特に昆布を用いたものが3種類あるのは着目すべきところ。
【昆布鱒寿し(バッテラ昆布とおぼろ昆布)】、【白とろろ&黒とろろ昆布のます寿し】、【おぼろ昆布のます寿し】があり、人気が高い模様です。
鱒寿司の表記に「ゆれ」があるのは、出版に関わる人間として気になるところですが(笑)
ちなみに、僕は初訪問(初実食)のお店では、個性派メニューを頼まない事にしています。
他店との比較が出来ませんからね…
如何に人気が絶大であろうと、如何に美味しそうであろうと、自分を厳しく律しています(笑)
吉田屋鱒寿し本舗さんの【特撰】
この度頂いたのは【鱒の寿し 特撰】税込2,100円となります。
見た瞬間に、かなり肉厚!と驚きました。
【特撰】はもともと「裏メニュー」だったそうで、今でも1日数量限定で作っているそうです。
鱒の腹側の身の肉厚な部分のみを使用した贅沢な逸品。
頂いてみると、しっとりのみならずとろっとした印象を受ける〆加減です。
脂が多い鱒を〆の塩梅で軽やかに仕上げています。
これは、使用する部位も影響しているとは思いますが、しっとりした鱒寿司が好きな方ならば、確実に上位に食い込む味だと思います。
また、脂が乗っているだけでなく、同時に鱒の香りも楽しめる点が嬉しい。
酢飯は酸味と甘みともに一体感があり、特に甘すぎない点が魅力。
でも、酢飯だけ食べると甘みはそれなりに感じました。
バランスが良いと言うことですね。
こちらはアミノ酸を使用しているものの、鱒のパワー・パンチならびに一体感によって、違和感は感じませんでした。
唯一指摘するならば、〆加減が切り身によってまちまちで、食感・塩気ともにざっくりしているところです(笑)
結論として、他店とは異なる魅力、個性を有しているので、食べ比べにおいて外せない一軒だと思います。
有名な扇一さんのものが入手出来なかった時は、こちらの【特撰】を頂けばリカバリー出来るのではないでしょうか。
吉田屋の富山名物ますのすし「特選鱒の寿し」伝統の味(夏季はクール冷蔵便)
- 価格: 2100 円
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まつ川さんも違った魅力があります。
吉田屋鱒寿し本舗さんのお店の情報
吉田屋鱒寿し本舗(食べログのリンク)店名:吉田屋鱒寿し本舗(よしだやますずしほんぽ)予算の目安:鱒の寿し(特撰)2,100円、他に鱒の寿し一重1,600円、両面2,100円、 二重3,000円など最寄駅:安野屋駅から60mTEL:076-421-6383住所:富山県富山市安野屋町2-6-6営業時間:7:00~19:00(商品が無くなり次第終了)定休日:元旦
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