こちらは東京屈指の高級住宅街、田園調布の駅前にある鮓店です。
創業はなんと江戸末期まで遡り、深川で「帆掛寿司」と言う屋号で屋台を構えていたそうです。
その後、日本橋、銀座と店舗を移転。
いずれも鮨の歴史で無くてはならない街ばかりと言うのが興味深いところ。
ただ、田園調布に移り屋号を変えられたのは1936年(昭和11年)と、それ自体が結構な昔とのことです。
それ以来、江戸前の握り鮨だけでなく、関西鮓も作られている点が珍しい特徴となります。
今回こちらのお店を知ったきっかけは、【鮎の姿鮓】の存在。
鮎の鮓はそもそも関西のものであり、創業800年超の奈良県吉野のつるべすし弥助などが有名ですが、まさか東京で頂けるとは!
必ず鮎のシーズンに訪問しようと、狙いを定めて訪問しました(8月下旬、ギリギリのタイミング)。
タップできる目次
御鮓所醍醐さんの関西鮓
鮎姿寿司
昔ながらのしっかりした〆加減。
塩も酢も浸透させており、これは今の世の中で頂く喜びがある。
それでいて、鮎の香りを感じる塩梅なのが嬉しい。
マニア向けの鮓かもしれないが、美味しいだけでなく文化も味わわせてくれる鮓だ。
大阪寿司
酢飯は甘みがあるもので、各仕事は完全に伝統的な大阪鮓のそれ。
鯛などの〆ものはバシッと〆ている。
海老には塩気を付けつつ、煮物は甘い。
玉子も甘みのあるクラシカルなもの。
穴子はホロッとした食感で、焦げの苦味が香ばしい。
干瓢の食感は強く、異なる甘みで構成する、伝統的な味だ。
太巻きは伊達巻とほぼ同じ構成だが、椎茸と海苔の香りが魅力的。
椎茸はぷりっとした食感を示した後に、ざっくり切れる。
また、ガリが自家製な点は素晴らしい。
酸味がキリッと利いて、甘みが極弱いもの。
関西鮓としては珍しい味付け。
如何なるお店であっても自家製でなければ、ガリは使わない方が良い。
それは心意気の問題ではなく、味覚の問題として。
全て国産の食材を用い、添加物入りの食材は不使用との事ですが、次代に流されない、今日び珍しい関西鮓だと感じました。
まして、東京はおろか、大阪でも店舗数が減り続けるのが大阪鮓。
頑張って暖簾を引き継がれる事を切に願っております。
御鮓所 醍醐さんのお店の情報
店名:御鮓所 醍醐(おんすしどころ だいご)
予算の目安:鮎姿寿司・税込1,005円、大阪寿司・税込1,123円など
TEL:03-3721-3490
住所:東京都大田区田園調布3-1-4
最寄駅:田園調布駅から70m
営業時間:11:00~21:00
定休日:火曜
本記事のリンクには広告がふくまれています。